2002年 第15回獨協インターナショナル・フォーラム
パフォーマンス研究:抵抗、変容と文化の混交
日時 | : | 2002年12月14日(土)~ 15日(日)2日間 |
会場 | : | 獨協大学//埼玉県草加市学園町1-1 |
主催 | : | 獨協大学国際交流センター |
使用言語 | : | 英語 |
主旨 | : |
2002 DOKKYO INTERNATIONAL FORUM ON PERFORMANCE STUDIES: パフォーマンス研究は定義や体系化を拒否する反・学問だという主張をよく耳にします。しかしあえて要約を試みれば、パフォーマンス研究はパフォーマンスの概念を、演劇の上演や音楽の演奏といった芸術的文脈に限定せず、文化の組成や主体の言説的構築、あるいはグローバル化社会に於ける覇権と対抗覇権的な実践といった問題系を読み解くために、分析的な道具として用いることといえるでしょう。ここ数年欧米で飛躍的な発展を見せているパフォーマンス研究ですが、日本では漸く紹介が始まったばかりです。2002年12月、獨協インターナショナル・フォーラムでは、国内外から一流の研究者を招聘し、パフォーマンス研究の過去・現在・未来について熱い議論を巻き起こそうと考えています。さらに公募による研究発表を加え、アーティストによる公演やインスタレーションも企画しています。 今回はパフォーマンス研究と多くの交接面を持つ、演劇、コミュニケーション論、文学、批評理論、文化研究、人類学、民族誌学、外国語教育などの分野で研究をされている先生方とアーティストの方々にご案内を差し上げています。パフォーマンス研究は象牙の塔に閉じこもっているのではありません。教育とアーティストやアクティヴィストによる実践、そしてコミュニティーとの連携があってはじめて成果が挙がると考えています。ご同僚や学生の皆さんだけでなく、幅広い領域で仕事をされているお知り合いに声をかけて頂き、是非、大勢のご参加、ご来場を賜ることができればと願っております。 *発表は原則として英語でおこなわれますが、午後の全体会には同時通訳がつきます。 |
日程および参加者
12月14日(土)午前の部
*6-201 [パネル 1] | |
10.15am-11.40am | ダニエル・ペルツDaniel Peltz 「今夜わたしは見知らぬベッドで眠る」 "Tonight I sleep in a strange bed" [民族誌学によるビデオ・インスタレーション] ダニエル・ペルツは獨協大学より大学院生による優秀な研究として招待された。. |
11.45am-1.10pm | 嶋田美子 「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン」 "Made in Occupied Japan" 「イーティング・ミシマ」 "Eating Mishima" 「家族写真」"Family photograph project" なお、嶋田美子によるインスタレーション作品がロビーに展示されます。 |
*6-201 [パネル 1] | |
10.15am-1.10pm |
「マテリアルをクィア化する:マドンナ、M・バタフライと切断される身体」 パネリスト: リカルド・オーティス(Ricardo Ortiz) ジェニファー・ブローディ(Jennifer Brody) アン・キュビリエ(Anne Cubilie) |
*6-202 [パネル 2] | |
11:00am-1.10pm |
「バルカン-ハイブリッド国家から火薬樽へ」 ネナード・スブラキッチ(Nenad Svrakic ) ミハイロ・ネデリコヴィッチ (Mihajlo Nedeljkovich) 福島佳子 |
*6-203 [獨協大学より大学院生による優秀研究の受賞を受けた発表] | |
10.15am-10.55am | サラ・コリンズ(Sarah Collins) 「Singing Bodies -抵抗と変革の場」 "Singing Bodies - Sites of Resistance and Change" |
11am-11.40am | マーク・シートン(Mark Seton ) 「抵抗する身体;変容するスピリット魂-オーストラリアでの俳優訓練をとおしたスピリット魂の召喚」 "Resisting Bodies; Mutating Spirit - Invocations of spirit through actor training in Australia" |
11.45am-12.25pm | ナツ・オノダ (Natsu Onoda) 「サイエンスフィクションとフィクショナルサイエンスー」漫画の研究、受容、生産における西洋的世界観」 "Science Fiction and Fiction of Science: Eurocentrism in the Scholarship, Readership and Production of Manga" |
12.30pm-1.10pm | エミリー・コルボーン(Emily Colborn) 「演出される銃後-スペクタクル、スペクテーターシップ観客性、真珠湾攻撃後のFBIの手入れ」 "Staging the Home Front: Spectacle, Spectatorship, and Post-Pearl Harbor FBI Raids" |
*6-204 [個人発表] | |
10.15am-10.55am | 黒崎岳大 「昔話のパフォーマンスはいかに構築されるのかー関連性理論からみた昔話パフォーマンスの研究-」 "How do the storytellers construct their performance of storytelling? - A study of folktale performance in the view of Relevance Theory -" |
11am-11.40am | 常山菜穂子 「日米における『男役』:宝塚とクッシュマンを例に」 "Reception of Breeches Part in Japan and America: the Case of Takarazuka and Charlotte Cushman" |
11.45am-12.25pm | 阪本久美子 「テキスト、パフォーマンス、そして権威:シェークスピアとインターカルチュラル演劇」 "Text, Performance, and Authority: Shakespeare and International Theatre" |
12.30pm-1.10pm | 池内靖子 「近代日本における『オセロ』の翻案劇:帝国のまなざしと擬態 」 "A Modern Japanese Adaptation of Othello: Mimicry and the Imperial Gaze" |
