2005年 第18回獨協インターナショナル・フォーラム

2005年 第18回獨協インターナショナル・フォーラム

2005年 第18回獨協インターナショナル・フォーラム

ドイツと日本の環境を考える-持続可能な社会を目指して

日時 2005年12月10日(土)~11日(日)
会場 獨協大学35周年記念館小講堂
主催 獨協大学国際交流センター
使用言語 日本語・ドイツ語(同時通訳)
参加者 P.アイヒホルン(マンハイム大学)、H. シュミット(カールスルーエ市前公園局長)、A.シャーナ(早稲田大学)、U.ラムザウアー(ハンブルク大学)、池谷奉文(日本生態系協会会長)、一之瀬高博(獨協大学)、犬井正(獨協大学)、岡田正則(南山大学)、加藤僖重(獨協大学)、木下博信(草加市長)、畠山武道(上智大学)、浜本光紹(獨協大学)、宮崎修行(国際基督教大学)、村杉幸子(日本自然保護協会)、湯田雅夫(獨協大学、コーディネーター)
主旨

 地球環境を守りつつ同時に持続可能な社会を維持することは、破壊された自然環境を再生し、資源利用の最適化と環境への排出を最小化することである。現在の社会が当面する環境問題の多くは、社会を構成する市民、企業、自治体ならびに国家が個別に解決できるものではなく、四者相互間および国際間の双方向コミュニケーションを通して、教育、技術、資金、マネジメント、法規制などを有機的、効率的に結びつけて現状を打破しなければ解決できない問題である。

 地球の限界に遭遇した最初の人類世代である私たちは、未来の経済や社会のシステムをどのように構築していけばよいであろうか。2005年2月、温暖化ガス排出量を規制する京都議定書が発効した。また、本年は「日本におけるドイツ年」の年である。1883年創立の獨逸学協会学校以来、獨協大学は、ドイツ国との長い交流の歴史を持っている。これらを斟酌して、メインテーマに「ドイツと日本の環境」を採り上げ、4つのセッションを設けた。

第1セッション「自然と共生する持続可能な地域づくり」

 環境を改変する力をもつ唯一の生物であるヒトは、今こそ持続可能な生態系を再生させるための叡智を結集しなければならない。環境先進国であるドイツのカールスルーエを手本に、草加市や埼玉県をはじめ日本で取り組みが始まっている自然と共生する持続可能な地域づくりの思想と方法を検討する。

第2セッション「ドイツと日本の環境教育」

 環境保全に向けた多くの取り組みのなかで、環境教育の果す役割は大きい。近年その重要性が強く認識されるようになり、多くの取り組みが行われている。そのなかでドイツの環境教育では先進的事例が多く見られ、日本にとっても見習うべき点が多い。本セッションでは、両国の環境教育のあり方を比較し特徴づけ、両国の環境教育の方向性について考察する。

第3セッション「CSRと環境保全活動」

 近年、CSRに対する関心が高まりを見せている。欧州では、EU拡大にともなう社会的結合への対応としてCSRへの取り組みが見られる。日本でも、日本経団連、経済産業省等で、CSRを積極的に推進する動きがある。CSR思考の変遷を意識しながら、日独企業の環境保全への取り組みを比較検討し、企業の持続可能性について考察する。

第4セッション「自然環境保全と経済の発展―環境法の課題と持続可能な社会」

 本セッションでは、日独の自然環境保全法制の比較に重心が置かれる。自然環境保全のために、環境に影響を及ぼす人間の活動は、持続可能性の視点から、どのような理念や手法を通じて規律され、あるいは誘導されるべきかについて考察する。

 それぞれのセッションの基調講演をドイツからお見えの先生方にお願いしている。また、国内からもそれぞれの領域の第一人者をお呼びしている。今回、環境先進国である両国の叡智を集めて、今後十年から数十年の間に訪れる地球最大の難局を乗り越える方法を考えてみたいと思う。また、副題の「持続可能な社会」を持続可能な発展が行われる社会と定義すると、「発展」の内容と質およびその限界をも論じられるべきであると考える。

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日程および参加者

12月10日(土)

10:00-10:20 開会の挨拶
梶山皓(獨協大学学長)、H.H.ゲートケ(国際交流センター長)、湯田雅夫(コーディネーター、経済学部教授)
第1セッション 「自然と共生する持続可能な地域づくり」
司会 犬井正(獨協大学経済学部教授)
10:20-11:00

第1報告「環境立国ドイツのビオトープネットワーク -カールスルーエの取り組み-」
ホルスト・シュミット(カールスルーエ市前公園局長)

11:00-11:30

第2報告 「環境と共生するまちづくりにむけて」 木下博信(草加市長)

11:30-12:00 第3報告「自然と共生する持続可能な地域づくり-くぬぎ山地区自然再生事業-」
犬井正(獨協大学経済学部教授)
12:00-12:30

第4報告「子どもが輝く美しいまち ~自然・経済・社会の調和」およびコメント
池谷奉文(日本生態系協会会長)

12:30-13:30 昼食
第2セッション 「ドイツと日本の環境教育」
司会

大重光太郎(獨協大学外国語学部助教授)

13:30-14:10 第1報告「ドイツの環境教育と日本の環境教育 -その特色」
アネッテ・シャーナ(早稲田大学理工学部非常勤講師)
14:10-14:40 第2報告「日本人は日本の環境をどう理解しているか -学校での教育と社会での教育-」
加藤僖重(獨協大学外国語学部教授)
14:40-15:10

第3報告「日本の環境教育の現状と課題」およびコメント
村杉幸子(日本自然保護協会)

15:10-15:40 コーヒーブレーク
第3セッション 「CSRと環境保全活動」
司会

湯田雅夫(獨協大学経済学部教授)

15:40-16:20 第1報告 「損益表示としての環境負荷計算」
ペーター・アイヒホルン(マンハイム大学教授)
16:20-16:50 第2報告 「今日のCSRと日本企業の取り組み」
湯田雅夫(獨協大学経済学部教授)
16:50-17:20

第3報告 「日本企業の環境パフォーマンス評価 -JEPIXフォーラムの活動-」およびコメント
宮崎修行(国際基督教大学教授)

17:40-19:10 懇親会

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12月11日(日)

第4セッション「自然環境保全と経済の発展―環境法の課題と持続可能な社会-」
司会

一之瀬高博(獨協大学法学部教授)

9:50-10:30

第1報告 「持続可能な発展の確保と自然環境保全法制の手法」
ウルリヒ・ラムザウアー(ハンブルク大学教授)

10:30-11:00

第2報告 「日本の自然環境保全法制 -現状と課題-」
畠山武道(上智大学大学院地球環境学研究科教授)

11:00-11:20 コーヒーブレーク
11:20-11:50

第3報告 「地域環境管理と住民参加 -草加市の現状を題材として-」
浜本光紹(獨協大学経済学部助教授)

11:50-12:20 第4報告「国際社会からみた自然環境保全制度」一之瀬高博(獨協大学法学部教授)
12:20-12:50 第5報告「自然環境保全法制の日独比較」およびコメント
岡田正則(南山大学大学院法務研究科教授)
第2セッション 「ドイツと日本の環境教育」
12:50-14:00 昼食
14:00-15:30 全体討論司会:湯田雅夫(獨協大学経済学部教授)
15:30-16:00 閉会の挨拶(古田善文獨協大学外国学部教授、ドイツ語学科長)

*都合により、プログラム内容を変更する場合がございます。予めご了承ください。