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| 科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2025/09/09 現在/As of 2025/09/09 | 
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                  開講科目名 /Course  | 
                交流文化論(表象文化論)/STUDIES IN TOURISM AND TRANSNATIONAL | 
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                  ナンバリングコード /Numbering Code  | 
                    【独】11-2007 【英】12-2093 【仏】13-2017  | 
              
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                  開講所属 /Course Offered by  | 
                外国語学部/FOREIGN LANGUAGES | 
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                  ターム・学期 /Term・Semester  | 
                2025年度/2025 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER | 
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                  曜限 /Day, Period  | 
                金1/Fri 1 | 
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                  開講区分 /semester offered  | 
                春学期/Spring | 
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                  単位数 /Credits  | 
                2.0 | 
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                  学年 /Year  | 
                2,3,4 | 
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                  主担当教員 /Main Instructor  | 
                高橋 雄一郎 | 
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                  遠隔授業科目 /Online Course  | 
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                    教員名 /Instructor  | 
                  
                    教員所属名 /Affiliation  | 
            
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| 高橋 雄一郎 | 交流文化学科/TOURISM AND TRANSNATIONAL STUDIES | 
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授業の目的・内容                         /Course Objectives  | 
                      
映画とフィールドワークから学ぶ関東大震災虐殺と「慰安婦」問題ーー歴史がどのように表象され、記憶されているかを批判的に検証します。 トピック(その1) 一昨年、2023年は関東大震災の100周年にあたり、地震の起きた9月1日を中心にさまざまな記念行事がおこなわれました。皆さんは、地震発生後に「朝鮮人が暴動を起こしている」「井戸に毒を流した」などのデマが飛び交い、各地で自警団が組織されて虐殺が起きたことを習っていると思います。朝鮮人だけでなく、中国人や、日本人の社会主義者なども虐殺されました。 しかし近年、虐殺の規模を矮小化したり、虐殺そのものを否定しようとする動きがあることは看過できません。たとえば、東京都知事は朝鮮人犠牲者を慰霊する式典に毎年追悼文を送ってきたのですが、小池知事は就任2年目の2017年から取りやめてしまいました。「日本人がそんな悪いことをしたはずがない」との思いたい気持ちは理解できますが、「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」*という言葉を想起して欲しいと思います。植民地支配や侵略戦争など歴史の「負の遺産」に、私たちは正面から向き合う必要があります。 そんな中、2023年に公開された森達也監督の映画『福田村事件』は高い注目を集め、社会派の映画には珍しいロングランを達成しました。映画は、獨協大学からもそれほど遠くない福田村(現在の千葉県野田市)で実際に起きた、四国出身の行商の一行が朝鮮人と間違えられ、惨殺された事件を題材にしています。また、地震後の混乱の中で、社会主義者たちが警察によって暗殺された「亀戸事件」も描かれています。この映画を教室で鑑賞しながら授業を進めていきます。 『福田村事件』公式サイト https://www.fukudamura1923.jp/ *第2次世界大戦後40年の1985年に、西ドイツ(当時)のヴァイツゼッカー大統領がおこなった演説から。 トピック(その2) また、いわゆる「慰安婦」についての、皆さんの理解はどうでしょうか。2015年に日韓両政府が「合意」を発表したこと、当事者の女性たちの中でご存命の方がほとんどいなくなってしまったことなどから、日本ではほとんど忘れられているように思えます。関東大震災虐殺について勉強した後は、残りの授業時間を慰安婦、特に、日本政府の反対にもかかわらず世界各地に設置されている〈平和の少女像〉について、2019年に公開されて話題となったドキュメンタリー映画『主戦場』を視聴しながらディスカッションしていく予定です。 『主戦場』公式サイト http://www.shusenjo.jp/ トピック(その3) 山口県宇部市に長生炭鉱という海底炭坑がありました。1942年2月に大きな落盤事故があり、坑道になだれ込んだ海水に呑み込まれ183人が亡くなったのですが、そのうち136人は当時日本が植民地として支配していた朝鮮半島出身の労働者でした。戦争遂行のため安全を度外視した増産体制が敷かれていたことが事故の原因ですが、事故直後に坑道が埋められて、救助活動も遺体の回収もおこなわれませんでした。戦後長い間、犠牲者は追悼されることもなく放置されてきたのですが、市民団体の努力により韓国の遺族たちと連絡が取れるようになり、今年1月から2月にかけて、遺骨回収のための潜水調査が実施されることになりました。 このシラバスの執筆時点では調査の結果が出ていないのですが、遺骨が発見されれば大きなニュースになると思います。他のトピックに優先して、授業で取上げようと思います。 (次の段に続く)  | 
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授業の形式・方法と履修上の注意                         /Teaching method and Attention the course  | 
                      
