2019 学生懸賞論文入賞作品(4編)

2019 学生懸賞論文入賞作品(4編)

最優秀賞

「地域支援型農業(CSA)を用いた新規参入者獲得の提案 ~新規就農から生まれる地域コミュニティーと農業の再興~」
国際環境経済学科3年 澤田 美結 要旨はこちら

優秀賞

「男女二元論の批判的一考察~トイレ利用の事例を用いて~」
言語文化学科3年 櫻井 みのり 要旨はこちら

審査員奨励賞

「プラスチックによる海洋汚染問題の現状と対策~包括的な解決の方向性の提案~」
国際環境経済学科3年 渡邉 萌絵 要旨はこちら
「投票率増加のためのシティズンシップ教育の提案~義務投票制度導入に向けて~」
国際環境経済学科3年 粂 里穂 要旨はこちら

<最優秀賞> 「地域支援型農業(CSA)を用いた新規参入者獲得の提案~新規就農から生まれる地域コミュニティーと農業の再興~」
国際環境経済学科3年 澤田 美結

 現在、日本は人口減少社会であると言われている中、かつては主要産業であった農業においても従事者の減少が著しく進行しており、大きな問題となっている。農業の衰退により、我々の生活に様々な影響をもたらすことが懸念されている。農業の再興には、農業の担い手を増加させることが効果的な方法の1つであるということが明らかとなっている。そこで、本稿では新規就農者獲得に向け、地域支援型農業(CSA)を用いた"新しい農業"の形を提案した。
CSAは生産者と消費者を直接繋ぎ、金銭のやり取りや農産物の販売を行う仕組みであり、日本で普及させるためには生産者と消費者の仲介役を担うNPO法人の存在が重要になると考えた。この新たなCSAを導入することで、農家の収益安定化を図ることが可能になることから新たな就農者の創出に繋がるだけではなく、地域コミュニティーや農業の再興を期待できるであろう。

<優秀賞>
「男女二元論の批判的一考察~トイレ利用の事例を用いて~」
言語文化学科3年 櫻井 みのり

 現代社会において、性別は男女に二分されるという男女二元論の思想が、フェミニズムのすすめる男女に限定された"性の平等"のもと強化されてきた。本質的な性の平等とは、性という枠組みにとらわれないことを指すにも関わらず、現代における"性の平等"は、無意識的に男女の平等とすり替えられ、結果としてXジェンダーといった男女にとらわれない性自認を排斥した。一方、性の多様性を実現する実践的な取り組みとして、渋谷区では男女二元論の枠を越えたオールジェンダートイレが設置された。しかし、当事者の要望との食い違いや、誤った解釈に基づいた報道など、いくつか課題が残るものとなった。以上から、性の多様化が進んでいく現代社会において、改めて「性」とは男女で完結するものでないということを充分に理解し、男女二元論を越えた正しい知識を蓄積させていくことが、本質的な性の平等実現にむけた第一歩である。

<審査員奨励賞>
「プラスチックによる海洋汚染問題の現状と対策~包括的な解決の方向性の提案~」
国際環境経済学科3年 渡邉 萌絵

 今日、経済の成長に伴った便利なライフスタイルへの移行と共にプラスチックごみは増加の一途をたどっている。プラスチック製品は、レジ袋、歯磨き粉、洗顔料の成分など私たちの身の回りの至る所で使用されているものであり、便利で安価であるため私たちの生活には欠かせないものとなっている。しかしその一方で、海洋汚染環境に深く関わる反面をもっており、私たち消費者としても自分事として考えなければならない問題となっている。
本稿で主幹となるマイクロプラスチックとは、海洋表層や海岸で紫外線に曝されることで劣化・破片化が進み、5mm以下になったプラスチックのことを指す。日本は世界第3位のプラスチックの生産国であり、1人当たりの容器包装等プラスチックの発生量が世界で2番 目に多いことから海洋プラスチック問題の一因を作り出していることは事実だ。

<審査員奨励賞>
「投票率増加のためのシティズンシップ教育の提案~義務投票制度導入に向けて~」
国際環境経済学科3年 粂 里穂

 近年、我が国では各種選挙における投票率低下が大きな問題となっている。特に若者の投票率が低く、高齢化が進む我が国において深刻な問題である。また、現在世界には気候変動や海洋汚染などを筆頭に地球規模で取り組むべき喫緊の課題も存在している。それらの問題解決の為にも今までより「持続可能な社会」をテーマにした取り組みも必要となってくる。したがって、日本の投票率改善に向けての提案をSDGsの視点も用いて述べていく。
本稿では、日本の投票率低下の課題を若者の投票率が低いということに着目し、世界の投票率と比較しながら日本の投票率低下の原因を分析した。投票率改善のために教育や制度改革の必要性を提示する。

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