2024年 第35回獨協インターナショナル・フォーラム

2024年 第35回獨協インターナショナル・フォーラム

韓国学の新地平
―歴史をひもとき、現代世界を読みなおす―

日時 2024年
12月13日(金)12:45~18:00
12月14日(土)9:30~17:30
開催方法 対面・オンライン配信(Zoom)併用
※どなたでもご参加いただけます(要事前申込)
対面会場 獨協大学 天野貞祐記念館大講堂
使用言語 日本語・韓国語(逐次通訳)
参加費 無料
申込方法 こちらより受付(締切:12月12日(木)、定員500名先着順)
※対面・オンラインに関係なく、すべての方が事前申込をしてください。
共催 獨協大学国際交流センター・獨協大学国際教養学部
後援 駐日韓国大使館 韓国文化院、埼玉県、草加市、獨協大学同窓会
助成 公益財団法人 日韓文化交流基金
概 要 近年の韓国史研究は「空間」をテーマに掲げた研究が顕著である。いわゆる通時的な観点から歴史的展開を議論するだけでなく、共時的な観点から情報、都市、東アジア、境界、記憶、移民、ディアスポラ、信仰、感情などの諸問題を議論し、現代韓国、ひいては現代世界の抱える様々な課題の解決を模索している。さらに韓国史研究は、現代世界の課題と向き合うなかで、韓国学研究を構成する諸テーマともつながる部分が多い。
本フォーラムは、このような問題意識のもとで、各分野における具体的な韓国史研究が、現代世界の課題とどのような関係にあるのかを通時的・共時的側面から浮き上がらせるものである。セッション1【移動と記憶】は通時的な視座から韓国史研究の現代世界における意義を検討する。セッション2【韓国古代の歴史空間と現代世界】は共時的な歴史空間として古代を設定し、古代空間と現代世界とのつながりについて扱う。さらに特別セッション【韓国史と韓国学の現在】として歴史家による分析の実践から、韓国史研究と現代世界の課題との関係性や、韓国学の果たす役割を模索する。
多様な学問分野の融合が実践的に試みられているなかで、韓国をめぐる研究視角が現代世界の知として果たす役割を明らかにしていきたい。
コーディネーター 小宮 秀陵 国際教養学部言語文化学科 准教授

プログラム

12月13日(金)

時間 プログラム 発表者 肩書 発表題目
12:30 開場  
12:45 開会の挨拶 獨協大学学長 前沢 浩子
12:55 趣旨説明 コーディネーター 小宮 秀陵
13:10 特別講演1 鄭 枖根 ソウル大学校歴史学部教授 朝鮮時代地理書と古地図の理解
14:10 特別講演2 李 炳鎬 東国大学校文化財学科副教授 東アジアのなかで百済寺院をどのように見るか
セッション1【移動と記憶】
15:10 報告 朴 芝賢 ソウル大学校歴史学部講師 百済遺民とディアスポラ
16:10 報告 朴 俊炯 ソウル市立大学校国史学科副教授 境界の底辺、韓国戦争が想起させる植民地朝鮮
17:10 コメント 韓 鈴和 成均館大学校史学科助教授  
17:30 総合討論1 特別講演1・2、セッション1登壇者、参加者
18:00 1日目終了

12月14日(土)

時間 プログラム 発表者 肩書 発表題目
9:30 特別講演3 朴 省炫 ソウル大学校歴史学部副教授 新羅の城と郡県:韓国基礎自治団体の起源
セッション2【韓国古代の歴史空間と現代世界】
10:30 報告 李 在晥 中央大学校歴史学科副教授 古代朝鮮半島におけるコンタクト・ゾーンの人々
11:30 報告 小宮 秀陵 獨協大学国際教養学部准教授 韓国の東アジアをめぐる議論と古代の記憶
12:30 休憩
特別セッション【韓国史と韓国学の現在】
13:50 報告 BRUNETON
Yannick
パリ・シテ大学韓国学科教授 『白雲和尚語録』(1378)の三つのテキストを通じてみた白雲景閑(1298-1374)の伝記について
14:50 報告 Jisoo M. Kim ジョージ・ワシントン大学歴史学科准教授 朝鮮時代の法とジェンダー、そして感情の歴史
16:00 総合討論2 登壇者・参加者    
17:20 閉会の挨拶 獨協大学国際教養学部長 二宮 哲
17:30 閉会

