上智大学の日本語スピーチコンテスト「第5回ザビエル杯」で2位を受賞

上智大学の日本語スピーチコンテスト「第5回ザビエル杯」で2位を受賞

2023年11月27日

11月18日(土)に上智大学で行われた日本語スピーチコンテスト「第5回ザビエル杯」で、経営学科1年生のモンドル・プリティさんが、2位に入賞しました。

このスピーチコンテストは、日本の大学で学ぶ留学生を対象に、自分の体験や夢について日本語で発表します。
今回のテーマは「10年後、自分のなりたい姿」でした。


発表するモンドル・プリティさん

以下、スピーチ全文

 皆さんこんにちは。私はモンドル・プリティです。獨協大学経済学部経営学科の一年生です。私がこれからの10年で目指す自分の姿は、NGOのメンバーとして、日本がもっと多様性な社会を築くための活動に貢献している姿です。その理由をお話しします。
 私は今から6年前、中学一年生の時にバングラデシュから日本に来ました。当時12歳の私は、新しい土地で暮らすことへの希望と憧れに胸を躍らせていました。しかし、新しい環境、異なる言語、慣れない文化に直面しました。
 とくに苦戦したことは二つあります。一つ目は日本語の難しさでした。同じ発音でも漢字がたくさん存在し、イントネーションの微妙な違いで意味が変わるという複雑さがありました。自分の伝えたいことを日本語で伝えることができませんでした。この言葉の壁によって、友達がなかなかできませんでした。
 もう一つは名前が理由です。プリティという名前は、自分で自分のことを可愛いと言っているように受け取られることがあったからです。このことで、しばしば馬鹿にされ、いじめにあうこともありました。自分は周りのみんなと違うのだ、陰を薄くして、目立たずに生活しなければならないのだと思っていました。新しい地に来て当たり前が当たり前じゃなくなる現実の厳しさを知りました。そして当時の私は、その苦しみや心の痛みを誰にも打ち明けることができず、一人で立ち向かわなければなりませんでした。
 そして私は中学校と高等学校で日本語を学び、大学に進学し、獨協大学で異文化について考えました。このような経験から、私は10年後、自分が味わった苦しみや辛さをほかの人たちが味わうことのないような社会を作りたいのです。具体的には、学校やコミュニティでの異文化交流プログラムの強化、来日した外国人に日本の言葉や、文化を教える機関の設立、差別やいじめに対する取り組みの強化ができる機関で働きたいです。
 私が目指すのは、外国人が日本で生活するとき誰もが自分らしく生きられる場所になる社会の構築です。しかし、これは私ひとりではできません。皆さん一人ひとりが、この旅に私と一緒に参加してください。受け入れることに国境はなく、偏見よりも団結が勝る未来を築きましょう。外国人を受け入れる社会への一歩が、未来の子供たちにとって大きな支えになる社会を私は作りたいです。

スピーチの後、審査員から
「異文化交流プログラムの強化で、具体的に取り組みたいことがあったら、1つ例を挙げてください」という質問に
モンドルさんは「日本のマナーを知らず、失敗した体験がある。自国のマナーと日本のマナーについて、言語化して間違えなく理解できるようにしたい」
と、自分の言葉で答えていました。

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