(上の段から続く) 長生炭鉱については、フォト・ジャーナリストの安田菜津紀さんと佐藤慧さんが主宰するNGO “Dialogue for People (D4P)”の記事が参考になると思います。 https://d4p.world/12435/ なお長生炭鉱、慰安婦、徴用工、731部隊などについては、秋学期に同じ金曜日1限に開講する「トランスナショナル文化特殊講義(交流文化論)」で、靖国神社問題と共に、戦争を公共の記憶としてどのように継承するか、考えていきます。関心のある方は続けての履修をお薦めします。 春学期の授業ではフィールドワーク(課外授業)を、学期中の日曜日を利用しておこないます。両国の「横網町公園」(震災後に起きた火災が「火炎旋風」となりここだけで4万人が犠牲になったという陸軍被服廠跡の場所で現在、東京都の慰霊堂や朝鮮人追悼碑がある)と、慰安婦についての展示がある早稲田の「女たちの戦争と平和資料館(WAM)に行きます。実施日は受講者と相談して決めます。実施日に参加できない方は、他の日にちに、各自で見学をすることが単位取得の条件になります。 都立横網町公園のサイト https://tokyoireikyoukai.or.jp/ 女たちの戦争と平和資料館(WAM)のサイト https://wam-peace.org/ (以下、関連記事などを紹介します。参考にしてください。) NHKクローズアップ現代 「“集団の狂気”はなぜ 関東大震災の教訓」 2023年8月30日(記事) https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4817/ テレビ朝日報道ステーション 2023年9月1日(記事+動画7分) https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000314167.html 『東京新聞』2023年9月1日(記事) https://www.tokyo-np.co.jp/article/274017 *次ページのスケジュールは暫定です。初回の授業で詳しくお話します。 *テクストなどの配付、その他授業に関連した案内、指示はmanabaを通じておこないます。履修登録をしたら、必ずmanabaを確認してください。  | 
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事前・事後学修の内容                         /Before After Study  | 
                      
(事前)授業で使用するテクストを必ず精読して予習し、背景となる歴史や社会状況についても調べ、問題点や質問事項を整理して授業に臨んでください。 (事後)授業後は授業中のディスカッションでは解決できなかった疑問、自分の意見などのフィードバックをお願いします。  | 
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テキスト1                         /Textbooks1  | 
                      
                      
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テキスト2                         /Textbooks2  | 
                      
                      
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テキスト3                         /Textbooks3  | 
                      
                      
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参考文献等1                         /References1  | 
                      
                      
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参考文献等2                         /References2  | 
                      
                      
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参考文献等3                         /References3  | 
                      
                      
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評価方法                         /Evaluation  | 
                      
