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| 科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2025/09/09 現在/As of 2025/09/09 | 
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                  開講科目名 /Course  | 
                ドイツ語圏の歴史・現代社会E(市民社会論・市民運動のドイツ史)/GERMAN HISTORY AND CONTEMPORARY SOCIETY E | 
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                  ナンバリングコード /Numbering Code  | 
                    11-1028 | 
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                  開講所属 /Course Offered by  | 
                外国語学部ドイツ語学科/FOREIGN LANGUAGES GERMAN | 
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                  ターム・学期 /Term・Semester  | 
                2025年度/2025 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER | 
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                  曜限 /Day, Period  | 
                火3/Tue 3 | 
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                  開講区分 /semester offered  | 
                春学期/Spring | 
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                  単位数 /Credits  | 
                2.0 | 
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                  学年 /Year  | 
                1,2,3,4 | 
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                  主担当教員 /Main Instructor  | 
                川﨑 聡史 | 
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                  遠隔授業科目 /Online Course  | 
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                    教員名 /Instructor  | 
                  
                    教員所属名 /Affiliation  | 
            
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| 川﨑 聡史 | ドイツ語学科/GERMAN | 
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授業の目的・内容                         /Course Objectives  | 
                      
※必ずシラバスを事前によく読み、内容を了解した上で履修するか決めてください。 目的:現在のドイツの民主主義は、選挙や議会といった制度的なものだけに支えられているのではなく、市民ひとりひとりの社会参加に依拠しています。しかし、ドイツの市民社会は常に民主的であったわけでも、活発であったわけでもありません。市民層は、18世紀後半以降は自由主義的であることもあれば、ナショナリスティックであることもありました。第二次世界大戦を経て、戦後の市民社会はさまざまな挑戦を受けつつも、現在の民主主義体制を支える存在へと成長しました。本授業では、こうしたドイツの市民社会について歴史的に理解を深めます。 内容:この授業では、ドイツの市民社会と市民運動を歴史的に概観します。 前半では「市民」と「市民社会」の意味論をおさえた後、フランス革命から第二次世界大戦までの歴史を「市民層」を中心に検討します。英仏に比べて国民国家形成が遅れたドイツにおいて、市民層は自由主義的な価値観を体現しつつも、ナショナリズムの旗手でもあるという点で、アンビバレントな存在でした。このことは20世紀半ばのナチ時代まで、ドイツの民主的な発展を促進しつつも阻害していました。授業後半では「市民性(シヴィリティ)の回復」をキーワードにして、ナチ犯罪の過去と戦後ドイツがどのように向き合い、それによって自由、民主主義、人権などを重視する価値観としての「市民性」を回復してきたかを検討します。 この授業は、外国語学部の学位授与方針(DP)および教育課程の編成・実施方針(CP)が示す、ドイツ語圏の「言語・歴史・文化・社会を理解するための専門知識」を習得し、かつその知識を歴史的かつ現代的事象と結び付けて考察する能力を身につけている「国際的視野に立つ教養人」を育成することを目指すものです。  | 
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授業の形式・方法と履修上の注意                         /Teaching method and Attention the course  | 
                      
講義は対面で行います。 成績評価は毎回の課題、および期末テストで行います。 課題提出には、manabaを利用します。 提出方法については、第1回の授業で詳しく説明します。 毎回の授業で参加者からの質問を募る時間をとり、フィードバックを行います。  | 
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事前・事後学修の内容                         /Before After Study  | 
                      
本講義では二つの事後学習が求められます。 ① 毎講義後の課題提出。課題への解答をmanabaで書き込んでください。 ② 授業後の復習。授業資料は配布しますので、復習してください。さらに授業中に紹介した文献を自発的に読み進めることが好ましいです。毎回の授業で関連する文献を紹介するので、気になるものから随時読み、勉強してください。事後に課題に取り組み、理解ができるまでには、講義時間の2倍程度(=200分ほど)の学修時間を目安にします。  | 
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テキスト1                         /Textbooks1  | 
                      
                      
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テキスト2                         /Textbooks2  | 
                      
                      
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テキスト3                         /Textbooks3  | 
                      
                      
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参考文献等1                         /References1  | 
                      
                      
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参考文献等2                         /References2  | 
                      
                      
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参考文献等3                         /References3  | 
                      
                      
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評価方法                         /Evaluation  | 
                      
① コメントシート 50% ② 期末テスト 50% ・「コメントシート」では、授業の内容を深めるようなコメントが高く評価されます。皆さんの単なる個人的な印象と主義主張や授業内容を引き写したものではなく、授業を直接踏まえ、それを論理的・分析的に深める内容を他者に伝わる文章で記したコメントが歓迎されます。授業を聞かなくても書ける内容や授業を聞いていないことがわかる内容のコメントは、未提出扱いになります。 ・課題に関して、思考を整理したり、調査の糸口をつかむための生成系AIやインターネットの利用は妨げませんが、履修者自身の学びの成果が読み取れないもの(つまり生成系AIが出力したそのままのもの、あるいはインターネット上の情報をコピーしたもの)が提出された場合、評価の対象外となります。 ・生成系AIの発展に伴い、授業時間外に取り組む課題によって、履修者の学習の成果を評価することが困難になりました。そのため本講義の成績評価に関係する課題は、対面での参加を通じてのみ適切に解答できるようなものにします。  | 
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関連科目                         /Related Subjects  | 
                      
