1993年 第7回獨協インターナショナル・フォーラム

1993年 第7回獨協インターナショナル・フォーラム

「言語音の認識と音韻論」

日時 1993年12月15日(日)~ 16日(月)2日間
主催 国際交流センター
主旨 国際社会が急速に進展する中、内外の人々とのコミュニケーションが不可欠な時代を迎え、その根幹をなす音声言語の理解は、日本語であれ、外国語であれ重要な課題として認識されるようになってきた。これは、学習指導要領の中で国語や外国語の音声教育の重視が謳われたり、科学研究費重点領域研究に「日本語音声」が採択されたことを見ても明らかであろう。 音声言語の諸相では、言語学、心理学、工学、医学など様々な分野で行われているが、同時に学際的にも活発に行われている。立場の異なる研究者が同じ音声現象に対して異なった意見を交換することにより従来の枠組みでは見えなかった新たな音声言語の特徴が明らかにされる可能性を秘めている。

今回のフォーラムでは「言語音の認識と音韻論」をテーマとして、音声言語の研究の基本となる言語単位をめぐる問題に焦点を絞り、認知科学、心理言語学、音韻論、実験音声学、工学、医学の諸分野の第一線で活躍中の内外8カ国・地域(アメリカ・オランダ・カナダ・スペイン・フランス・ベルギー・台湾・日本)の研究者により最新の研究成果を討議する。

このフォーラムでは、上述した研究領域で大きな関心を呼んでいる「音節」や「モーラ」などの言語単位について、自然言語の理論研究や人間がいかなる言語単位に基づいて音声言語を理解しているかといった音声認識などの立場から論じる。これらの言語単位は音声のみならず、文字とも密接な関係があることから、この立場からの討論も行われることになる。この言語単位をめぐる問題について、音声言語の理論研究を行う研究者ばかりか、日本語を含めた外国語研究に感心のある人々にとっても重要な示唆を含む討議が行われる。
共同企画 獨協大学外国語学部英語学科
獨協大学大学院外国語学研究科
コーディネーター 大竹 孝司(獨協大学英語学科教授)
波多野 誼余夫(獨協大学教養部教授)
参加者 【報告者】
原口 庄輔(筑波大学教授)
筧 一彦(NTT基礎研究所情報科学研究部・主席研究員)
窪園 晴夫(大阪外国語大学助教授)
大竹 孝司(獨協大学教授)
波多野 誼余夫(獨協大学教授)
Dr. Junko Ito(カリフォルニア大学サンタクルーズ校・アメリカ)
Dr. Mary Beckman(オハイオ州立大学・アメリカ)
Dr. Jose Morais (ブリュッセル自由大学・ベルギー)
Dr. Anne Cutler(マックス・プランク研究所・オランダ)
Dr. Nuria Sebastian(バルセロナ自由大学・スペイン)
Dr. Isabelle Peretz(モントリオール大学・カナダ)
Dr. Ovid Tzeng(カリフォルニア大学リバーサイド校・アメリカ)
Dr. Jacques Mehler(国立科学研究所・フランス)

【討論者】
桐谷 滋(東京大学教授)
Dr. Reiko Mazuka(デューク大学・アメリカ)
Dr. Regine Kolinsky(ブリュッセル自由大学・ベルギー)
Dr. Paul Bertelson(ブリュッセル自由大学・ベルギー)
Dr. Beatrice de Gelder(ブリュッセル自由大学・ベルギー)
内容掲載 獨協国際交流年報 第7号(1994・11月発行)