2010 学生懸賞論文入賞作品(2編)

2010 学生懸賞論文入賞作品(2編)

入選

該当作なし

佳作

「多様化する"政治的無関心―現代日本における若者の非政治的態度の心理的要因―」
国際教養学部言語文化学科3年 水越 結子 要旨はこちら

「現代の消費社会における時間の価値についての考察」
国際教養学部言語文化学科3年 山形 彩佳 要旨はこちら

<佳作>
「多様化する"政治的無関心―現代日本における若者の非政治的態度の心理的要因―」
国際教養学部言語文化学科3年 水越 結子

 現代日本においては、若者の間で"政治的無関心"が増大していると叫ばれ、そしてその"事実"が問題化されている。本稿では、そうした指摘は何に基づいているのかを考えるために、当事者である若者によって語られた言葉を参照しながら、彼らの非政治的態度の心理的要因を類型化する。現代社会におけるグローバリゼーションや情報化の影響により、彼らの非政治的態度の様相は急速に多様化している。従って、本稿では先行研究による既存の類型を参照することに加え、新たに「観客型無関心」「無関係意識型無関心」「表層的無関心」の三類型を提案した。
これまではある程度限定的であった"政治的無関心"の在り方が、特に現代社会に生まれた若い世代において多様化、及び複雑化したことが、「最近の若者は政治に無関心である」との認識の形成に大きく影響しているのである。

<佳作>

『現代の消費社会における時間の価値についての考察』

国際教養学部言語文化学科3年 山形 彩佳

ベンジャミン・フランクリンによる言葉で、"Time is money(時は金なり)"がある。「時間は金銭と同様に貴重なものだから、無駄に過ごしてはならない」ということである。これを「消費社会」とされる現代に置きかえたとき、Time is moneyの元の意味が示していた人々の「時間」への価値付けに変化が生じているのではないかと筆者は考える。消費社会においては、時間も消費の対象となっており、時間そのものを金銭と交換する、という意識が人々の中に存在するのではないだろうか。
本稿では、消費社会とは何かを扱う第一章、第二章では時間の価値をボードリヤールの「記号価値の消費」と照らし合わせて分析し、「時間」が「消費の対象」となったことで生まれたものの1つの例として、第三章で時間消費産業について考察していく。

 

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