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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
日本史研究Ⅱ/SPECIAL ISSUES ON JAPANESE HISTORY Ⅱ
開講所属
/Course Offered by
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2023年度/2023 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
水3/Wed 3
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
丸浜 昭

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
丸浜 昭 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
テーマ:「現代(戦後)史の中の戦争・平和の課題」を学ぶ
アジア太平洋戦争(日中戦争含めて)の後、すでに70年を超えました。はたして今をその「戦後」と言っていていいのでしょうか。ロシアのウクライナ侵攻があり、アジアでは中国や朝鮮半島の状況から、今、日本の大軍拡の動きなど、日本と世界は大きな転機にあると感じます。「戦後」ではなく新たな「戦前」だと言える状況かもしれません。こうした今の日本を考えることにつながる「現代(戦後)史」の学びをしたいと思っています。
学びたい多くテーマがある現代(戦後)史ですが、限られた時間の中で、基本的に「戦争と平和」を中心課題に次のように絞ります。一つ目は、「戦争の時代」の日本社会がどう変わったか(あるいは変わらずに残された問題はないか)、ということです。二つ目は、中国や植民地だった朝鮮など日本が戦争で大きな被害を与えたアジアの国々と、どういう関係をつくってきたかということです。もう終わった過去のことと簡単に言えない問題があります。それは、サンフランシスコ講和や中国、韓国との戦争の処理に、アメリカが強く関わっていたことにも関係します。そして三つ目はそのアメリカと戦後日本の関わりの問題です。今の日本を考える上でも知っておきたいことがたくさんあります。そして三つの問題に関わって憲法と沖縄にふれることになります。
中高の時から歴史学習などで覚えることは苦手で、知識がないという方がいることと思います。そこでごく基本的なことを確認するために、一風変わった中学教科書(下記)を共通テキストにしようかと考えています。覚えるためではなく「考える」学びをめざします。問いかけを重視しますが、コロナ禍ではだいぶ無理を強いる記述を求めてしまったと反省しました。授業内容の概観は「授業計画詳細情報」蘭を見て下さい。その1番右の「事前・事後学修の内容」欄には、その授業の前後を通して考察したいことを記しました。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
基本的に、レジュメと資料をプリントで配布して進めます。関心があれば見直してもらえるようにと、こうしています。また、。映像などはみなさんの学びに影響が大きいことを自覚させられています。視聴覚教材を使う努力をします。参考文献などは授業の中で提示します。
共通テキストとして、中学歴史教科書『ともに学ぶ 人間の歴史』(学び舎)を検討中です。中学で使ったという方はめったにいないと思いますが、一風変わった公認の検定済み教科書です。テキストに沿って進めるというのではなく、ごく基本的な知識を共有して学べるようにしたいと考えてのことです。最初の授業時に相談します。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
毎時間、授業についての意見・感想を提出してもらい、出欠の確認ともします。ウェブ(おそらくmanaba)を使用の予定です。若干の問いかけを含むこともあるかもしれませんが、上記の反省の上に提起します。次の時間に何らかの形で戻すようにします。これは私が授業を考えていく上でけっこう大きな意味をもちますが、基本的に、提出された物を差がつく形での評価の対象にはしていません(提出されている・いないでは差がつきます)。自由に書いて欲しいからです。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
特に指定しない。
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
中学歴史教科書『ともに学ぶ 人間の歴史』(学び舎)を検討中
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
授業内で適宜紹介します。
