![]()  | 
    
| 科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2025/09/09 現在/As of 2025/09/09 | 
| 
                  開講科目名 /Course  | 
                テクスト研究(語学・文学・思想) b/TEXT STUDIES (GERMAN LANGUAGE, LITERATURE AND THOUGHT) b | 
|---|---|
| 
                  ナンバリングコード /Numbering Code  | 
                    11-3032 | 
| 
                  開講所属 /Course Offered by  | 
                外国語学部ドイツ語学科/FOREIGN LANGUAGES GERMAN | 
| 
                  ターム・学期 /Term・Semester  | 
                2025年度/2025 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER | 
| 
                  曜限 /Day, Period  | 
                金3/Fri 3 | 
| 
                  開講区分 /semester offered  | 
                秋学期/Fall | 
| 
                  単位数 /Credits  | 
                2.0 | 
| 
                  学年 /Year  | 
                3,4 | 
| 
                  主担当教員 /Main Instructor  | 
                岡崎 龍 | 
| 
                  遠隔授業科目 /Online Course  | 
                - | 
| 
                    教員名 /Instructor  | 
                  
                    教員所属名 /Affiliation  | 
            
|---|---|
| 岡崎 龍 | ドイツ語学科/GERMAN | 
| 
授業の目的・内容                         /Course Objectives  | 
                      
この授業では、ドイツの哲学者イマヌエル・カントの「啓蒙とは何か」(原題:Beantwortung der Frage: Was ist Aufklärung?)という小論文の精読を行います。 この論文は1784年にカントが発表したもので、当時の政治的・社会的・宗教的な文脈に強く影響された作品であると同時に、現代を生きる私たちにとっても重要なメッセージをもつ古典の一つでもあります。学校の教員であれ大中小企業の社員や公務員であれ、職に就いて生活する以上、ひとは誰もが与えられた内容をときには機械的にときにはクリエイティブに、粛々とこなすことが求められます。しかし、そうした内容が必ずしも正しいとは限りません。カントは、個々人が職場で与えられた内容を淡々とこなすことが社会にとって不可欠であることをみとめながらも、同時に、特定の「職場」や「業界」のなかで共有される価値観や業務内容を批判的に見直すための別の視点をもつことの重要性を主張し、そうして私たちが視野を拡大してゆくプロセスを「啓蒙」と呼びました。 この授業では、ドイツ語のオリジナルテクストを一文一文読み進めながら、それぞれの文章のもつ具体的な意味を考えます。受講者は、この授業を通じて、古典的なテクストを原典で精緻に読解し、またその意義を分節化し、自分なりに応用して考える能力を身に着けることができます。 授業の目的: 1)ドイツ語学科の学位授与方針(DP)(学位の裏付けとなる「能力」)2に定める、ドイツ語運用能力の中の特に「読む」技能について、「異文化を理解し情報を収集するのに必要な専門的な能力」を身に付けることを目的とします。 2)カントのテクストを読みながら現代の日本や世界を批判的に捉え返すことで、学位授与方針(DP)(学位の裏付けとなる「能力」)4に定められている「ドイツ語圏の言語・文学・思想、芸術・文化、歴史・現代社会など、多様な領域に関する横断的な知識を養い、全人的な教養を身に付けるとともに、その知識を活用してドイツ語圏に関わる様々な社会的・文化的現象について適切に問題を設定し、それを論理的かつ独自の視点から 説得的に論述・議論する能力」を育みます。  | 
                    ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 
授業の形式・方法と履修上の注意                         /Teaching method and Attention the course  | 
                      
授業方針はおおむね下記の通りです。ただし、受講者のレベルに応じてペースを変更することがあります。 第2回~第7回、第9回~第13回については担当者を決める形はとりませんので、各回の授業で全ての受講者が予習することが必要になります。以下の内容で授業を進行する予定です。 ・事前に指定された範囲(一回の授業で一ページ弱程度)に目を通し、不明な単語や文法構造等を調べて訳の準備をしておく。 ・準備してきた訳文について、隣の人と話し合う。 ・一人指名し、訳読をしてもらう(文章の長さによっては、複数の部分に分けることがあります)。 ・訳読をもとに、隣の人と該当の文の意味について話し合う。 ・一人指名し、大意を述べてもらう(パラフレーズ)。 ・必要に応じて、担当教員が重要概念等について説明を行います。 以上の内容を一文ごとに進め、一つの段落が終わった段階で、段落全体の意義や背景について、改めて教員が説明を行います。 第8回と第14回には、担当者を決めて、扱っているテクストの中から特定の箇所を指定し、その内容について、1)文脈、2)パレフレーズ、3)その意義の観点から一人5~10分程度のプレゼンテーションを行ってもらいます。 ※各授業の開始時にアプリを用いて席替えを行います。 *履修上の注意:このテクスト研究は、未修クラスで「応用ドイツ語 II」や「総合ドイツ語 IV」の成績が「A」以上の学生と、既修クラスの学生を主な対象とします(但し、未修クラスの学生で成績が「B」以下でも履修可)。「応用ドイツ語」と「総合ドイツ語」の成績が異なる場合や、「応用ドイツ語 II」や「総合ドイツ語 IV」を再履修中でまだ成績が出ていない場合は、ご本人の判断に任せます。  | 
                    ||||||||||
| 
事前・事後学修の内容                         /Before After Study  | 
                      
