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| 科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2025/09/09 現在/As of 2025/09/09 | 
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                  開講科目名 /Course  | 
                韓国特殊研究(韓国メディア論)/SPECIAL STUDIES IN KOREA: | 
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                  ナンバリングコード /Numbering Code  | 
                    41-2038 | 
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                  開講所属 /Course Offered by  | 
                国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES | 
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                  ターム・学期 /Term・Semester  | 
                2025年度/2025 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER | 
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                  曜限 /Day, Period  | 
                月3/Mon 3 | 
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                  開講区分 /semester offered  | 
                春学期/Spring | 
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                  単位数 /Credits  | 
                2.0 | 
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                  学年 /Year  | 
                2,3,4 | 
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                  主担当教員 /Main Instructor  | 
                青木 義幸 | 
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                  遠隔授業科目 /Online Course  | 
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                    教員名 /Instructor  | 
                  
                    教員所属名 /Affiliation  | 
            
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| 青木 義幸 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES | 
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授業の目的・内容                         /Course Objectives  | 
                      
韓国社会において、抗議活動は民主的な社会における重要な意思表明の手段であり、韓国の民主主義を支える中核的な行為として広く認識されている。その背景には、植民地支配からの解放後に展開された民主化運動が、国家の歴史において正統性を持つ闘争として位置づけられ、社会運動や抗議活動が民主国家の発展に寄与してきたという国民的な記憶が共有されていることが挙げられる。しかし、このような民主化運動の意義が国民に共有される過程には、教育や記念事業といった制度的な取り組みだけでなく、文化的表象の役割も重要である。たとえば、ハン・ガンの『少年が来る』やチャン・ジュナンの『1987』のような民主化運動を題材とした文学作品や映画などは、民主化運動の記憶を多様な形で想起させ続けている。このように、韓国の民主化運動そのものや関連する文化的表象について学ぶことは、現代韓国社会において人々が抗議活動を通じて見いだす民主主義の姿を理解するための重要な手がかりとなる。 本講義では、以下の3つの目標を設定している。 1. 韓国民主化運動の歴史的変遷を学ぶ 第一の目標は、韓国の民主化運動の歴史的変遷を理解し、とりわけ1987年の民主化に深く関わる1980年代の民主化運動を学ぶことである。本講義では、1980年5月の光州抗争や1987年の6月抗争といった重要な出来事を取り上げるだけでなく、大学生、労働者、女性、農民など多様な市民が果たした役割、そして軍部による弾圧がもたらした恐怖や悲しみ、怒り、トラウマといった感情的側面についても考察する。 2. 犠牲者の社会的意味を理解する 第二の目標は、1980年代の民主化運動に関連する死者や犠牲の社会的な意味を理解することである。韓国社会において、民主化運動に関連して命を落とした人々や犠牲者は、単なる過去の出来事としてではなく、現在も民主主義と深く結びついた「特別な重み」を持つ存在として想起され続けている。光州抗争に関する記憶が2024年12月の戒厳令に対する多くの市民による抵抗を発生させたように、1980年代の犠牲の記憶は現代韓国社会におけるダイナミズムを生み出す要因ともなっている。 3. メディア表象の分析を行う 第三の目標は、講義で得られた民主化運動史に関する知識を活用し、メディア表象を分析することである。韓国では、多くの映画監督や作家が1980年代の民主化運動をテーマにした作品を制作してきた。本講義では、1987年の6月抗争を題材とした映画、小説、マンガを取り上げ、それぞれの作品が描く民主化運動の姿や、記憶から消え去りつつある出来事についての相違点や共通点を比較分析する。この分析を通じて、現代韓国社会における民主主義のあり方について考察していく。  | 
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授業の形式・方法と履修上の注意                         /Teaching method and Attention the course  | 
                      
