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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2025/08/29 現在/As of 2025/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
全学総合講座(多様性を選択する-ダイバーシティと日本社会-)/INTERDEPARTMENTAL LECTURE (TOWARDS A DIVERSE SOCIETY)
ナンバリングコード
/Numbering Code
開講所属
/Course Offered by
大学全カリ総合科目/
ターム・学期
/Term・Semester
2025年度/2025 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
木3/Thu 3
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
高橋 雄一郎
遠隔授業科目
/Online Course

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
高橋 雄一郎 交流文化学科/TOURISM AND TRANSNATIONAL STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
講座タイトル:多様性を選択する(ダイヴァーシティーと日本社会)

 どんな社会も言うまでもなく多様です。世の中には女性と男性の2種類の人間だけが生きているのではないこと、また恋愛や性愛の形が、男女の異性愛だけではないことに皆さんは気づいていると思います。性自認(ジェンダー・アイデンティティー)や性的指向(セクシュアル・オリエンテーション)の多様性を示すために、最後にプラス記号をつけたLGBT+や、LGBTQIA+などの表現を目にされた方もあるでしょう。

 多様性は性(ジェンダーやセクシュアリティー)の領域に限りません。単一の民族だけで構成されている社会や国家は地球上、どこにも存在しないと思います。日本でも、海外にルーツを持つ人たちが増えています。でも日本の学校教育は、日本国籍を持ち、日本語を話す児童生徒を念頭に組み立てられていて、母語や母文化の継承について消極的です。北海道の先住民であるアイヌ民族や、日本の植民地支配の下で一部は強制連行された朝鮮民族に対して、これまでの日本政府が取ってきた政策を振り返ると、日本人や日本文化だけを大切にし、そこに含まれない他者を排除する姿勢が明らかです。

 私たちのアイデンティティー(「自分が誰であり、どこに属するか」の感覚)はジェンダーやセクシュアリティーに加えて、民族、言語、宗教、政治的信条や、家族についての考え方、年齢、受けてきた教育など、さまざまな要素の組み合わせから構築されています。アイデンティティーは、たとえば「少数民族で女性、同性愛者」のように複数からなり、一つに収斂されるものではありません。

 ところが、世界はこんなにも多様なのに、「日本は単一民族国家」だとか、「世の中には女と男しか存在せず、男と女が結婚して家庭を持ち、子どもを作るのが当たり前」のような単一の規範に捉われた差別的な発言が、民主的に選ばれたはずの、人々の代表であるべき政治家の口からも聞かれるのは、残念でなりません。 

 典型は今年1月に大統領に返り咲いたトランプ氏で、彼は米国社会に根づいてきたDEI(Diversity, Equity, Inclusion=多様性、公平/公正、包摂)プログラムの廃止を訴えています。日本では、今年夏の参院選で、外国人のせいで治安が悪化しているかのような虚偽情報(disinformation)を根拠に、外国人排斥を訴える極右政党が支持を拡大しました。

 問題なのは、社会の規範が、男性/非障害者(健常者)/異性愛者のような、あるいは日本社会における日本人のような、マジョリティーで支配的な立場にある人たちによって維持されていて、マイノリティーの人たちが抑圧され、差別されていることです。マイノリティーであっても生きづらさを感じることなく、幸福を追求する権利が誰にでも保障された社会、誰一人排除されることのない社会は作ることができないのでしょうか。

 この講座では学外からも当事者の方、活動家の方をゲストにお迎えし、受講生の皆さんからの疑問に答えていただく時間を設けます。また、獨協大学における取組みも検証して、海外ルーツの学生、障害と共に生きる学生、LGBTQ+の学生など、マイノリティーの学生たちにとっても、大学が居心地のよい学びの場になるよう、一緒に考えていきたいと思います。

 社会は言うまでもなく多様ですが、講座名をあえて「多様性を選択する」としてみました。多様性を尊重するだけでなく、選びとる必要があります。知ることは学びの第一歩ですが、この講座ではもう一歩進んで、学生の皆さんが自分の意見を発信すること、社会改革に向けて行動することに繋がればと願っています。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 ゲストのご都合など、スケジュールに若干の変更がある場合があります。

 授業関連の連絡はmanabaでおこないます。履修登録が済んだら、また毎週、授業の前後には、必ずmanabaを確認することを習慣づけてください。

 授業は原則、対面です。ゲストがオンライン参加になる場合もありますが、コーディネーターは教室にいて、教室のスクリーンを使う対面形式で実施します。

 体調不良や事故、列車の遅延などにより授業を欠席しても録画の提供はありません。ただし、合理的配慮が必要な場合、病気による長期欠席などの場合は相談してください。

 なお、受講生の皆さんには一点、どうしても守っていただきたいお願いがあります。授業ではさまざまなマイノリティーのコミュニティーを紹介し、当事者の皆さんをゲストとして教室にお招きします。英語にvoyeurism(窃視)と言う言葉があります。覗き見をして快楽を得る、と言う意味です。マイノリティーの人たちを興味の対象としてのみ捉えることは、盗撮や覗き見と同じ犯罪行為であり、絶対に謹んでいただきたいのです。授業でも解説していきますが、黒人文化、「ハーフ」、LGBTQ+などを「カワイイ」「カッコイイ」とまねすることも要注意です。本人に差別の意図がなくても相手を傷つけてしまう「マイクロアグレッション」になります。

