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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2024/04/09 現在/As of 2024/04/09

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
政治学原論a(18以前)/PRINCIPLES OF POLITICAL SCIENCES a
開講所属
/Course Offered by
法学部国際関係法学科/LAW INTERNATIONAL LEGAL STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2024年度/2024 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
木1/Thu 1
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
網谷 壮介
遠隔授業科目
/Online Course

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
網谷 壮介 法律学科/LAW
授業の目的・内容
/Course Objectives
この授業では政治哲学と呼ばれる学問分野を学びます。政治哲学は、あえて高校の科目でいえば「倫理」に近く、国家や権力、自由、正義、民主主義といった、重要だけど立ち止まって深く考えることの少ないテーマについて、哲学的にじっくりと考えていく学問です。この授業では具体的には(一見それらと関係がなさそうに見えるかもしれませんが)以下のような問いについて考えます。

・死ぬかもしれないとしても祖国のために戦うべきか
・なぜあなたは安い時給のバイトでも一生懸命に働いてしまうのか
・満足した豚でいるよりも不満足な人間でいる方が良いか
・同性婚は合法化されるべきか、またなぜ3人で結婚してはいけないのか
・多数の幸福につながるなら少数を犠牲にしてよいか
・天性の才能に恵まれた人(例えば大谷翔平)が大金持ちになるのは公正か
・公正な社会とはどんな社会か、格差社会はどこが問題なのか
・投票率を上げるために投票を義務化すべきか
・なぜくじ引きで国会議員を選んではいけないのか

こうした問いを通じて、政治や社会の根底にある価値観を批判的に再検討し、よりよい社会のあり方を考えて言語化できるようになることが目標です。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
対面での講義形式で行います。スライドや資料は予めmanabaにアップロードしておくので、事前にダウンロードして印刷し、持参してください。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
理論的・哲学的な議論が中心なので、授業を単に聞いているだけでは理解が定着しません。授業前には教科書・資料の該当範囲を読み、議論の把握に努めてください(2時間)。授業後は配布スライドとともに教科書・資料を精読してください(2時間)。 
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
公共哲学入門:自由と複数性のある社会のために
著者
/Author name
齋藤純一・谷澤正嗣
出版社
/Publisher
NHK出版
ISBN
/ISBN
9784140912782
その他(任意)
/other
授業の一部に関係します
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
正義論:ベーシックスからフロンティアまで
著者
/Author name
宇佐美誠・児玉聡・井上彰・松元雅和
出版社/URL
/Publisher
法律文化社
ISBN
/ISBN
9784589040282
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
授業内容を理解できているか、概念や理論を正確に説明できるかを評価の基準とします。
授業内課題(50%)、筆記試験(50%)
関連科目
/Related Subjects
政治思想史/西洋政治思想史(春秋・金3、3年次以降)では政治哲学の歴史を扱い、プラトンやアリストテレス、マキャベリ、ホッブズ、ルソー、カント、マルクスといった過去の哲学者について学びます。本授業と関連性が強く、合わせて履修することを勧めます。
備考
/Notes
到達目標
/Learning Goal
政治に関する基本的な事柄を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 政治哲学・理論とは何か 政治学の下位分野としての政治哲学・理論の位置づけを理解する。
2 国家・権力 国家と権力に関するいくつかの理論を区別し、自分で説明できるようになる。
3 自由の政治哲学的考察 自由の2つの捉え方を理解し、パターナリズムや卓越主義など関連する議論を把握する。
4 リベラリズムと政府の中立性 政治的リベラリズムの論点を理解し、実際の政策に応用して考えられるようになる。
5 功利主義 正しい社会を考える一つの原理として功利主義を理解し、功利主義内の理論の分岐が説明できるようになる。
6 公正としての正義 ロールズが正義の二原理をどのように導出したのか、その功利主義批判を踏まえて理解する。
7 ロールズへの批判 リバタリアニズムやセン、運の平等論等からのロールズ批判を検討する。
8 平等論 何の平等がなぜ重要なのか、平等論の論点を整理できるようになる。
9 フェミニズム 政治哲学上の諸問題についてフェミニズムがどのような見方の転換を促したのかを理解する。
10 民主主義の様々な理解 利益集団民主主義や参加民主主義など、民主主義の諸理論の見方が説明できるようになる。
11 熟議民主主義 熟議民主主義論が何を問題にし、なぜ熟議が民主主義に必要だとされているのかを理解する。
12 熟議民主主義の実践 映像教材を用いて熟議民主主義の可能性を検討する。
13 熟議民主主義の発展と批判 熟議民主主義論にどのような批判が寄せられているのか、その批判にどう応答できるのかを説明できるようになる。
14 民主主義の価値 民主主義は権威主義に対してどのような点で正当化しうるのか、対立する様々な見解を整理できるようになる。

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