12月14日(土)午後の部
*6-101 | |
2pm | 挨拶: 桑原靖夫・獨協大学学長 森勇・獨協大学国際交流センター所長 |
2.15pm-5.45pm |
[全体会パネル 1] パネリスト: ダイアナ・テイラー(Diana Taylor) ドワイト・コンカーグッド(Dwight Conquergood) ネーサン・スタッキー (Nathan Stucky) |
*35周年記念館小講堂 | |
6:00pm | [パフォーマンス] 『ビッグ・ヘッド』Big Head デニーズ・ウエハラ(Denise Uyehara) デニーズ・ウエハラはカリフォルニア在住の日系4世で、パフォーマンス・アーティスト界の期待の星。女性、アジア系アメリカ人、バイセクシュアル、人間であることの葛藤を表現する。ウエハラの最新作『ビッグ・ヘッド』は、第2次大戦中の日系アメリカ人の強制収容と、現在、アメリカの「敵」と考えられている人たちが市民の自由を剥奪されている問題を考える。画像、粘土を使ったアニメーション、詩的な語りと身体表現を使って、集合的記憶の不可思議に変容していくさまと、人間一人一人が未来への希望を紡ぐために過去を解釈していくさまを描出する。 |
12月15日(日曜日)
*6-101 [個人発表] | |
11am-1140am | ウテ・リッチェル (Ute Ritschel) 「コミュニティー・アート・ワークスー公共の利益と抵抗の間のパフォーマンス」 "Community Art Works - Performances between Public Interest and Resistance" |
11.45am-12.25pm |
バーバラ・ローズ・ハウム(Barbara Rose Haum) |
12.30pm-1.10pm | スー・ブロードハースト(Sue Broadhurst) 「インターアクション、リアクション、そしてパフォーマンス」 "Interaction, Reaction and Performance in Cyberspace" |
*6-201 [パネル 3] | |
11am-1.10pm |
「文化を演じる: 多文化主義への学際的な探求」 指定討論者: パネリスト: 幸野 稔 佐々木 雅子 平野(大川)道代 |
*6-202 [パネル 4] | |
11am-1.10pm |
「グローバル・オペレーションというカーニバルにおける気味の悪い変容」 パネリスト: キャサリン・メズア (Katherine Mezur ) ローリー・ベス・クラーク(Laurie Beth Clark) カレン・シマカワ (Karen Shimakawa) ミリアム・サス(Miryam Sas) マイケル・ピーターソン(Michael Peterson) |
*6-203 [個人発表] | |
10.15am-10.55am | 末廣眞由実 「博物館とパフォーマンス研究:長崎原爆資料館における考察」 "Museum and Performance Studies: A Study of the Nagasaki Atomic Bomb Museum" |
11am-11.40am | 板場良久 「小泉首相の靖国神社参拝に関する批評研究」 |
11.45am-12.25pm | マイケル・コーヘン 「ゴムのように変形する他者」 "Mutation on the Rubbery Other in Foreign Daidogei Michael Cohen" |
12.30pm-1.10pm | クリスティーヌ・グレイナー(Christine Greiner) 「パフォーマンス研究と危機にある身体」 "Performance Studies and the Body in Crisis" |
*6-204 [個人発表] | |
10.15am-10.55am | 佐藤真己 「カレン・フィンリーのパフォーマンスにおける『快楽』を探る」 "Exploring 'Pleasure' in Karen Finley's Performances" |
11am-11.40am | アイヴィ・アイ=チュウ・チャン (Ivy I-chu Chang) 「ディアスポラ、ハイブリディティとアジア系アメリカ人のクィア・パフォーマンス」 "Diaspora, Hybridity, and Asian American Queer Performance" |
11.45am-12.25pm | エグリントン佐藤みか(Mika Eglinton Sato) 「シェイクスピア アジア 従属的/撹乱的な女たち 岸田理生とオン・ケンセンによる共同作業『リア』『ディズディモーナ』試論」 "A Study of Rio Kishida and Ong Keng Sen's Collaborative Project: Lear and Desdemna" |
12.30pm-1.10pm | 福島佳子 「一つの戦争、たくさんの声-オン・ケンセンの演劇に見る今の日本」 "One War, Many Voices: Japan Now in Ong Keng Sen's Theatre" |
*6-205アーティスト・トークセッション (逐語通訳付) | |
11am-1.10pm | 嶋田美子、デニーズ・ウエハラ、ティム・ミラー |
午後の部
*6-101 [基調講演](同時通訳付) | |
2pm-3pm | ジョン・マッケンジー(Jon McKenzie) 「ソフトウェアとハードな真実:パフォーマンス、グローバリゼーション、情動のネットワーク」 "Soft Wares and Hard Truths: Performance, Globalization, and Affective Networks" |
*6-101 [全体会パネル2] (同時通訳付) | |
3.30pm-5.30pm |
「東アジアの/をめぐるカルチュラル・フロー ― パフォーマティヴな発明と「想像」の東アジア」 パネリスト: 内野儀 C. J. ウィー・ウァン‐リン (C. J. Wee Wan-ling) |
*35周年記念会館小講堂 [パフォーマンス] | |
6pm |
『ボディー・ブロー』Body Blows 「『ボディー・ブロー』でミラーはロック歌手のように舞台を浮遊し、かつ闊歩する。肉感あふれるパフォーマンスのスタイルによって、彼の狙いであるウォルト・ホィットマンばりのエクスタシーが啓示される。」 『シカゴ・リーダー』誌に掲載されたアルバート・ウィリアムズの評。 終演後、軽いお飲み物を用意致しております。 |