 学外からゲストをお招きする授業では、遅刻/私語/内職/なども禁止行為とさせてください。人によって感じ方は異なると思いますが、自分が話している間に教室に入ってくる、授業以外の内職をする、寝てしまうなどの行為は、ゲストの人たちにとって決して愉快なものではありません。学外から時間と労力を使って(獨協大学がお支払いする謝礼も決して十分とは言えません)来てくださるゲストの皆さんに失礼にならないよう、協力をお願いします。遅刻をしないように(事故や列車の遅延などによる場合は仕方ありませんが)、時間に余裕を持って大学に来るよう努力してください。また私語や内職については教室で注意をし、場合によっては退室をお願いすることもあります。(眠くなるのは体調にもよるでしょうし、生理の影響もあるかもしれません。ただ、机に突っ伏して寝てしまうなど、派手なお休みの仕方はどうかと思います。)
事前・事後学修の内容
/Before After Study
manabaでの連絡(コースニュース)に注意してください。事前事後に読んでいただくテクスト、考えて欲しいことなどを連絡します。履修登録が済んだら、初回の授業の前に必ずmanabaの確認をお願いします。

教員への質問、受講生全体でシェアしたい意見やニュース、イヴェントの紹介には、manaba掲示板を利用してください。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
購入が必要なテクストはありません。
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 予習/復習を含め、ほぼ毎週、時によっては週に2回提出をお願いする課題の総計で評価します。課題の内容は授業内で指示します。提出先はmanabaレポートです。

 課題では皆さん一人一人が自分の意見を、説得力のある形で展開してください。担当教員やゲスト講師の主張と異なる意見も歓迎です。但し、誹謗中傷、当事者を傷つける内容は絶対に慎んでください。
関連科目
/Related Subjects
備考
/Notes
 病気や事故、列車の遅延などにより授業を欠席してもオンデマンドによる録画の提供はありません。なお、合理的配慮が必要な場合、長期の入院などの場合は相談してください。
到達目標
/Learning Goal
身近な難問や関心を学問に結び付け、現代社会に必要な教養を習得する動機づけとし、将来、様々な知的領域を探求できるようにする。
DPとの関連
/Relation to DP

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 多様性(ダイヴァーシティ)とは何か(その1) 無意識の偏見とマジョリティー特権について考えます
授業時およびmanabaにて指示します。
2 多様性(ダイヴァーシティ)とは何か(その2) マイクロアグレッションとヘイトのピラミッドについて考えます 授業時およびmanabaにて指示します。
3 多様性とジェンダー/セクシュアリティー(その1) 互いの違いを受け止めあえる社会を目指して
認定NPO法人Rebitによる出張授業
授業時およびmanabaにて指示します。
4 インクルーシヴな社会をめざして① 文科省と国連、どっちが正しいの?
日本でインクルーシヴ教育の導入が遅れている理由について考えます
授業時およびmanabaにて指示します。
5 インクルーシヴな社会をめざして② コラムニスト・伊是名夏子さんをお迎えして 授業時およびmanabaにて指示します。
6 多様性とジェンダー/セクシュアリティー(その2) ほんとに知りたい性の話―性教育について一緒に考えよう
(NPO法人ピルコンによる出張授業になります)
授業時およびmanabaにて指示します。
7 多様性とジェンダー/セクシュアリティー(その3) スカイツリーライン LGBTQ FRIENDS 岩井紀穂(かずほ)さんをお迎えして 授業時およびmanabaにて指示します。
8 多様性と民族(その1) 先住民族アイヌの人権/遺骨盗掘問題について考える
遺骨返還運動に取り組むアイヌ民族の木村二三夫さんをお迎えして
授業時およびmanabaにて指示します。
9 多様性と民族(その2) 在日コリアンと朝鮮学校、ヘイトスピーチについて考える
金 英功 (きむ よんごん)弁護士をお迎えして
授業時およびmanabaにて指示します。
10 多様性と民族(その3)  クルド難民のアイユルデイズ・アリさんをお迎えして 授業時およびmanabaにて指示します。
11 これまでの授業の振り返り 未定 授業時およびmanabaにて指示します。
12 多様性と民族(その4) 母語/継承文化と教育
映画『はざま-母語のための場をさがして-』、朴 基浩(ぱく きほ)監督をお迎えして
授業時およびmanabaにて指示します。
13 多様性と獨協大学
多様性に向けた獨協大学の取組みを学生たちと探ります
授業時およびmanabaにて指示します。
14 多様性とジェンダー/セクシュアリティー(その4)
LGBTQ+の権利擁護に取組むKANE & KOTFE(元消防士の平田金重さん、元警察官の勝山こうへいさん)のお二人をお迎えして 授業時およびmanabaにて指示します。

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