予選審査

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予選審査

第1・2部では、「スピーチを録音したCD-R」により6~8名(組)程度、第3部では、「スピーチ原稿」により 3~5名程度、本選出場者を選出します。
複数エントリーしても、本選に出場できるのは1部門だけです。
複数部門で予選を通過した場合には、審査委員会で評価の高いものを1つ選出し、本選出場者を決定します。

予選審査基準

【第1・2部】

*発音・抑揚・流暢さ

*声の大きさ・間の取りかた

*全体的な印象(熱意・自信・説得力)

*ペアワーク・演劇性(第2部のみ)

<本選では、非言語的表現(視線・表情・ジェスチャー)も審査基準となります>

【第3部】

*構成

*わかりやすさ

*文法・文体

*全体的な印象(説得力・独創性)

*特に内容を重視

予選審査結果は、ジャッジシートのコピーとともに、7月上旬までに全員に通知します。

(参考)第20回全国高校生ドイツ語スピーチコンテスト予選講評

第20回全国高校生ドイツ語スピーチコンテストにたくさんのご応募をいただき、本当にありがとうございました。今回の応募者数は、第1部74名、第2部43組 (86名)、第3部19名、特別部門3校(30名)、延べ209名になりました。

 非常に工夫を重ねた力作が多く、予選は激戦になりました。特に第1部では13名、第2部では9組を対象に二次審査を行い、再度採点を行いました。高いレベルでの応募も多く、審査委員一同で頭を悩ませながら選出しています。また、二次予選には惜しくも行かなかったものの、朗読の工夫、演出が凝らされている面白い応募作品も多数ありました。このため、今回本選出場がかなわなかった方も、単に「ダメだった」と思わずに、送付された評価シートを読み、更なるレベルアップを目指してください。なお、残念だったのは(他の人が聞けば)すぐに分かるような単語の発音の間違いなどが残る録音も一部あったことです。何回か音読の練習をして、他の人に聞いてもらうだけで、こうした人の朗読は格段に良くなるはずです。そして、本選出場者の皆さん、激戦を勝ち残ったファイナリストとして、油断することなく練習を重ね、磨き上げた成果を本番で見せてください。

第1部(朗読部門)

 今年の朗読課題テクストは、Zwei Freunde und ein Bärです。直訳は「二人の友達と熊」ですが、日本では「熊と旅人」というタイトルでも知られているイソップ童話です。全体の語彙は例年同様、さほど難しくありません。しかし、皮肉が効いた、ひねりのある内容ですので、これを聴衆を引き込むように朗読するのは少し大変かもしれません。実際、応募者の皆さんも苦労していた印象を受けました。

 このテクストを朗読する際には、まずはネイティヴ・スピーカーによる録音をしっかり聴いてください。目でテクストを追いつつ、耳を澄まして、単語一つ一つの発音を確認してください。たとえばder eine Freund、かなりの数の人が、eを最後にくっつけてしまい、der eine Freunde「デア・アイネ・フロインデ」と間違えています。またよく見られたのが、母音の長短に関する間違いです。たとえば、「tot」の母音が、「オー」になっておらず、「トット」になっているような事例です。また子音にも注意が必要です。bとwの違い(WaldとBäumeなど、二つの音がこのテクストでは頻出します)や、有声音と無声音の区別(FreundやWaldの語末は[t]と濁らなくなります)です。こうした単純なミスは、音源を繰りかえし聴くこと、第三者に聴いてもらうことで、すぐに解決するはずです。

 また単語の一つ一つの音と同じくらい重要なのが、意味のかたまりとメロディーです。一つ一つの単語ごとに小さい停止(ポーズ)が入る単調な朗読が多くなってしまったのが残念です。ある程度のスピードと流れが存在すれば、一言一句完璧に発音できなくとも、上手く聴衆を引き込むことができるはずです。また、こうしたテクストをあまり単調に語ると、ひたすら暗くなってしまいます。熊に出会ったときの場面の臨場感、死んだふりをする時のあわてた様子、熊が旅人に近づく様子など、それぞれを異なる情景を演じ分けられるようにすると良いでしょう。それぞれ勢いや読むスピードが違うはずです。なお、本選では、言葉以外のコミュニケーションで重要な、視線、表情、(あまり大げさでない)ジェスチャーも審査基準となりますので、本選出場を決めた皆さんは、さらにこうした工夫もしてみてください。

第2部(対話部門)

 第二部はZimmerbestellung、「部屋の予約」というスキットです。中々日本にない仕組みですので理解するのに戸惑われたかもしれません。ここでのPortierとは、お客さんの要望をなんでも対応する「総合世話係」のような役割です。直訳だと「守衛」や「ドアマン」となるかもしれませんが、最近では「コンシェルジュ」という言葉(仕事)があるので、多少意訳をしています。