ポートフォリオの提出(100%)。 ポートフォリオの元の意味は、「図面や地図などを持ち運ぶためのフォルダー、書類ばさみ(Oxford English Dictionary=OED)です。そこから転じて、そのようなフォルダーに入れられる、本人の業績を示す書類や作品などを指すことがあります。教育現場では、予習復習を含め学生が一つの授業に関連しておこなった作業、学習を記録した成果物の総体をポートフォリオといいます。 ポートフォリオを作成する利点は、自分の学習の質や量、思考のプロセスを振り返り、復習や、これからの勉強に役立てることができる点です。 スクラップブックなどを使って紙媒体で提出することもできますが、ワードのファイルを添付して提出することが便利です。 毎回の授業について、①各自が予習した内容、関連して調べたこと、②授業で扱われた内容、③授業後のフィードバック、意見の発信、をまとめてください。 授業を履修していない人が読んで、授業内容と、授業を通じて考えたあなたの意見が分かるようにすることが目標です。 ポートフォリオについては初回の授業で詳しくお話します。  | 
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関連科目                         /Related Subjects  | 
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備考                         /Notes  | 
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到達目標                   /Learning Goal  | 
                交流文化に関する各種分野について特定の専門知識を習得し、分析のうえ見解を提示できるようにする。 | ||||||||||
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                  DPとの関連 /Relation to DP  | 
              【19カリ・独】---------- △:言語スキルと異文化理解 △:ドイツ語運用能力 △:英語運用能力 △:言語・文学・思想研究に関する専門知識 △:芸術・文化研究に関する専門知識 △:現代社会・歴史に関する専門知識 △:専門演習 【19カリ・英】---------- ○:国際教養と社会的責任 △:英語の運用能力 ○:グローバル社会に関する専門知識 △:メディア・コミュニケーションに関する専門知識 △:文学・文化・歴史に関する専門知識 △:言語に関する専門知識 △:系統的知識と表現力 【19カリ・仏】---------- ○:幅広い教養 △:専門知識・技能 △:英語の運用能力 △:課題設定力 ○:情報分析力 △:発信力 △:協調性 ○:主体性 ○:倫理性 【24カリ・独】---------- △:言語スキルと異文化理解 △:ドイツ語運用能力 △:英語運用能力 △:リベラルアーツコースに関する専門知識 △:プロジェクトコースに関する専門知識 △:専門演習 【24カリ・英】---------- ○:国際教養と社会的責任 △:英語の運用能力 △:グローバル社会に関する専門知識 △:メディア・コミュニケーションに関する専門知識 △:文学・文化・歴史に関する専門知識 △:言語に関する専門知識 △:系統的知識と表現力 【24カリ・仏】---------- ○:幅広い教養 △:専門知識・技能 △:英語の運用能力 △:課題設定力 ○:情報分析力 △:発信力 △:協調性 ○:主体性 ○:倫理性  | 
            
| 回 /Time  | 
          授業計画(主題の設定) /Class schedule  | 
          授業の内容 /Contents of class  | 
          事前・事後学修の内容 /Before After Study  | 
              
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| 1 | イントロダクション  | 
                「旭日旗」について。授業の概要を説明します。 | 
                manaba、授業で指示します。 | 
| 2 | 『福田村事件』 | 
                映画を視聴してディスカッションをします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 3 | 『福田村事件』 | 映画を視聴してディスカッションをします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 4 | 『福田村事件』 | 映画スクリプトの検討をします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 5 | 『福田村事件』 | 映画スクリプトの検討をします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 6 | 慰霊祭、記憶の継承 | 保障と謝罪を求めて闘った生存者/遺族たちと鹿島との和解、慰霊祭の実施について考えます。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 7 | フィールドワーク | 横網公園などでの課外授業 | manaba、授業で指示します。 | 
| 8 | 『主戦場』 | 映画を視聴してディスカッションをします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 9 | 『主戦場』 | 映画を視聴してディスカッションをします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 10 | 『主戦場』 | 映画スクリプトの検討をします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 11 | 『主戦場』 | 映画スクリプトの検討をします。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 12 | フィールドワークの代替 | 横網公園などでの課外授業 | manaba、授業で指示します。 | 
| 13 | 長生炭鉱 | 遺骨回収調査に焦点をあてます。 | manaba、授業で指示します。 | 
| 14 | 振り返り | まとめのディスカッション。 | manaba、授業で指示します。 |