発表者

鄭 枖根
鄭 枖根(チョン・ヨグン)
中世史
ソウル大学校歴史学部教授。
2008年にソウル大学校にて博士学位を取得し, 徳成女子大学校史学科副教授を経て, 現職。専攻分野は韓国の中世史(高麗時代史)および韓国の歴史地理で, 近年は中世地方社会研究, および'歴史GIS(Historical GIS)'方法論を活用した韓国前近代の地理書と古地図に関心を寄せ研究を進めている。
李 炳鎬
李 炳鎬 (イ・ビョンホ)
古代史・考古学
東国大学校文化財学科副教授。
韓国教育大学校歴史教育学科卒業。ソウル大学校大学院国史学科修士課程修了。早稲田大学にて博士号を取得。国立弥勒寺博物館館長, 国立中央博物館展示課長, 国立公州教育大学校教授を経て, 現職。著書に『百済仏教寺院の成立と展開』(社会評論, ソウル, 2014), 『百済寺院の展開と古代日本』(塙書房, 2015)など。韓国の古都, 仏教寺院, 瓦に関する論文も多い。
朴 芝賢
朴 芝賢 (パク・ジヒョン)
古代史
ソウル大学校歴史学部講師。
百済史を専門とする研究者。忠南歴史文化研究所主任研究員を経て, 現職。2024年ソウル大学校にて博士号を取得。研究テーマは, 百済遺民の海外移住と中国出土の百済遺民墓誌の分析。「泗沘期百済の対中関係と文化交流-道教・仏教を中心に-」(『木簡と文字』24, ソウル, 2020)などがある。
朴 俊炯
朴 俊炯 (パク・ジュニョン)
近代史
ソウル市立大学校国史学科副教授。
2008年ソウル大学校大学院博士課程修了, 2012年早稲田大学にて博士学位を取得。ソウル大学校奎章閣韓国学研究院研究員, 仁荷大学校韓国学研究所HK研究教授を経て現職。東アジア近代空間の再編, 日本における朝鮮研究などに関心をもって研究を進めている。「東アジアにおける雑居と居留地・租界」『岩波講座 日本歴史20』(岩波書店, 2014)『帝国日本の東アジア空間再編と満鉄調査部』(社会評論, ソウル, 2022)などがある。
韓 鈴和
韓 鈴和 (ハン・ヨンファ)
古代史
成均館大学校史学科助教授。
成均館大学校にて文学博士を取得。 韓国古代の法制度, 思想と文化などを中心に法と倫理の歴史的文脈, 制度としての法, 儀礼を扱う行政機関の起源と運営についての研究を行っている。 おもな業績に「韓国古代社会における法の形成と体系化」(『歴史文化研究』69, 龍仁, 2019), 「新羅社会における『孝』倫理と統治理念」(『史林』89, ソウル, 2024)などがある。
朴 省炫
朴 省炫 (パク・ソンヒョン)
古代史
ソウル大学校歴史学部副教授。
啓明大学校史学科助教授・副教授, 漢陽大学校史学科教授を経て, 現職。韓国古代の歴史地理, 空間史(Spatial History)の問題に関心を寄せて研究を行う。おもな業績に「地籍原図とGISを活用した新羅王都街路体系の復元」(『韓国上古史学報』107, 全州, 2020),「新羅統一期漢州の物資移動と漕運」(『歴史と現実』121, ソウル, 2021),「新羅小京の機能と空間構造」(『大丘史学』151, 大邱, 2023)などがある。
李 在晥
李 在晥 (イ・ジェファン)
古代史
中央大学校歴史学科副教授。
韓国古代の歴史および東アジア文化交流史を専門とする。近年の研究の関心は, 木簡や石碑などの文字資料を活用した古代朝鮮半島の生活の再構成にある。おもな業績に「7世紀中・後半東北アジアの戦争をどのように名付けるか」(『歴史批評』126, ソウル, 2019), 「'永楽7年'判読に基づく〈忠州高句麗碑〉の内容の検討と忠州地域の接境性」(『木簡と文字』27, ソウル, 2021)などがある。
BRUNETON Yannick
BRUNETON Yannick (ブルニュトン ヤニック)
中世史
パリ・シテ大学韓国学科教授。
パリ第7大学と韓国学中央研究院で学び, 高麗時代の仏教と国家の関係を中心に研究を行う。『直指心体要節』のフランス語の翻訳で知られる。2022年コレージュ・ド・フランス韓国研究センター長に就任。2010年から2020年まで初のフランス語圏韓国学国際ネットワークを主宰し, 2016年より歴史学百科事典(アフリカ, アメリカ, アジア)プロジェクトのコーディネーターの一人としても活躍している。
Jisoo M. Kim
Jisoo M. Kim (キム・ジス)
近世史
ジョージ・ワシントン大学歴史学科准教授,同大学韓国 学研究所所長。
延世大学を卒業後,コロンビア大学にて博士号を取得。ジェンダー, セクシ ュアリティ, 法, 感情の歴史の研究を進める。現在, ハーバード大学ラドクリ フ高等研究所フェロー。著書に『The Emotions of Justice: Gender, Status, and Legal Performance in Chosŏn Korea』(University of Washington Press, 2015)などがある。
小宮 秀陵
小宮 秀陵 (コミヤ ヒデタカ) 兼コーディネーター
古代史
獨協大学国際教養学部准教授。
青山学院大学を卒業後,東京大学と,ソウル大学校で学ぶ。ソウル大学校にて博士号を取得。啓明大学校招聘助教授を経て, 現職。新羅・渤海と唐との関係を中心に,古代東アジア史や記憶史に関心を寄せ研究を進める。おもな業績に「韓国古代史研究における東アジア論と東部ユーラシア」(『中央史論』58, ソウル, 2023)などがある。
第35回獨協インターナショナル・フォーラム
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