このスキットでは、宿泊客シュミッツとコンシェルジュの間でうまく意思疎通ができずに、最後まですれ違ったまま、という内容です。二人の落差(だんだんと怒りがこみ上げるシュミッツさん、勘違いしたままの最後まで能天気なコンシェルジュ)が表現できると、面白さがうまく表現できると思います。また、コンシェルジュはどうしてこんなに対応がぞんざいで勘違いしているのかについては、この人がとてつもないのんびり屋さんなのか、機器の不調なのか、体調の問題なのか、それとも酔っ払っているのかなど、出演者の解釈によって決まります。

 応募してくれた皆さんは、特にシュミッツの怒りを上手く工夫しているように感じました。ただし残念ながら、日本語の訳を理解し、一種のセリフとしてドイツ語で話を進めてはいないと感じられる応募作もありました。例えば、どこに間を置くかは、演出の構成要素としても重要です。たとえば、Ich schaue mal nach...(「お調べします」)やMoment...(「お待ちください」)と言ってから、全く間を取らず次の言葉を言っていると、コンシェルジュがいったい何を調べているのか、何を待ってもらっているのか、わからなくなります。また、どこに強調を置くかも重要です。強く読む場合、なぜその言葉を強く言うのか、説明できることが理想です。

本選出場者の皆さんは、こうした注意を踏まえて、テクストを台本として暗記し、自分たちで解釈を施した上で舞台に臨み、演じ切ってください。なお演技も大切な要素ですが、ドイツ語そのものをまず大事にし、演技や小道具が過剰にならないようにしてください。本選では、課題テクストにない文言の付加は認められません。また、間も重要と書きましたが、あくまで会話を成立させるための自然な間です。演技のために必要以上に長い無言の時間をとることは避けてください。

第3部(フリースピーチ部門)

 第3部の予選では、ドイツ語ネーティブと日本語ネーティブの審査委員2名がそれぞれ点数評価をしています。評価点は、ドイツ語の正確さ(20点)と論の展開・内容(50点)の2項目(計70点)です。点数評価の後に、2名でコメントを相談して、日本語でコメントを書いています。

 今年は、全体のレベルがさらに上がったという印象を受けました。それだけに、テーマの選択や論理的な話題の展開、説得的な例の提示などが評価の重要点となりました。留学経験を持つ応募者が増えているなかで、単に留学先での異文化背景を持つ人との出会いと考察、そこからの一般的な「お互いを大切に」的な結論は、とても大切なことではあっても、コンテストでは評価を得られるものではなくなっています。

 高い評価を得るためには、次のような点の工夫が必要です。①個人の体験と社会の問題とのリンク。②結論部では、一般論に終わらないオリジナリティ。③論の展開部では、客観的なデータにもとづいた議論。④ドイツ語でzitierfahig「真似して使いたくなる、引用可能な」キレのよい表現。 ドイツ語については見ると、ネーティブが書いたかと思えるほどの文章もある一方で、基本的な文法や語彙の間違いがある文章もありました。できるだけネーティブチェックを受けてください(ネーティブチェックについては下も参照)。ネーティブレベルで書けている場合、例えばwennなどの接続詞で始まる副文や関係文の前後をコンマで区切るなどの正書法、句読法にも配慮してください。今回、特に残念だったのは、推敲すればなくせる程度の単純なスペルミスが、全般的に目についたことです。もう一度読み直す余裕を持って提出してください。

 最後になりますが、予選では、例年と同様に本選出場者の選抜のために、「辛口」の採点になっています。応募してくれた皆さんの実際のドイツ語力は非常に高いレベルにあります。論の展開を考え、ドイツ語のまとまった文章を書ききったのですから、自分に誇りを持ってもらいたいと思います!

その他の留意事項

※第1・2部の応募媒体に関して
第1・2部の応募者は、録音した後で必ず、録音の音量レベルが適正か、きちんと録音されているか、CDの再生面が汚れていないか、点検をしてから送るよう注意してください。加えて、DVDやCDにラベルを張ると、そのラベルの厚みで再生が上手くいかないことがあるので、再生できるかを一度確認してから送付ください。また、あまりにも音が小さかったり、汚れのために一部しか再生できなかったりすると、せっかくの録音の審査が難しくなります。

※第3部の原稿の修正について
例年お願いしておりますように、ドイツ語をチェックしてくださる方は、あくまで文法面での修正にとどめていただき、内容や構成には手を入れないようにお願いいたします。あまりにも完璧な表現が、ドイツ語を学ぶ高校生らしさを消しているように感じられることがありました。もちろん、それだけの表現を使いこなせる高校生もいることは事実です。それでも、高校生らしい文体と思想が融合した文章を、私たちは期待しております。

獨協大学外国語学部ドイツ語学科
全国高校生ドイツ語スピーチコンテスト実行委員会

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