『たむら市政だより』2025年10月号 待機電力の消費電力量の推計根拠や、待機電力を減らすコツ
2026年1月9日
『たむら市政だより』10月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol. 26「待機電力ゼロ生活、始めませんか?」に記載した待機電力の消費電力量の推計根拠や、待機電力を減らすコツについて詳しく紹介いたします。
待機電力の消費電力量の推計根拠
待機電力の消費電力量の推計には、資源エネルギー庁省エネルギー対策課「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」のデータが広く使われています。ここに記載されている「待機時消費電力調査」は少々古いですが、ネット上で調べる限り、これよりも新しい調査は見当たりませんので、今回もこのデータに依拠せざるを得ません。
そこでは、家庭における機器の保有状況、待機時間、待機時消費電力に関する調査結果より、2012(平成24)年度の1世帯当たりの待機時消費電力量は228kWh/年と推計され、1世帯当たりの年間消費電力量4,432kWh/年の約5.1%に相当するとされていて*1、このデータが広く使われています*2。
また、福島県の1世帯当たり年間電力消費量は、家計調査等をもとに2人以上世帯の「電気代」からの推計をまとめた都道府県別電力消費量ランキングを参照して、福島県の1世帯あたり電力消費量は約5,811kWhを用いることにしました*3。家庭で消費する電力のうち、年間約5%が待機時消費電力であることから、5,811kWh×5%で約291kWhが福島県の待機時消費電力と推計しました。
待機時消費電力量に、電気料金25.33(円/kWh)*4を掛けて、待機時消費電力料金は7,360円と推計しました。
*1: 資源エネルギー庁省エネルギー対策課「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」(https://pps-oita.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/taikiji_2012.pdf)を参照。
*2: 経済産業省資源エネルギー庁「省エネ型製品情報サイト」「省エネ性能カタログ(家庭用)2019年版」(https://seihinjyoho.go.jp/frontguide/pdf/catalog/2019/catalog2019.pdf)の6ページ「家庭における待機時消費電力の現状は?」でもこのデータが使われている。
*3:
「都道府県別電力消費量(家計調査版)」(https://todo-ran.com/t/kiji/23000)を参照。家計調査には県庁所在地と政令指定都市の数値が掲載されていて複数の調査都市がある県はそれぞれの値を人口比で按分した数値を県の支出としているが、福島県は県庁所在地である福島市のみの数値を県の支出としている。また、年による変動が考えられるので2014~2018年の平均値をとっている。
*4: 金額換算係数(円/kWh)は、東北電力従量電灯Bの電力量料金120kWhをこえ300kWhまでの36.37円-燃料費調整単価11.04円(2025年9月)を用いて、25.33(円/kWh)とした。(https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/plan/home/lightb/)(https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/attempt/adjust/adjust_value/pdf/202509.pdf)を参照。
待機電力を減らすコツ
使わないときは機器本体の主電源スイッチをオフにすると、待機時消費電力量を約19.3%削減できます。さらに、使っていないときに機器のプラグをコンセントから抜いても機能的に問題がない機器について、使わないときにプラグを抜くようにする、あるいは節電タップなどを利用して節電すれば、年間の待機時消費電力量を約49.1%削減できます*5。プラグを抜くときには、家電の電源が入ったままプラグを抜くと、感電や火災、故障のリスクが高まりますので、電源オフを確認してからプラグを抜くようにしてください。
*5資源エネルギー庁省エネルギー対策課「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」(https://pps-oita.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/taikiji_2012.pdf)を参照。
すべての家電で待機電力を減らす必要はなく、待機電力が多い家電から優先的に対策すると効率的です。図表1の待機時消費電力量機器別構成比をみると、待機電力が比較的多い家電は、ガス温水器(19%)、テレビ(10%)、エアコン・電話機(8%)、BD・HDD・DVDレコーダー(6%)、温水洗浄便座(5%)、パソコン(4%)、電子レンジ・オーブンレンジ(3%)という順になっています。
[出典]資源エネルギー庁省エネルギー対策課「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」(https://pps-oita.jp/wp/wp-content/uploads/2021/08/taikiji_2012.pdf)、3ページより引用。
| テレビ | テレビは家にある家電の中でも、特に待機電力を消費します。接続しているだけで電力を消費しますので、リモコンで画面を切るだけでなく、プラグまで抜くと待機電力を減らせます。ただし、録画機能を使っている場合は注意が必要です。 |
| エアコン | エアコンも待機電力を比較的多く消費するため、プラグを抜いた方がいいです。春や秋など、エアコンがいらない季節はプラグを抜くことで大きな待機電力の節電を見込めます。 |
| ゲーム機 | ゲーム機も待機電力を消費するため、プラグを抜くべきです。ゲーム機内部の基盤は精密なためプラグの挿しっぱなしによる過電流によって劣化する恐れがあります。したがって使用しない間はプラグを抜いておくとバッテリーなどの保護に繋がります。 |
| 炊飯器 | 保温機能がある炊飯器は、常に待機電力を消費しています。保温を切ったとしても、内部の時計機能や設定維持機能が働いていると待機電力を消費することになります。したがって、使用しない間はコンセントから抜いておくのが理想です。 |
| その他、扇風機やアイロン、ドライヤー、電気ケトル | プラグを抜いても問題ないでしょう。ただし、電気ケトルやドライヤーといった家電は、プラグを挿したままにしていても発生する待機電力はごくわずかです。 |
プラグを抜いてはいけない家電や注意すべき家電
次にプラグを抜いてはいけない家電や注意すべき家電について紹介します。冷蔵庫・冷凍庫は食品保存のため常に電源が必要なのは言うまでもありませんが、その他、図表3にような家電は注意しなければいけません。
| ガス温水器・給湯器・温水洗浄便座 | ガス温水器は待機電力を減らす上で特に注意しなければいけない家電です。必ずリモコンで消すようにしましょう。冬季は凍結防止や水漏れ防止機能、安全装置のためがあるため、電源を切らないほうがいいでしょう。 |
| ウォーターサーバー | ウォーターサーバーはつねにプラグをつなげておく必要があります。ウォーターサーバー内部の水は、プラグを抜いて常温で放置された場合、菌が繁殖する可能性があります。 |
| テレビや録画機器 | テレビや録画機器はプラグを抜いてしまうと録画予約ができなくなってしまいます。生活に支障が出ない範囲で行うのがポイントです。 |
| プリンター | プリンターには、自動クリーニング機能が付いているものがあります。コンセントを抜くと自動クリーニング機能が作動しなくなり、インク詰まりが起こりやすくなりますので、プラグは抜かない方が良いでしょう。 |
| デスクトップパソコン | 内蔵時計やメモリ保持の都合で常時電源に繋げておく必要あります。 |
| インターホンセット | 常に通電が必要な場合が多いので、注意が必要です。 |
スイッチ付き節電タップで、もっと簡単に待機電力を削減!
待機電力を減らせば節電になって電気代が抑えられるのは、「わかったけどいちいちプラグなんて抜くのがめんどうくさい」なんて人は多いのではないでしょうか。また、頻繁にプラグを抜き差しすると機器の寿命が縮まる場合もあります。そんな場合には、スイッチ付き節電タップがお勧めです!このアイテムはボタン1つで待機電力を減らすことができる優れものです。これを使えばめんどうくさいプラグの抜き差しせずに、ボタン1つでエコと節約につながります。
[出典]HTB ENERGY「エナジー待機電力による電気代はいくら?待機電力の大きい家電や節約術を紹介」(https://htb-energy.com/article/price/a127)
国際環境経済学科3年 広瀬・総合政策学科1年 井原