『たむら市政だより』7月号 打ち水で暑い夏を楽しもう

『たむら市政だより』7月号 打ち水で暑い夏を楽しもう

『たむら市政だより』7月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol. 11「打ち水で暑い夏を乗り切ろう」の打ち水で涼しさを感じる仕組みについて説明します。

打ち水で涼しくなるカギは気化熱?

夏の暑さを和らげる伝統的な方法「打ち水」。このシンプルな行為がどうして涼しさをもたらすのか、その科学的な理由を掘り下げてみましょう。

打ち水の涼しさの秘密は「気化熱」という現象にあります。これは、水が気体に変わるときに周囲の熱を吸収することによって起こります。具体的には、水滴が蒸発する際に、その過程で地面やその他の物体の熱を奪い、その結果、気温が感じられるほどに下がるのです。

このプロセスは、お風呂上りに体を拭かないと感じる「湯冷め」と似ています。体に残った水分が蒸発するとき、体温を奪っていきます。これが、なぜ速やかに体を拭くことが推奨されるかの理由です。打ち水も同様に、水が蒸発することで地面の温度を下げ、周囲の空気を冷やすのです。

さらに、打ち水がもたらす涼しさは、五感に訴える効果も大きいとされています。水を撒く音、それによって生じる湿り気や、夏の風物詩である浴衣や風鈴の姿も、私たちが涼しさを感じる要因とされています。実際に打ち水をされた経験がある方は、打ち水を行うことで体感温度が下がると感じており、その心地よさは数字に表れない体感の変化として現れています。

打ち水には再利用水を活用しよう!

打ち水は、お風呂の残り湯や、洗濯のすすぎ水、エアコンの室外機から出てくる水、雨水などの「再利用水」を活用することがポイントです。

毎年推定500万人以上が参加する「打ち水大作戦」*¹では、「水の二次利用」を推奨しており、水道水は使わないというルールも設けています。普段はそのまま捨ててしまう水の存在に気づいて再利用することで、温度を下げることに加え、水の大切さを意識できる機会になると考えています。

再利用水を使うことで、水道水を節約しながら環境にも配慮した打ち水が実施できます。しかし、使う水には注意が必要です。油や洗剤が混じっていないか、しっかりと確認してください。おふろの残り湯に含まれる入浴剤などは、元々人体が触れるためのものとして作られているため、人体や環境への影響は少ないと考えられています。

エアコンの電力消費を抑えることも!*2

エアコンの室外機の冷房効率を上げるためにも、打ち水が効果的です。特に、室外機の背面にあるアルミフィンに雨水などで打ち水をすることで、消費電力を抑えることができます。
ただし、直接水をかけるのはNGです。水が電子部品にかかると故障の原因になります。故障を避けるためには、室外機の周囲に打ち水をしましょう。蒸発熱により周囲の気温を下げることができます。
また、室外機の周りに日かげを作ったり、物を置かないようにすることで、空気の流れが良くなり、さらに効率を高めることができます。

国際環境経済学科4年 日野原