【注意1】 メインテキストは“The South Korean Democratization Movement”(英語)となります。同書は、第二言語として英語を用いる学部生を対象としたテキストであるため平易な英語が用いられています。固有名詞等については授業で解説を行っていきます。 【注意2】韓国語が全く分からなくても問題ありません。ただし、英語ではなく韓国語でテキストを読みたい学生や一次史料を韓国語で読んでみたい学生は、担当教員に連絡して下さい。  | 
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事前・事後学修の内容                         /Before After Study  | 
                      課題テキストを読了するとともに、講義中の質問及びリアクションペーパー作成の準備してくること。 | ||||||||||
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テキスト1                         /Textbooks1  | 
                      
                      
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テキスト2                         /Textbooks2  | 
                      
                      
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テキスト3                         /Textbooks3  | 
                      
                      
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参考文献等1                         /References1  | 
                      
                      
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参考文献等2                         /References2  | 
                      
                      
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参考文献等3                         /References3  | 
                      
                      
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評価方法                         /Evaluation  | 
                      
授業に対する積極的参加度(30%)、リアクションペーパー(30%)、期末レポート(40%) | 
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関連科目                         /Related Subjects  | 
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備考                         /Notes  | 
                      “The South Korean Democratization Movement”は、高価のためファイルを配布します。 | ||||||||||
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到達目標                   /Learning Goal  | 
                「韓国研究科目群」の他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって韓国を研究分析し、見解を提示できるようにする。 | ||||||||||
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                  DPとの関連 /Relation to DP  | 
              【19カリ】---------- ○:幅広い教養 ○:専門知識・技能 △:問題解決力 △:情報分析力 △:情報発信力 △:協働性 △:主体性 ○:倫理観 【24カリ】---------- △:幅広い教養 △:専門知識・技能 △:外国語の運用能力 ○:問題解決力 ○:情報分析力 ○:情報発信力 ○:協働性 ○:主体性 ○:倫理観  | 
            
| 回 /Time  | 
          授業計画(主題の設定) /Class schedule  | 
          授業の内容 /Contents of class  | 
          事前・事後学修の内容 /Before After Study  | 
              
|---|---|---|---|
| 1 | 総合ガイダンス | 授業の進め方及びテキストの概要説明を行う。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 2 | 社会における記憶と忘却のメカニズム | 過去の出来事が集合的記憶となる、プロセス及びメカニズムについて学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 3 | 1980年 ソウルの春と民主化運動 | 朴正熙政権終焉に伴う民主化運動の活性化と軍部クーデターによる運動の萎縮過程について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 4 | 1980年5月 光州抗争 | 軍による光州市民の虐殺と弾圧に対する抵抗として市民による蜂起が起こったプロセスを学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 5 | 光州抗争の記憶 | 光州抗争がその後の民主化運動にもたらした影響、及び現在の韓国社会における光州抗争の記憶について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 6 | 大学自律化措置と学生運動 | 1980年代中盤の大学自律化措置と学生運動の爆発的な拡大について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 7 | 反米主義の登場 | 1980年代の特筆すべき特徴である反米主義の擡頭について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 8 | 社会運動の急進化と5・3仁川闘争 | 革命を求める動きが拡大していく背景について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 9 | 憲法改正運動の展開 | 国民全体を巻き込む「民主化」=「憲法改正」という図式の登場とその余波について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 10 | 農民、教育者、一般国民の民主化運動 | 農民、教育者、一般市民が草の根レベルで行った民主化運動の実態について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 11 | パク・ジョンチョルの拷問致死 | 国家暴力の究極の形としての拷問致死が民主化運動に与えた影響について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 12 | 6月抗争と大統領制直接選挙制 | 1987年の6月抗争のプロセスを学と共に、正史から排除される運動の記憶について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 13 | 民主化の意味 | 1987年の民主化が勝ち取った変化と残された課題について学習する。 | テキスト読了・授業参加用メモの作成 | 
| 14 | 民主化運動の映像分析 | 映像メディアに描かれた運動の姿と描かれていない姿の比較を通じて、韓国社会における民主化の記憶とは何かを学習する。 | 授業参加用メモの作成 |