『たむら市政だより』2026年2月号 手洗いと食洗機の水道代・エネルギー代、CO2排出量の比較

『たむら市政だより』2026年2月号 手洗いと食洗機の水道代・エネルギー代、CO2排出量の比較

2026年4月15日

『たむら市政だより』2月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol. 30「手洗いと食器洗い乾燥機、どっちがエコ?」に記載した手洗いと食器洗い乾燥機(以下、食洗機)の水道代・エネルギー代、CO2排出量の比較について紹介いたします。

手洗いと食洗機の水道代、エネルギー代、CO2排出量の比較

 手洗いと食洗機の水道代、エネルギー代、CO2排出量を比較するにあたって、まず設定を明らかにしておきたいと思います。

    [設定]
  • 手洗いの場合は、1回当たり使用水量65ℓで、暖房期間には給湯機で40℃にした温水で食器を洗う。ここは便宜的に暖房期間に毎日、15℃の水温の水を40℃に温めて使用するものとする。
  • 食洗機の場合、給水接続タイプで標準モードを利用した場合を想定する。
  • 手洗い、食洗機とも2回/日洗うものとする。
  • 食洗機と手洗いの水道使用量とエネルギー消費量は、図表1で与えられるとする。

 図表1の出典の資料には「エネルギー消費量は省エネルギーセンターの実測値を使用」とあり、これは一般社団法人省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」(2012年版)の13ページの「食器洗い乾燥機」に記載されているデータを指しているものと思われます。2012年版の資料を参照しているので、かなり古くて家電製品の性能を正確に表しているかどうかはわかりませんが、これより新しい資料は見当たりませんでしたので、ここは図表1のデータを用いて、手洗いと食洗機の水道料金、エネルギー料金、CO2排出量を試算してみましょう。

図表1. 食器洗い乾燥機と手洗いの水道使用量とエネルギー消費量
食器洗い乾燥機と手洗いの水道使用量とエネルギー消費量

(出典)経済産業省北海道経済産業局「実践!おうちで省エネ」
(https://www.hkd.meti.go.jp/hokpw/ouchi/pamphlet.pdf)の13ページより引用。

 図表1の水道使用量とエネルギー消費量に基づいて、いまの水道料金、LPガス単位料金、電気料金を使い、手洗いと食洗機の水道代、エネルギー代、CO2排出量を試算したものが、それぞれ図表2と図表3です。

図表2. 手洗いの水道料金・LPガス料金、CO2排出量の試算
手洗いの水道料金・LPガス料金、CO<sub>2</sub>排出量の試算

(注) *1:水道料金は、田村市上下水道局の上下水道料金表より、水道料金は11~20m3の区分の従量料金224円/m3、下水道料金は同じ区分の従量料金209円/m3を適用している。
*2: 温度差は、15℃の水を40℃にまで温めるので、25℃とした。
*3: 液化石油ガス(LPG)の単位発熱量は50.8(GJ/t)であり、1GJ=238,845.9kcal、1t=458m3を用いて換算して26,492kcal/m3と求めた。GJ=ギガジュール
*4: 冷房期間(5月20日~9月26日の130日間)は、給湯機を使用しないとする。それ以外の暖房期間235日は、水温15℃として、給湯器で水温を40℃にまで温めると仮定して計算している。「全国各地点の暖房期間・冷房期間」(https://www.kkj.or.jp/contents/passive_dl/DL/userguide/userguide06.pdf)より、No.293船引のデータを参照。
*5: LPガス料金は、業者によってだいぶ異なるが、ここではJA福島さくら燃料サービスのLPガスの従量料金(25.1m3~)の670円/m3を使用して試算した。
*6: 液化石油ガス(LPG)CO2排出係数は、2.99t-CO2/tから、1t=458m3を用いて換算して6.528kg-CO2/m3と求めた。液化石油ガス(LPG)CO2排出係数2.99t-CO2/tは「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」(https://policies.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/files/calc/ichiran_2025.pdf)を参照。

 図表2を見ると、手洗いで食器を洗った場合、水量約47.45m3を使用し、水道代は現在の田村市の上下水道料金を用いて計算すると、約20,550円と試算できます。また田村市で多くの世帯で利用しているLPガスを用いて、給湯器で使用するガス料金を計算すると、約24,150円となります。合計約44,700円掛ります。また、CO2排出量は年間236kg-CO2と試算されました。

