学科の特色・3つのポリシー
理念・目的
国際教養学部言語文化学科は、複数の外国語の運用能力を身につけるとともに、環太平洋地域を見据えた日本を含む諸地域の言語・文化・社会についての知識を修得し、さらに、日本が蓄積してきた「知」を国際社会における教養の一環として積極的に発信しうる市民を育成することを目的とする。
学位授与方針(DP)
学位授与要件、学位の種類
国際教養学部言語文化学科は、修業年限を満たし、所定の単位を修得し、卒業時点で以下の能力を身に付けた者に「学士(外国文化)」の学位を授与する。
学位の裏付けとなる「能力」
1.複数の外国語を修得し、それらの言語に関する実用的な運用能力に基づき、主として日本を含む環太平洋地域の文化・社会に関する学際的な知識・技能を身に付け、国際的な市民としての社会的責任を果たす能力を身に付けている。
2.外国語(英語に加え、スペイン語・中国語・韓国語のいずれか一つ)の運用能力については、「聞く」「話す(やりとり・発表)」「読む」「書く」の4 技能を総合的に身に付け、他者とコミュニケーションを図り、情報を収集・分析し、自らの考えを論理的に表現できる実践的かつ汎用的な言語能力を身に付けている。
3.国際社会および日本が蓄積してきた「知」に基づき、現代社会の諸課題について、グローカルな視点を持って、主体的に考え、行動し、発信できる問題解決能力を身に付けている。
4.哲学および文系、理系、その複合領域にまたがって幅広く設置されている専門科目についての学際的な学修を通して、既存の情報や知の体系を問い直し、多様な意見をとりいれて、新たな意味や価値を創出する力を身に付けている。
5.演習(ゼミナール)では、複数の外国語運用能力および学際的な学修を通じて得た知識を活かし、各演習のテーマに沿って自律学習および協働学習を行い、これらの学習によりコミュニケーション能力や問題解決能力を身に付けている。
6.卒業研究では、各自のテーマについて多角的視点から探求し、その成果を卒業論文にまとめる。それを通じて、論理的思考力と創造的な知を生み出す力を身に付けている。
教育課程の編成・実施方針(CP)
カリキュラム
国際教養学部言語文化学科では、学位授与方針に掲げる能力を養成するために、以下の通り学科基盤科目、外国語科目、研究科目群、演習、卒業研究、卒業論文、全学共通授業科目、免許科目(教職課程・外国語(英語)、社会、地理歴史、公民)を配置する。
外国語教育
本学科では、「英語とスペイン語」「英語と中国語」「英語と韓国語」という組み合わせから1つを選択し、2言語を併習するカリキュラムとする。2つの外国語を「読む」「書く」「聞く」「話す」という運用能力を専門的なレベルに到達させるカリキュラムを実施する。英語は習熟度別、それ以外の言語は初歩から学ぶ。
英語は、第1学年から第2学年(第1学期から第4学期)まで基盤科目として英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳを必修科目として配置する。また、第3学年(第5学期から第6学期)には進展科目として英語上級を必修科目として、英語演習Ⅱ・上級英語演習Ⅰ・上級英語演習Ⅱを選択必修科目(1科目選択)として配置する。
スペイン語・中国語・韓国語は、第1学年から第2学年(第1学期から第4学期)まで基盤科目として各言語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳを必修科目として配置する。また、第3学年(第5学期から第6学期)には進展科目として各言語上級を必修科目として配置する。
各言語とも、学習段階が上がるごとに、リーディングおよびディスカッション、ライティング、スピーキングといった運用能力を総合的に修得し、自分の見解をまとめ、表出できるようにする。
各言語の上級、演習ではさらなる技能の向上を目指すとともに、多様かつ高度な表現・作文・文章読解、様々な場面でのコミュニケーション能力を身に付けられるようにする。また、翻訳通訳論、翻訳通訳実習では基本理論を修得後、実務的な翻訳通訳の実践を行えるようにする。
教養教育、専門教育
本学科では、環太平洋地域を見据えた日本を含む諸地域の言語・文化・社会についての知識の修得、さらに、日本が蓄積してきた「知」を国際社会における教養の一環として積極的に発信する能力の獲得を実現するために、以下に掲げる科目を設置する。
また、本学科では、教養教育と専門教育について明確に区分せず、第1学年から第4学年(第1学期から第8学期)にかけて学際的な学修に基づく幅広い教養学習を可能とすることで、学生自らが体系的な専門形成を図るカリキュラムを学科が独自に編成し、実施する。
・学科基盤科目(必修)
