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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
英語圏の文学・文化・批評Ⅱ/LITERATURE, CULTURE AND CRITICS IN ENGLISH SPEAKING REGIONS Ⅱ
開講所属
/Course Offered by
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2023年度/2023 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
金1/Fri 1
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
正岡 和恵

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
正岡 和恵 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
(学部ポリシーとの関係)
本授業は、学位授与方針にのっとり、以下の2点を目標とします。1)シェイクスピアおよびイギリス・ルネサンス期の社会と文化についての知識を習得する。2)文学作品に含まれる異質な価値観や世界観に触れることによって、自らの社会や文化について批判的に考え発信する力を身につける。
(授業の内容と目的)
 ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を読みます。この有名な純愛悲劇は、誰にとってもどこかしら馴染み深い作品であると思いますが、読んでみると「え、こうなんだ」と驚くような、知っているようで知らない作品でもあると思います。そもそも「純愛」とは何なのでしょう?それはどのような特質をもっているのでしょう?シェイクスピアは自らが受け継いだ伝統的な恋愛表現から離れ、現代のわれわれにとってきわめて自然に感じられる新しい愛の形を描きました。純愛文学の起点ともいえるこの作品を読むことによって、「純愛」が創出された歴史的瞬間に立ち会い、改めて「愛とは何か」について考えてみましょう。
 授業では、それぞれの場面に応じて、主題、性格造型、重要な台詞、言語的特徴などについて取り上げ、作品世界に対する理解を深めます。この劇を通じて、シェイクスピアの世界に親しみましょう。そして、現代に生きる私たちが、自らの世界に対してどのような洞察を得ることができるかを考えてみましょう。



