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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
ことばと思想2(日本文学作品研究a)/LANGUAGE AND THOUGHT2(STUDY OF JAPANESE LITERARY WORKS (A))
開講所属
/Course Offered by
大学全カリ総合科目/
ターム・学期
/Term・Semester
2023年度/2023 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
水2/Wed 2
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
平田 彩奈惠

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
平田 彩奈惠 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
『源氏物語』に登場する「笑われ」る人物たち

『源氏物語』にはさまざまな個性的な登場人物が描かれる。その中でも人から「笑われ」る登場人物を取り上げ、その特徴を考える。一方で、それらの人物を取り上げた現代作品では、単に変わり者として描くのではなく、魅力が付与されている場合もある。そういった変容の背景や新しい読みの可能性についても考えてゆく。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
※本講義は原則として対面での実施を予定しているが、状況によっては授業を録画した映像を配信する、オンラインで実施する回を設ける場合がある。詳細は都度、manabaの「お知らせ」にて連絡する。

1、毎回の講義後に、responを利用してリアクションペーパーの回収を行い、翌週の授業前半でフィードバックを行う。
受講者はあらかじめresponのアプリケーションをインストールし、設定を済ませておくこと。
(設定方法はPorTaⅡのダウンロードセンターに詳細が示されているので、各自確認すること)

2、古典の読解能力について
受講にあたり、品詞分解や単語などの詳細な文法知識を問うことはないが、古典作品を主体的に読み解こうとする姿勢が求められる。なお、Japan Knowledge Libで現代語訳つきの『源氏物語』注釈書が閲覧可能なので、適宜利用してよい。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
事前学習としては、取り上げる登場人物について調べ、物語内容を理解し疑問点を整理しておくこと。授業後は、関連する論文等、授業内で紹介した資料も使いながら理解を深めること。

また、教科書は全文を掲載していないので、必要に応じ『源氏物語』の他の箇所を読むよう、資料を掲載するので読んでくること。
現代作品を扱う際はあらかじめ資料を提示するので読んで授業に臨むこと。

『源氏物語』は長大な物語で、授業内で扱うのはその一部である。
「履修上の注意」で述べたように古文の高度な読解能力は必要としないが、授業後には現代語でかまわないので人物関係や授業に関連する部分の物語内容について自身で知識を深め、授業時にわからなかった点を明らかにすること。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
源氏物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
著者
/Author name
紫式部
出版社
/Publisher
角川書店
ISBN
/ISBN
9784043574056
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
常用源氏物語要覧
著者
/Author name
中野幸一編
出版社/URL
/Publisher
武蔵野書院
ISBN
/ISBN
4838604394
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
リアクションペーパー の内容(提出の有無ではなく内容を評価の基準とする)70%
授業内で実施する調査報告(グループワーク)30%

上記を基にAA、A、B、Cの4段階で評価する。
関連科目
/Related Subjects
日本特殊研究(日本文学作品研究b)、日本文学論・中世Ⅰなどは関連する内容を扱うので併せて履修するとより多角的に平安時代の物語文学を理解できる。
備考
/Notes
テキスト掲載箇所以外にも扱う場面が多い。授業時は資料にて本文を提示するが、『源氏物語』の読破に挑戦したい場合は、全文が掲載されている注釈書等を教科書代わりに購入してもかまわない。(何を選ぶと良いかは初回授業時に説明する)
到達目標
/Learning Goal
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民としてふさわしい実践的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 ガイダンス 『源氏物語』の基礎知識、日本文学の調べ物をする際のツール等について理解する。
2 いろごのみの女性・源典侍(1)『源氏物語』本文 源典侍の登場する場面を通読し、どのような女性として描かれており、『源氏物語』研究でどのように位置づけられてきたか理解する。
3 いろごのみの女性・源典侍(2)「いろごのみ」をめぐって 源典侍が「笑われる」理由である「いろごのみ」について、その語をめぐる研究史、男性における「いろごのみ」描写について理解する。
4 いろごのみの女性・源典侍(3)現代作品 大和和紀『あさきゆめみし』、田辺聖子『私本・源氏物語』、白川紺子『下鴨アンティーク』における源典侍の扱われ方を通し、源典侍の人物像について考える。
5 古体なる姫君・末摘花(1)『源氏物語』本文 末摘花をめぐる『源氏物語』の記述について、蓬生以外の巻を読み、彼女の「笑われる」要素を理解する。
6 古体なる姫君・末摘花(2)『源氏物語』蓬生巻 蓬生巻における末摘花の描写を読み、前週の描写と比較する。
7 古体なる姫君・末摘花(3)末摘花の和歌と和歌引用 5・6回で読んだ部分のうち、末摘花の詠んだ和歌および和歌を引用した会話・手紙とそれに対する光源氏の返答を受講者により分析し、特徴を考える。
8 古体なる姫君・末摘花(4)現代作品 『源氏物語 九つの変奏』における町田康の末摘花像、榊原政常『しんしゃく源氏物語』などを参照しながら、末摘花がどのように描かれているか考える。
9 さがなもの・近江の君(1)『源氏物語』本文 近江の君が登場する場面を通読し、どのように「異様」なのかを考える。
10 さがなもの・近江の君(2)玉鬘・明石の君との対比 近江の君と対比的に描かれる玉鬘の描写、「幸ひ人」と近江の君が評する明石一族についての記述を読み、近江の君の野心について考える。
11 さがなもの・近江の君(3)現代語訳 話し方に難のある近江の君が、『源氏物語』現代語訳においてどのような言葉遣いをあてられているのか比較し、考える。
12 「笑われる」ことを危惧する姫君・紫の上、六条御息所 人からどのように見られるのかを気にして悩む女性たちの描写を読み、これまで扱ってきた人物との違いを考える。
13 『源氏物語』における「笑われ」 受講者から、『源氏物語』における「笑われ」る人物、「笑われ」ることを危惧する人物について、調べたことを報告する。
14 まとめ 『源氏物語』における「笑われ」る要素と、現代作品での扱われ方について考える。

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