哲学ⅠおよびⅡ:知の基礎を掘り下げ、研究調査・討議を通して大学で学ぶ意義を見出し(哲学Ⅰ:第1学年第1学期2単位必修)、大学での学修を経て、(哲学Ⅱ:第4学年第7学期2単位必修)世界に向けて自ら適切な判断を行えるようになることを目的とする。
基礎演習aおよびb:大学学修のための基盤となる能力を身に付けるとともに、卒業後を見据えた意識のもとに大学学修を意味付けて履修計画を立てる(第1学年第1学期および第2学期各2単位必修)。
・研究科目群(2研究科目群を選択し、30単位以上履修)
スペイン・ラテンアメリカ研究科目群:スペイン語圏およびブラジル、カリブ海地域に関する総合的地域理解を目的とする。
中国研究科目群:中国および台湾、シンガポール等々を含む中国語圏に関する総合的地域理解を目的とする。
韓国研究科目群:韓国語圏(韓国・朝鮮)に関する総合的地域理解を目的とする。
日本研究科目群:文学と歴史学を中心に日本と日本文化に関して総合的に理解することを目的とする。
言語教育研究科目群:英語と日本語を中心に言語そのものおよび言語を使用する際に直面する諸課題に関して総合的に理解することを目的とする。
グローバル社会研究科目群:現代世界の直面する諸課題に関して総合的に理解することを目的とする。
教育科学研究科目群:教育学及び周辺領域に関する知識及び技能を修得することを目的とする。
人文学研究科目群:文学、歴史学、哲学に関わる人文学の科目を学び、人間の知的根底と営為、科学技術における実生活の問題に結びつけ、思考力、想像力、判断力、行動力の向上を目的とする。
認知・行動科学研究科目群:心理学、認知科学、神経科学、生理学の観点から、ヒトの心身機能に関して総合的に理解することを目的とする。
データサイエンス研究科目群:自然科学系部門、多言語情報処理の部門を中心に人文科学・社会科学系部門まで含めた人間の知に関して総合的に理解することを目的とする。
海外実践プログラム:実用的な言語運用能力およびグローカルな諸課題について主体的かつ協働的に解決する能力を実践的に獲得することを目的とする。
各研究科目群の科目は「概論」「研究各論」「特殊研究」に分け、系統的な履修が可能となるように配置する。
・演習(ゼミナール)
第2学年から第3学年(第3学期から第6学期:計8単位必修)の演習では、各演習のテーマに沿った少人数での協働学習を通して、コミュニケーション能力や問題解決能力を身に付ける。第4学年(第7期から第8学期:計4単位必修)の卒業研究を通して、各自のテーマについて研究し、その成果を卒業論文(4単位必修)にまとめる。
・全学共通授業科目
全学共通授業科目は、学部・学科の枠を越え、学際的学修を目的とする。「ことばと思想」、「歴史と文化」、「現代社会」、「自然・環境・人間」の4つの分野から構成され、授業形態の観点から全学総合科目群(全学総合講座部門、全学共通講義科目部門、全学共通実践科目部門、スポーツ・レクリエーション部門)と外国語科目群に分類される。言語文化学科では全学総合科目群の全学総合講座部門から2単位を必修とする。その他も選択科目として履修できるようにする。
教職課程
中学校・高等学校での英語教育、中学校での社会科教育ならびに高等学校での地理歴史科および公民科教育を実践できるようにすることを教育目標として、教職免許「外国語(英語)」、「社会」ならびに「地理歴史」および「公民」取得に必要な教科の指導法を修得するための教職課程の科目群を設置する。
入学者受け入れ方針(AP)
求める人物像
国際教養学部言語文化学科では、獨協大学および国際教養学部の教育目的に共感し、次の学力・適性をもつ人物を求める。
・高等学校段階の基礎的な学力と、日本語での思考力、判断力および表現力ならびに専門分野の学修に必要な学力。
・大学において英語に加え、スペイン語、中国語、韓国語のいずれか一つの2外国語を学修するのに十分な語学適性。
・将来、複数の視点を持つ教養人として社会的に活躍する意欲と倫理観。
・多様な他者と関わることを通して、自分で考え、判断し、決定し、行動しようとする意思と能力。
・環太平洋地域を見据えた日本を含む諸地域の言語・文化・社会を理解し、探求しようとする主体的な態度。
出願要件
高等学校もしくは中等教育学校卒業(当該年度末卒業見込みを含む)またはそれに相当する資格(詳細は入試要項および入試概要参照)と学力を要する。科目別では、全ての試験方式で外国語(英語、スペイン語、中国語、韓国語のいずれか一つ)の学力を求める。それに加えて国語(または小論文)、地理歴史・公民、数学、理科のいずれか一つもしくは複数の科目の学力を入試種別に応じて求める。
入学者選抜方法
外国語教育重視の観点から、外国語科目(英語、スペイン語、中国語、韓国語のいずれか)を重視した入試を行う。また、多彩な学生の受け入れを図るべく、一般入試をはじめとする様々な入試制度(詳細は入試要項および入試概要参照)を設ける。