各回に扱う範囲について、知らない単語や文法内容について事前に調べて訳文を準備し、さらにそれぞれの文の大意を自分の言葉でパレフレーズできるように準備して授業に臨んでください(3時間)。AI等の使用は既存の翻訳や文法書等を見てもわからないときだけにしてください。授業後には原文をみるだけで内容が頭に入るようになっていることを目標に復習を行い、さらに興味をもった内容について図書館やインターネットなどで調べてみてください(1時間)。 「正しい訳文を読み上げること」や「正しい解釈を述べること」ではなく、なぜそのような訳文/解釈に至るのか、そのプロセスについての説明を含めて成績評価を行いますので、留意してください。  | 
                    ||||||||||
| 
テキスト1                         /Textbooks1  | 
                      
                      
  | 
                    ||||||||||
| 
テキスト2                         /Textbooks2  | 
                      
                      
  | 
                    ||||||||||
| 
テキスト3                         /Textbooks3  | 
                      
                      
  | 
                    ||||||||||
| 
参考文献等1                         /References1  | 
                      
                      
  | 
                    ||||||||||
| 
参考文献等2                         /References2  | 
                      
                      
  | 
                    ||||||||||
| 
参考文献等3                         /References3  | 
                      
                      
  | 
                    ||||||||||
| 
評価方法                         /Evaluation  | 
                      
 毎回の授業への参加度(分担箇所についてきちんと準備をして授業に臨んでいるかどうか、担当者でない授業回でも積極的に発言したりして議論に参加しているかどうか、等々で60%)、中間又は期末のプレゼンテーション(40%)と合わせて、100点満点で成績評価を出します。プレゼンテーションを行うことが評価の条件になります。正当な理由でプレゼンテーションの担当日に出席できない場合、後日zoomを用いて時間を取ります。 AIの使用は妨げませんが、機械翻訳の内容を読み上げるだけでは評価の対象になりません。訳読に際しては結果ではなそこに至るプロセスを重視するため、折に触れて品詞分解をし、「なぜそのような訳になるか」を説明してもらいます。 受講人数にもよりますが、各回の授業で一度は訳読/パラフレーズについて指名されると考えてください。  | 
                    ||||||||||
| 
関連科目                         /Related Subjects  | 
                      「ドイツ語圏の言語・文学・思想」、「社会思想史」等の科目が本授業と関連するほか、前の「テクスト研究(語学・文学・思想) a 」では哲学に関して現代の研究者が執筆したやさしいテクスト(Philosophie Magazin所収の「Essay」)を扱うため、連続して受講することで学習効果を高めることが期待できます。 | ||||||||||
| 
備考                         /Notes  | 
                      
使用するテキストは、コピーを配信します。 授業は、指定された曜日・時限・教室で、対面で行います。  | 
                    ||||||||||
| 
到達目標                   /Learning Goal  | 
                専門的なドイツ語テクストを講読し、語学・文学・思想に関する分野について背景知識を含めて総合的に研究し、分析を行い見解を提示できるようにする。 | ||||||||||
| 
                  DPとの関連 /Relation to DP  | 
              【19カリ】---------- ○:言語スキルと異文化理解 ○:ドイツ語運用能力 △:言語・文学・思想研究に関する専門知識 ○:芸術・文化研究に関する専門知識 △:現代社会・歴史に関する専門知識 △:専門演習  | 
            
| 回 /Time  | 
          授業計画(主題の設定) /Class schedule  | 
          授業の内容 /Contents of class  | 
          事前・事後学修の内容 /Before After Study  | 
              
|---|---|---|---|
| 1 | オリエンテーション | 今学期の授業に進め方に関するガイダンス、プレゼンテーションの日程・担当者の決定 | |
| 2 | 第一段落、第二段落(1):啓蒙の定義 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 3 | 第二段落(2)、第三段落:未成年状態の永続化 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 4 | 第四段落、第五段落(1):啓蒙と革命 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 5 | 第五段落(2):理性の私的使用と公的使用 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 6 | 第五段落(3):知識人の責務 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 7 | 中間プレゼンテーション | 事前に指定した箇所について、1)文脈、2)パラフレーズ、3)自分の考える意義の三点から、5~10分程度のプレゼンテーションを行ってもらいます(留学希望者などは必要に応じてドイツ語でも可)。 | 担当者:プレゼンテーション準備、担当者以外:質問内容を考えておく | 
| 8 | 第六段落(1):啓蒙の永続性 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 9 | 第六段落(2):啓蒙と君主 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 10 | 第七段落、第八段落(1):啓蒙の時代 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 11 | 第八段落(2)第九段落:啓蒙の危険性? | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 12 | 第十段落:思考の自由 | 訳読・パラフレーズ・教員による説明 | 知らない単語や文法構造を調べ訳文を作成し、興味をもった内容や概念について調べてみる | 
| 13 | 期末プレゼンテーション | 事前に指定した箇所について、1)文脈、2)パラフレーズ、3)自分の考える意義の三点から、5~10分程度のプレゼンテーションを行ってもらいます(留学希望者などは必要に応じてドイツ語でも可)。 | 担当者:プレゼンテーション準備、担当者以外:質問内容を考えておく | 
| 14 | 振り返り | 論文全体の内容を思想史的な文脈やその意義、さらに深めてみたい人への文献紹介、現代の文脈での受容などを紹介し、振り返ります。 | 全体を改めて読み直し、興味のある、納得できない点をリストアップしておく |