図表3. 食洗機の水道料金・電気料金、CO2排出量の試算
食洗機の水道料金・電気料金、CO<sub>2</sub>排出量の試算

(注)*1:水道料金は、田村市上下水道局の上下水道料金表より、水道料金は11~20m3の区分の従量料金224円/m3、下水道料金は同じ区分の従量料金209円/m3を適用した。 *2: 金額換算係数は、東北電力従量電灯Bの電力量料金120kWhをこえ300kWhまで36.37円-燃料費調整単価13.26円(2026年2月)より算出。
(https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/plan/home/lightb/)(https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/attempt/adjust/adjust_value/pdf/202602.pdf)
*3: CO2排出係数は、電気は、環境省「電気事業者別排出係数一覧 令和7年提出用 東北電力(株)」を参照。
(https://policies.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/files/calc/r07_denki_coefficient_rev4.pdf)

 図表3を見ると、食洗機を使うと水道使用量約10.8m3で水道代は約4,680円、電気代は約12,140円で、合計約16,810円掛ります。つまり、食洗機を使うと、手洗いの場合よりも水道代だけで約15,870円安く済み、ガス代と電気代のエネルギー代を含めて試算すると、27,880円も手洗いよりも食洗機を使ったほうが安く済むことがわかりました。また、CO2排出量は年間211kg-CO2と試算され、食洗機を使ったときは、手洗いよりも25kg-CO2だけのCO2排出量削減となると試算されました。

食洗機を使うその他のメリット

 食洗機を使用するメリットは節約のほかにもいくつかあるので図表4にまとめてみました。主なメリットは時短、節水、衛生、手荒れ防止です。ぜひあなたも食洗機の導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。

図表4. 食洗機を使うメリット

水道、光熱費の節約

食洗機と手洗いの水道代、光熱費の比較は図表2と3で試算しました。食洗機は少量の水を溜めて循環させる方式なので、水を流しっぱなしの手洗いより使用水量が大幅に少なく、手洗いの約1/9程度という試算もあります。お湯代も減るため、機種や使い方次第では、年間数千~2万円超のコスト削減になるケースもあるそうです。

時短

まとめて自動洗浄、乾燥まで任せられるため、手洗いに20分かかるところが「セット5分+待つだけ」程度になることが多いです。また、空いた時間を育児や仕事、趣味に回せるので、共働き家庭ほど効果が大きいのが特徴です。

仕上がり、衛生面の向上

約50~60℃前後の高温水と強力な水流、専用洗剤により、油汚れや茶渋、口紅汚れなどが手洗いより落ちやすいとされています。高温洗浄+高温乾燥により、短時間で高い殺菌効果が期待でき、雑菌の繁殖を抑えやすいのもメリットです。また、食洗機を使用して洗ったビールグラスはビールの泡を消してしまう汚れや脂肪分が完全に除かれているため、泡立ち、泡持ちがとてもよく、おいしくビールを楽しむことができます。

手荒れ、疲労の軽減

水仕事の時間が減ることで洗剤やお湯による手荒れのリスクが低くなります。食後すぐに長時間立ちっぱなしにならずに済むため、夜の疲労感の軽減や精神的な負担の減少につながりやすいです。また、冬の寒い時期には冷たい水に長時間触れていることもないので、つらい思いをせずに食器を洗うことができます。

そのほかの利点

高温で洗うのでベタつきやニオイが残りにくく、シンク周りもすっきり保ちやすくなります。スポンジでこする回数が減るため、ガラス食器などに細かな傷がつきにくく、長くきれいに使えるという指摘もあります。

[出典]
Panasonic「食洗機のメリット、デメリットを知りたい!よくある疑問におこたえします」(https://sumai.panasonic.jp/dishwasher/merit/)、Enepi「食洗機の電気代はいくら?手洗いとどっちがお得か比較&年間7,000円浮く節約術」(https://enepi.jp/articles/452)、生活堂「食洗機のメリット・デメリット」(https://www.seikatsu-do.com/dish/column/dishwasher-merit.php)、マイナビニュース「手で洗ったグラスと食洗機で洗ったグラスのビール、どっちがおいしい?」(2011/11/16)(https://news.mynavi.jp/article/20111116-a083/)を参照。

国際環境経済学科1年 水野