2009年 第21回獨協インターナショナル・フォーラム_成果

2009年 第21回獨協インターナショナル・フォーラム_成果

テーマ: 「ツーリズムの先へ:Beyond Tourism」

2009 第21回獨協インターナショナル・フォーラム ポスター

 11月 14 日・15 日の2日間に渡 り、第 21回獨協インターナショ ナル・フォーラムが開催され、両日合わせて約500人が来場した。これは本学国際交流セン ターが主催し、毎年特定のテー マについて討議する国際会議。今年は、外国語学部交流文化学科の開設を記念して「ツーリズムの先へ:Beyond Tourism」と題したテーマで、国内外から著名な研究者、関係者を招き活発な議論が展開された。

 ツーリズム研究とは観光事業ばかりではなく、文化人類学、地理学、社会学、パフォーマンス研究等の視点から、学際的な議論が望まれている分野である。 フォーラムに先立ち梶山皓学長が「ツーリズム研究の世界的権威を迎えたこのフォーラムを通じて、日本のツーリズム研究と産業に貢献したい」と挨拶した。また、原成吉国際交流センター所長も挨拶の中で「ツーリズムは人々の交流、交換を通じた新しい学問領域。このフォーラムで何かヒントが生まれれば嬉しい」と語った。

 フォーラム初日の14日は、株式会社ジェイティービー代表取締役社長で獨協高校出身でもある田川博已氏による特別講演「交流文化を創造する旅行業へ~新たな旅行業のカタチを求めて~」を開催。田川氏は、ツーリズム産業の現状や未来像などを紹介するとともに、交流文化事業が世界平和につながることを強調された。

 また、草加市国際交流協会の協力により、タイ、トルコ、ベトナム、ペルー、メキシコ、ロシアといった6カ国の草加在住の外国籍市民による「アフタヌーン・ティー」が催された。 それぞれの国の魅力が詰まったデザートや軽食を試食し、語り合う来場者と外国人の姿が多く見られた会場はまさに異文化交流サロンとなった。

 翌15日は、ニューヨーク大学教授で民俗学者のバーバラ・キルシェンブラット‐ギンブレット氏、カリフォルニア大学名誉教授で社会学者のディーン・マッカネル氏による基調講演と、国内外の研究者による二部構成のシンポジウムによって、「ツーリズムの先」に拡がる諸問題を、「パフォームする記憶・場所・アイデンティティ」の視点から討議した。

(獨協大学ニュース2009年12月号掲載記事より抜粋)

2009Dokkyo International Forum 発表要旨

テーマ:「ツーリズムの先へ:Beyond Tourism」
11月14日 (於:獨協大学天野貞祐記念館大講堂)
特別講演 「交流文化を創造する旅行業へ」
(株)ジェイティービー 代表取締役社長 田川博已氏
 
11月15日 (於:獨協大学35周年記念館小講堂)
セッションI 「本物の魔力―日本の寺社観光における歴史的言説の諸問題―」
中西裕二氏(立教大学/民俗学)
要旨 全要旨
「ラス・ヴェガスと世界の果て」
Michael Peterson氏(ウィスコンシン大学マディソン校/演劇学)
要旨
「『農村』であることの保全とは? ―グローバル化された都市的世界のなかのグリーンツーリズム」
北野収氏(獨協大学/農村社会学・地域計画論)
要旨
「先住民運動としてのエコツーリズム─タイ北部山地民カレンの戦略的な自己表象」
須永和博氏(獨協大学/観光人類学)
要旨
セッションII 「いつも既に再び―トラウマ・ツーリズムと記憶文化の政治学」
Laurie Beth Clark氏(ウィスコンシン大学マディソン校/表象文化論)
要旨
「暫定空間の記憶芸術―ベルリン、ケープタウン、ボゴタに見る場所に根差した芸術実践」
Karen Till氏(ヴァージニア工科大学/文化地理学)
要旨
「沖縄修学旅行と記憶の問題」
高橋雄一郎氏(獨協大学/ツーリズム研究・パフォーマンス研究)
要旨
基調講演 I 「悲惨な記憶‐ツーリズムによる、悲しみ、惨事、歴史の誤ち、そして悪の表象」
Dean MacCannell氏(カリフォルニア大学デーヴィス校/社会学)
要旨
ディスカッサント:安村克己氏 (奈良県立大学/観光社会学)  
基調講演 II 「新たな旅程-ポスト・共産主義のポーランドにおけるポーランドのユダヤ人歴史博物館の成り立ち」
Barbara Kirshenblatt-Gimblett氏(ニューヨーク大学/民俗学・パフォーマンス研究)
要旨
ディスカッサント:川口幸也氏
(国立民族学博物館/アフリカ同時代美術・展示表象の研究)