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
学期末テスト80%程度、授業時参加20%程度
学期末テストは事前出題の論述とします。形態はコロナ禍前は試験会場での手書きにしていましたが、レポート提出にする予定です。
関連科目
/Related Subjects
備考
/Notes
基本的には対面での授業です。授業後の意見・感想の提出にweb(おそらく「manaba」)を使用予定です。
事情があって、昨年度は担当しなかったこの授業を今年度1年限りで持つことになりました。今年度で本学での担当は終わりになります。
到達目標
/Learning Goal
日本の原始から近現代に至る各時代の文化、社会、およびその背景や変遷等について掘り下げて分析し、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 授業のガイダンスと問題提起―「戦争の時代」が「戦後史」に残した課題を考える 「国体―天皇制」を描いたアメリカの映像を視聴する。占領・民主化による大きな変化をみる。 ポツダム宣言による民主化だけでなく、アメリカの国益重視の政策という面も考察していきたい。
2 日本国憲法の制定―主権在民・平和主義、そして象徴天皇について考えてみる 主権在民の平和憲法誕生の背景を重視する。また象徴天皇制はどういう事情つくられたかをみる。 象徴天皇制の成立が、国民の戦争認識とどう関わるか考察したい。
3 敗戦・社会の変化と民衆―多くの人びとの状況は?民主化などとどう関わっていくか 人びとは敗戦をどう受け止め、生活はどのようだったか。主権在民の主人公の課題を考える。 自由民権運動家中江兆民の「恩賜的民権」と「回復的民権」という思想を考察してみたい。
4 東京裁判・戦争責任問題と冷戦の始まりー「戦後日本」とアメリカの関わりに目を向ける 東京裁判はアメリカ主導だった。冷戦の影響も含め、どういう課題を残したかに目を向ける。 できれば、「731部隊」と東京裁判の関わりを調べてみて欲しい。
5 冷戦の深まり・サンフランシスコ講和・朝鮮戦争―アメリカの対日政策変化がどう進められたか 対日政策は経済復興重視となり講和に大きく影響した。朝鮮戦争と日本の重大な関わりを見る。 サ講和の沖縄、アジアへの賠償などの条文を、難解だが次回以降も含めて読み解いていきたい。
6 役務賠償と日本の経済成長―アジアへの賠償はどう進められ日本にどういう影響をあたえたか サ講和条文でその後に影響をもつ賠償の在り方を読み取る。どういう問題を持つか考察する。 できれば、東南アジアのどこかの国との賠償について具体的に調べてみて欲しい。
7 日韓基本条約の締結―「これですべて解決済み」といえるかを考える 関連映像を見る。締結まで約15年。争点が、どういう事情でどう「解決」したか知って考えたい。 国際法で基本的に解決という根拠も知って検討してみよう。
8 日華条約と日中共同宣言―中国との国交正常化はどういう問題をもち、どう「解決」されたか。 日華条約と中国の国連加盟の問題をみる。その上で米中接近を背景とする日中国交回復を学ぶ。 賠償放棄と日本の多額ODAなどの複雑さを、日中戦争の事実を知り考える重要性を意識したい。
9 旧安保・60年新安保と沖縄―日米安保条約はどう結ばれ継続されてきたか 朝鮮戦争、ベトナム戦争と新旧安保の極東条項を考える。沖縄の歩みに触れる。映像を使う。 サ条約3条を振り返り、沖縄にとって日本国憲法が持つ意味を考えてみたい。
10 沖縄本土復帰と70年安保・冷戦終結とアメリカの中東戦争―日米同盟はどう変化していくか 沖縄復帰運動の中で安保は自動延長、アメリカの中東戦争を通し同盟強化、海外派兵が始まる。 1970年代から1990年代の日米同盟がどう変化していくかの事実を確認したい。
11 「世界の中の日米同盟」と安保法制の成立―日本国憲法の解釈の変遷と合わせて考える 映像を含めてイラク戦争検証の世界と国内の動きに触れる。憲法をめぐる問題を考えてみたい。 大きな変化が現在の日本にどうつながるかに目を向けたい。
12 安倍・菅・岸田政権による軍拡ーどう進んできたか、背景にあることは? 進められてきた軍拡構想、理由とされることを、新聞記事を中心に考察したい。 為政者まかせになりがちな軍事・外交問題と主権在民の社会の課題を考える。
13 沖縄の21世紀ビジョンから考える
秋学期末のまとめのレポート論述課題提起
21世紀ビジョンは膨大な物だが、映像視聴を含めて、そのうちの3点に注目して考えてみる。 沖縄が、今、重要軍事基地とされることを受け止めて、じっくりと考えてみて欲しい。
14 戦争防止―軍事力による抑止と外交課題を考える秋学期末のまとめのレポート論述課題補足 何人かの研究者の考えをなどをもとに考える。日本国憲法9条についても考えてみよう。

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