授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 授業は基本的に対面の講義形式で進めます。毎回レジュメを配布し、それにもとづいて講義をします。また、DVDなど映像資料を鑑賞することによって、多様な解釈に触れ作品に親しみます。履修人数があまり多くなければ、意見や感想を述べたり、ペア・ワークをしたり、台詞を暗唱したり、さまざまな活動を通じて受講生の方々にも授業に積極的に参加していただきます。
 中間・期末レポートに備えてノートはしっかりとりましょう!なお、質問に対する回答、レポートの解説・コメント等は、適宜manabaにアップします。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1. 受講者は、学期のできるだけ早い段階で『ロミオとジュリエット』を翻訳で読み、全体像を把握しておいてください。そのときに、気づいたこと、面白いと思ったこと、疑問に思ったことを書きとめておき、学期が終了したときに、振り返ってみましょう。
2.テキストは、頁の右側が作品原文、左側が解説部分になっています。事前学修として、その週の授業で扱う幕・場について、台詞を翻訳で読んでおくとともに、テキストの解説部分にあらかじめ目を通しておきましょう(2時間程度)。
3.授業後は、レジュメを見直すとともに、自分で取ったノートを読み返してください。興味をそそる事項があれば、図書館やネットでさらに探求し、知識を深めましょう(2時間程度)。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
Romeo and Juliet
著者
/Author name
Shakespeare, William. Edited by Rob Smith.
出版社
/Publisher
Cambridge UP , 2014
ISBN
/ISBN
978-1-107-61540-3
その他(任意)
/other
Cambridge School Shakespeare
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
ロウミアスとジューリエット
著者
/Author name
アーサー・ブルック(北川悌二訳)
出版社/URL
/Publisher
北星堂、1979年
ISBN
/ISBN
1097-35070-7732
その他(任意)
/other
『ロミオとジュリエット』の主要な材源とされている物語詩。比較してみましょう。シェイクスピアの作品がよりよく理解できるはずです。
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
『ロミオとジュリエット』
著者
/Author name
ウィリアム・シェイクスピア(岩崎宗治編注)
出版社/URL
/Publisher
大修館書店、1977年
ISBN
/ISBN
4-469-14260-3
その他(任意)
/other
ページの左側が原文、右側が注釈になっており、初学者にはよいテキストである。解説と参考文献も充実している。
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
シェイクスピア大事典
著者
/Author name
荒井良雄他編
出版社/URL
/Publisher
日本図書センター
ISBN
/ISBN
4-8205-6822-1
その他(任意)
/other
作家や作品のみならず、シェイクスピアの世界すべてを過不足なく網羅した事典。
評価方法
/Evaluation
(1) 中間レポート40%  (2) 学期末レポート40% (3) 授業への参加度(授業中の発言などから総合的に評価します)20%
中間レポートと学期末レポートの論題については、後日指示します。
関連科目
/Related Subjects
備考
/Notes
図書館には、シェイクスピアに関する数えきれないほどの本があります。この授業をきっかけに、一冊でもよいので目を通してみてください。また、『ロミオとジュリエット』を含めシェイクスピアの作品は、DVDやYouTubeでも映画や舞台を観ることができます。グローバル時代の教養の一環として、この機会にぜひシェイクスピアに親しみましょう。
到達目標
/Learning Goal
文学研究のアプローチを使って、英語圏の文学・文化を鑑賞・分析し、批評できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 作品の紹介1 登場人物、あらすじ、創作年代など、作品の概要を紹介。 『ロミオとジュリエット』を、一部でもよいので、翻訳で読むか、YouTubeなどで鑑賞しておいてください。
2 作品の紹介2 材源と「悲恋の恋人たち」を巡る物語の系譜について解説。 授業後は、材源との相違点がシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』にいかなる効果や印象の違いをもたらしているか考えてみよう。
3 作品の紹介3 『ロミオとジュリエット』の主要な主題やトピックについて解説。 この週までには、作品を読了し、全体像を把握しておいてください。
4 プロローグを読む プロローグの言語を分析することによって、愛と死、愛と戦いの対比がこの劇の悲劇的ヴィジョンの根幹にあることを学ぶ。
プロローグを読んで、内容を理解しておいてください。気になった言葉やフレーズを書き留めておきましょう。
5 1幕1場を読む 前半部の乱闘の場面と後半部のロミオの恋について分析する。 テキストの1幕1場を読んでおくこと。また、ロミオの愛がどのような性質のものなのかを考えておいてください。
6 1幕2場と3場を読む ジュリエットの人物像と家族関係について考える。 テキストの1幕2場と3場を読んでおくこと。ジュリエットの性格造型について考えてみよう。
7 1幕5場の出会いの場面を読む 恋人たちの初めてのやり取りなど、いくつかの重要な台詞を取り上げ、分析する。 授業後は、仮面舞踏会の場面をYouTubeなどで観て、詩情あふれる台詞を鑑賞しよう。
8 2幕1場と2場のバルコニー・シーンを読む この場面で提示されている純愛が、いかなる特徴を備えているか、またそれが伝統的な恋愛表現とどう異なっているかを考える。 有名な場面ですが、皆さんがおそらく知っているよりもさまざまなことが語られ、恋人たちのそれぞれの人物像が浮き彫りになっているので、熟読しておきましょう。
9 3幕を読む 恋人たちの別れの場面について分析する。 この場面もきわめて有名なので、映像であらかじめ鑑賞しておき、授業後に自分の印象がどのように変わったか(あるいは強化さか)について考えてみよう。
10 4幕を読む ジュリエットの人物像の変化について考察する。 ジュリエットは劇が展開するなかで、成熟していきます。どのように変化していくのか、その変化を示す台詞はどれなのか、あらかじめ考えておきましょう。
11 5幕を読む 霊廟と最後の和解の場面について、材源と比較しつつ解説し分析する。 材源とは異なり、二人の死が悲劇的ながらかくも美しいものと感じられるのはなぜなのか、授業後にじっくりと考えてみよう。
12 解釈の多面性について学ぶ(批評論文) 代表的な批評論文を読むことによって、批評理論のいくつかの型について学び、実践へとつなげる。 あらかじめ配布された批評論文を読み、自らの解釈と照らし合わせておくこと。
13 解釈の多面性について学ぶ(映像資料) 劇の主要場面がいかに提示されているかを、複数の映像資料を観て比較検討する。 授業後は、他の映像資料を探して鑑賞し、どのような演出意図が働いているかを考えましょう。
14 まとめ(全体を振り返って) テキスト末尾に付されている資料を抜粋して読み、劇全体を振り返る。 テキストの指定された箇所を読んでおくこと。劇の論点や主題を整理しておくこと。

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