『たむら市政だより』2026年3月号 ローリングストックの詳細とコツ
2026年4月15日
『たむら市政だより』3月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol. 31「防災備蓄を無駄にしない方法」に記載したローリングストックの詳細とコツについて紹介いたします。
ローリングストックの実践方法
災害への備えとして、最低3日分、できれば1週間分の家庭備蓄が推奨されています。記事でも触れましたが、2024年に農林中央金庫が実施した調査によると、備蓄をしている人の約65%が備蓄食品の賞味期限切れを経験しており、1家庭あたり年間平均4.8品の食品が一度も消費されないまま廃棄されているという結果が出ています。
このような失敗の大きな原因は、非常食を日常から切り離された特別なものとして扱い、棚の奥などにしまい込んでしまうことにあります。いきなり多くの食材を備蓄しようとすると管理しきれず食品ロスにつながってしまうことも少なくありません。備蓄を無駄にせず、日常生活の中で自然に管理していく方法がローリングストックです。図表1には日本気象協会のtenki.jpから、ローリングストックのイメージがわかりやすいイラストを転載しています。また、このサイトには、動画も掲載されていて、わかりやすいので、ぜひご参照ください。
[出典]日本気象協会「ローリングストックについて(知る防災)」(tenki. jp)
(https://tenki.jp/bousai/knowledge/49a23a0.html)
以下では、ローリングストックの具体的な実践方法を紹介していきます。
どんな食材をどのくらい用意するべき?
いざという時のためだけに、特別な非常食を多く準備する必要はありません。調査でも、ローリングストックを実践している人の約7割がレトルト食品、約6割が缶詰を備蓄に活用していることが分かっています。
| 主食 | ・パックご飯 ・乾麺(パスタ、うどんなど) ・シリアル |
乾麺は水とカセットコンロがあれば調理できるうえ、普段の昼食にも使いやすいため、備蓄と日常利用を両立しやすい食品です。 |
| 主菜・副菜 | ・缶詰(サバ、ツナ、焼き鳥など) ・レトルト食品(カレー、牛丼の具など) ・フリーズドライスープ |
普段の夕食の一品として使えるものや、忙しい日の簡単な食事として利用できるものを選ぶと、自然に消費しながら備蓄を維持できます。 |
| その他 | ・栄養補助食品 ・ビスケットやチョコなどの菓子類 ・飲料水(1人1日3リットル程度が目安) |
ローリングストックでは、非常食ではなく日常食をストックするので、料理が必要な場合が多く、カセットコンロとガスボンベが欠かせません。寒い季節に卓上で鍋料理をするなどの習慣があれば、カセットコンロとガスボンベは家にあるので安心です。ローリングストックは、食品だけでなく、ガスボンベ、ウェットティッシュ、ラップ、乾電池などの生活用品も当てはまります。
備蓄の量は3日分、できれば1週間分が望ましいとされていますが、1人当たり3日分というと9食分になります。これだけ一度に用意するのは難しいので、いつも買い慣れている食材を、いつもより少し余分に購入してストックしてみてください。これを何回か繰り返せば、3日分の備蓄が整うでしょう。最初から1人9食分の備蓄を一度に用意すると、消費期限が一気にきてしまいますので、最初は少しずつストックしていってみてください。また、ストックする食品には消費期限を貼るなどしてわかりやすくしておくといいと思います。
どこに置くべき?
ローリングストックを続けるためには、食品の置き場所も重要です。非常食として1か所にまとめて保管するのではなく、普段使う場所に分散して置くことにより、自然な流れで、消費の機会が生まれます。
| キッチンの棚(消費頻度が高い食品) | ・ レトルト食品やパックご飯など、日常的に使うものは取り出しやすい場所に置きます。 ・ 新しい食品を奥、古い食品を手前に置く「先入れ先出し」を意識すると、期限切れを防ぎやすくなります。 |
| 収納スペース(まとめ買い食品) | ・ カップ麺や飲料水などのストックは、残量が分かりやすい形で収納しておくと管理しやすくなります。 |
| 冷蔵庫(普段の食事に使う食品) | ・ チルド惣菜やチーズなど、比較的保存期間の長い加工食品もローリングストックとして活用できます。 |
ルールを決める
ローリングストックを無理なく続けるためには、家庭ごとに簡単なルールを決めておくことが効果的です。
例えば、
・月に1度、備蓄食品を使った食事の日を作る
・ストックが残り2個になったら買い足す
といったように、消費や補充のタイミングを決めておくと、備蓄を自然に循環させることができます。また、食品を使った分だけ買い足すことを習慣にすることで、一定の備蓄量を無理なく維持することができます。
まとめ
備蓄=特別な準備と考えるのではなく、普段の買い物でいつもより1、2品多く購入することから始めてみてください。日常の食生活の中で備蓄を循環させるローリングストックは、災害への備えになるだけでなく、食品ロスの削減にもつながります。
[参考資料]
農林中央金庫「~全国の3,500人の男女に聞く~ 災害への備えと食に関する調査」2024年4月30日(https://www.nochubank.or.jp/efforts/pdf/research_2024_01.pdf)
Kuradashi「防災備蓄品の廃棄によるフードロスを削減する方法!自治体や企業の取り組みとは?」2025年12月2日(https://kuradashi.jp/blogs/kuradashi-magazine/630)
法律学科3年 中尾