2015 学生懸賞論文入賞作品(5編)

2015 学生懸賞論文入賞作品(5編)

最優秀賞

該当作なし

優秀賞

「長崎原爆投下認識と平和教育」
国際教養学部言語文化学科2年 指方 みさき 要旨はこちら

「ユーグレナ食品マーケティング:学生調査を事例として」
経済学部国際環境経済学科3年 中村 亮太(共同執筆代表) 要旨はこちら

審査員奨励賞

「現代の女性像と男性像 ―テレビCMからジェンダーを覗いて」
国際教養学部言語文化学科2年 倉持 紗月 要旨はこちら

「フェアトレードタウン運動の意義 ~草加市フェアトレードタウン化とコミュニティ強化~」
経済学部経済学科3年 朱 晶惠 要旨はこちら

「都市河川が抱える問題 ―伝右川を例として―」
経済学部国際環境経済学科3年 和田 凌也 要旨はこちら

<優秀賞>
「長崎原爆投下認識と平和教育」
国際教養学部言語文化学科2年 指方 みさき

 今年は戦後70年を迎える節目の年である。日本は戦後70年間、戦争を放棄し、平和な 社会を築き上げてきた。時間の経過とともに戦争の記憶の風化がますます危惧されるなか で、日本の戦争への肉体的加担が可能になるかもしれない安保法案が、今夏、安倍政権 下で可決されてしまった。戦争に対する意識が問われる今日、私たちは改めて戦争体験継 承を中心とする平和教育の重要性を考え直すべきではないだろうか。本論考では、第二次 世界大戦が終わり、GHQに占領され、解放されたのちに経済発展を果たした日本で、これま でどのような平和教育が行われてきたかを、長崎県下で行われている被爆体験継承を中心 とした教育に焦点をあててみていきたい。また、長崎市教育委員会の方へのインタビューを もとに現在どのような平和教育が長崎市内で行われているかを調べ、大学生を対象に行っ たアンケート調査で、平和教育がどのような意識づけにつながったかを分析する。

<優秀賞>
「ユーグレナ食品マーケティング:学生調査を事例として」
経済学部国際環境経済学科3年 中村 亮太(共同執筆代表)
白井 美咲・二階堂 菜穂・野口 栞・髙﨑 惣太・知久 悟

 現代人の健康問題を解消する「夢の食材」として、ミドリムシ(学名:ユーグレナEuglena)が注目を集めている。しかしながら、「ミドリムシ」の名称による抵抗感や、そもそも身近に摂取しにくいことなどから、十分な普及には工夫を要する。そこで筆者は、仮想的なガム購入シナリオを設定し、人々の選好構造を総合的に検討できる、選択モデリングによるアンケート調査を実施した。
調査結果を分析したところ、ユーグレナを含有するガムは、平均的には学生に好まれる傾向が示された。また、情報源として、インターネット上のニュースやブログでプロモーションすることはかえって逆効果を招きうること、政府関係当局の認証ラベル「トクホ」や、友人の口コミ効果が有効であることが示唆された。また、一日必要摂取量の科学的根拠を得るための努力も推奨される結果となった。

<審査員奨励賞>
「現代の女性像と男性像 ―テレビCMからジェンダーを覗いて」
国際教養学部言語文化学科2年 倉持 紗月

 「男らしさ・女らしさ」とは何なのだろうか。女はピンク、男は青、男は仕事で女は家庭、男のくせに泣くなと言われ、女のくせに力持ちだとからかわれる。私たちの日常生活の中には、知らぬ間にこのような「男だから~、女だから~」という概念が多く存在する。この概念を一般的にジェンダー(性差や性役割)という。社会や文化の中で変化していくジェンダーはメディア社会によって形成され、社会を切り取るメディアによって再び広く発信される。そこで、メディアの中でもより私たちの身近にあり、短い時間の中で強い印象を残していくテレビCMという媒体に着目し、そこではどのような社会が切り取られ、描かれているのか、 CMの登場人物や内容に焦点をあてて分析・考察した。その結果、昔ながらの「男は仕事で女は家庭」といった概念が未だに多く残っていることを前提とした上で、男性像・女性像における"新しい風"を現代のテレビCMから読み取ることができた。

<審査員奨励賞>
「フェアトレードタウン運動の意義 ~草加市フェアトレードタウン化とコミュニティ強化~」
経済学部経済学科3年 朱 晶惠

 フェアトレードの基準と仕組みは、生産者にとって持続可能で経済的自立を図るために重要な貿易システムである。ただのチャリティーではなく、持続可能な貿易システムを成立させていくためには認知度をあげ、消費者が商品を購入しやすい環境を整え、さらなる市場の拡大が期待される。方法の1つとして、フェアトレードタウンが注目され、日本でもすでに2つの自治体が認定された。
フェアトレードタウン運動の意義はフェアトレードを広めるものだが、現代のグローバル社会における地域コミュニティの弱体化を改善できるとされる。現在、草加市の地域コミュニティも弱体化しており、フェアトレードタウン運動を通じて改善できると考えられる。また、フェアトレードを通して若者と協力することは、地域住民と若者のコミュニケーションを増やすとともに、草加市を担う次世代を育むことができると考える。

<審査員奨励賞>
「都市河川が抱える問題 ―伝右川を例として―」
経済学部国際環境経済学科3年 和田 凌也

 河川はまちにとって多面的な機能を有している重要な存在である。特に土地利用が高度化した都市においては、河川空間に対して住民の貴重なオープンスペースや四季の変化を感じさせる空間だけでなく、動植物の生息・生育環境が成立するため環境でもあり、様々な利用が望まれている。しかし、都市河川は水質汚濁や人工的に整備された護岸、暗渠化など多くの問題を抱えている。都市化による用地の問題や治水機能を優先するために人工的に作られた護岸や水質の汚濁、コンクリートで固められ排水路と化す河川も存在する。
本稿では、まず都市河川の現状と一般的に抱える問題を捉える。その後、伝右川に焦点を当て、現状と問題を明らかにし、地域住民、学生、行政それぞれの主体に向けて問題解決のための提案を行う。そして、それぞれが協働できるような仕組みを作り、伝右川が抱える問題を解決するとともに、伝右川と地域住民の関係の再構築を目指す。

 

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