2016 学生懸賞論文入賞作品(3編)

2016 学生懸賞論文入賞作品(3編)

最優秀賞

該当作なし

優秀賞

「ダンス・歌がもたらす石鹸を使った手洗いの「知識」と「習慣」の定着
~インド・ビハール州Gyan Niketan School の事例から~」
経済学部国際環境経済学科3年 太田 稜眞(共同執筆代表) 要旨はこちら

審査員奨励賞

「記憶されたナガサキと忘れられた長崎」
国際教養学部言語文化学科3年 指方 みさき 要旨はこちら

「繊維製品取引における新ビジネスモデルの提案」
経済学部経済学科4年 朱 晶惠 要旨はこちら

<優秀賞>
「ダンス・歌がもたらす石鹸を使った手洗いの「知識」と「習慣」の定着
~インド・ビハール州Gyan Niketan School の事例から~」
経済学部国際環境経済学科3年 太田 稜眞(共同執筆代表)
矢吹 徳浩・中村 郁巳・天田 麻友・高橋 莉真・二俣 将

 近年、多くの途上国は経済成長を遂げたが依然、衛生状況は改善されていない国は多く、下痢や肺炎、感染症が蔓延し生徒の就学率を引き下げている。石鹸を使った手洗いは衛生改善に有効だが、石鹸が使われていない現実がある。よって、石鹸を使った手洗いの「知識」と「習慣」が定着していないことが問題である。
本稿の目的は、石鹸を使った手洗いの「知識」と「習慣」を定着させるための方法としてダンス・歌を「行動経済学」の概念を用い、提示することである。インド・ビハール州の学校で行った現地調査の分析結果により、ダンス・歌は石鹸を使った手洗いの「知識」と「習慣」の定着に有効であった。さらに、拡張性とエンターテイメント要素も評価された。ダンス・歌は人々の行動を望ましい方向に変える工夫である「Nudge」と言えよう。課題として、プログラムのさらなる継続性のための現地ファシリテーターの育成と、作成したダンス・歌の動画の普及が挙げられた。

<審査員奨励賞>
「記憶されたナガサキと忘れられた長崎」
国際教養学部言語文化学科3年 指方 みさき

 私たちが認識している歴史には「二度と繰り返してはいけない」と言われる出来事が存在している。しかし今日、世界中で戦争やテロなどの負の歴史は繰り返されている。なぜ人間は「繰り返してはいけない」と言われている負の歴史を繰り返してしまうのだろうか。それは私たちが歴史として認識している記憶の中に、個人の感情や出来事が含まれていないことに原因があると考える。本稿では長崎に投下された原爆の歴史を例に歴史の中の一つの出来事に対してどのような語りが行われてきたのかを分析し、これらに関してなにが歴史の物語として記憶され、何がその物語から欠如されたかを調査する。そして記憶されなかったものが加害の事実を含む個人の出来事であったことを明らかにする。

<審査員奨励賞>
「繊維製品取引における新ビジネスモデルの提案」
経済学部経済学科4年 朱 晶惠

 2008年のH&Mの到来により「ファストファッション」は日本で定着した。流行にのった安い服は我々消費者の心をつかみ、ファストファッション各社の売り上げは増加し続けている。しかし、安価な生産の裏側には悪循環の中で働く労働者の実態があった。生活できる賃金は支払われているが、危険な現場での仕事は死亡事故、怪我、病気の原因となっていた。また、子供の勉強する機会を妨げ貧困に陥れる児童労働の問題であった。基準を設けてはいるが、問題解決にはいまだ至っていないのが現状である。それらの問題をフェアトレードという安価でおしゃれなファッションとは相反するシステムによる認証商品の製造によって解決することを示した。ファストファッション各社がフェアトレードを導入することは労働者の権利を守るだけでなく、企業にとっても事業拡大のチャンスとなり、双方がwin-winの関係を築くことのできる、ビジネスプランであるといえる。

 

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