秋学期の「ドイツ語圏の歴史・現代社会G(ドイツ語圏の地域・環境問題 b)」とは補完関係にありますが、それぞれ独立した内容ですので、この授業だけを受講しても問題ありません。 本授業で学ぶドイツ語圏に関する知識は、他の専門的講義、テクスト研究、テクスト特殊研究、専門演習といった授業の内容をよりよく理解するための前提になります。  | 
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備考                         /Notes  | 
                      
第1回授業で授業の進め方と評価方法を詳しく説明するので、履修希望者は参加するようにしてください。 本講義では、生成系AIを用いた課題を出すことがあります。そのため本講義は、実験的な要素を含みます。  | 
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到達目標                   /Learning Goal  | 
                ドイツ語圏の歴史・現代社会に関する概論的な知識、分野特有の思考・研究方法の基礎を修得し、分析を行い見解を提示できるようにする。 | ||||||||||
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                  DPとの関連 /Relation to DP  | 
              【24カリ】---------- △:言語スキルと異文化理解 △:ドイツ語運用能力 ○:リベラルアーツコースに関する専門知識 △:プロジェクトコースに関する専門知識 △:専門演習  | 
            
| 回 /Time  | 
          授業計画(主題の設定) /Class schedule  | 
          授業の内容 /Contents of class  | 
          事前・事後学修の内容 /Before After Study  | 
              
|---|---|---|---|
| 1 | 授業ガイダンス | 講義の概要をつかむ。課題の提出方法など授業を受けるにあたって必要な事柄を説明する。 | 事後:今学期の授業方法を理解することが事後学修である。もし授業を聞いてもわからないことがあれば、教員に連絡すること。 | 
| 2 | 市民、市民性、市民社会とは何か? | 「市民」というと、日本では単に地方自治体の「市」の住民を指すことが多いが、ドイツを含むヨーロッパでは「市民」は歴史的に複雑な概念である。本授業では市民、市民性、市民社会の歴史的含意について考える。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 3 | ナポレオン戦争までの市民社会 | フランス革命以降、ドイツに本格的に持ち込まれたナショナリズムに駆り立てられた新興の市民層はドイツ統一国家建設を目指した。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 4 | 19世紀前半の市民社会 | 本授業ではナポレオン戦争によって持ち込まれた近代的な自由やナショナリズムの思想が、経済と社会の近代化と結びつく過程を扱う。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 5 | 1848/49年革命と「上からの」統一 | 1848年革命で政治的に挫折した市民層は経済活動に注力しつつ、同時期にビスマルクによる「上からの」統一運動を支えた。本授業では市民社会のドイツ統一国家建設との関わりを扱う。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 6 | ドイツ帝国建国と市民生活の変化 | 19世紀後半にはドイツ統一が実現したものの、それまで市民社会の分化が進展した。本授業では、近代的な多元的市民社会の発展を扱う。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 7 | 19世紀の市民の日常生活 | 本授業では、市民層の日常生活に焦点を当てる。文化消費の発達や、女性の差別と解放運動に主に注目する。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 8 | 第一次世界大戦とヴァイマル期の市民層 | 20世紀初頭までに市民層がナショナリズムの担い手としてドイツの軍国主義化を部分的に支えた過程、さらに第一次世界大戦後の市民層の形態変化について扱う。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 9 | ナチ支配と市民層 | ナチ党の台頭に対して市民層の内部では様々な反応が見られた。本授業では世代対立の側面から、ヒトラー政権成立前後の市民層を扱う。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 10 | ホロコースト:ユダヤ人市民層の殲滅 | ナチによる迫害と殺戮は、とりわけドイツの市民社会の重要な主体だったユダヤ人市民層の殲滅をもたらした。本授業ではホロコーストから市民社会について考える。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 11 | シヴィリティ(市民性)の回復としてのナチの「過去の克服」 | 第二次世界大戦後、特に西ドイツにおいてナチ時代の過去との取り組みが進められてきた。これはナチの暴力支配を克服し、平和的で法の支配が実現した市民社会の確立を目指したものだった。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 12 | 「過去の克服」と「歴史家論争2.0」 | 戦後ドイツは全体としてナチ犯罪の過去に真摯に取り組んできたが、近年の中東情勢の緊迫化に伴い、歴史的責任との向き合い方に変化が生まれてきている。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 13 | 市民性への挑戦:右からの市民運動 | ドイツでは長らく極右運動は低調だったものの、2010年代以降は「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭で再び勢いを得ている。戦後の極右運動を扱うことでこれからの市民社会のあり方を考える。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  | 
              
| 14 | 今学期の授業のまとめ | 今学期の授業の総括と復習を行う。 | 事前・事後学修の内容 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。  |