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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
西洋政治思想史(19以降)/HISTORY OF WESTERN POLITICAL THOUGHT
開講所属
/Course Offered by
法学部国際関係法学科/LAW INTERNATIONAL LEGAL STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2023年度/2023 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
金3/Fri 3
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
3,4
主担当教員
/Main Instructor
網谷 壮介

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
網谷 壮介 法律学科/LAW
授業の目的・内容
/Course Objectives
 政治思想史とは、過去の人々が政治をどのように考えてきたのかを研究する学問である。ただしここで「政治」は、通常よりも広い意味で捉えられ、「複数の人々がともに生きる」ということに関わる営みすべてを指す。そのため、国家や政府だけでなく、人間や社会、経済についても広く見ていくことになるだろう。西欧の過去の思想をひもとき、私たちが今「当たり前」だと思っている政治や社会のあり方を批判的に問いなおす視座の獲得が目指される。
 秋学期のテーマは「公と私」である(春学期を未受講でも理解可能な内容である)。公的なもの(the public)と私的なもの(the private)の理解は、歴史的に変遷してきた。この授業では、次のような問いを導きにして古代ギリシアから現代へと思想史をたどり、公と私の関係を歴史的に捉えたい。
 公園や道路、広場などの公共空間はどんな空間か。国家が公的なものであるとはどのような意味か。マスメディアは社会的・政治的にどのような意味を持つか。デモやパレードなど公的領域で行われる政治的活動にはどんな意味があるか。新自由主義は公的なものをどのように変化させたのか。TwitterやInstagramなどのSNSが生み出す公的領域はどのような場所か。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
基本的に対面で講義を行う(ライブ配信等は行わない。初回授業も同様)。授業中には資料を読み、学生同士で議論する時間を設ける。manabaを通じて授業資料を配布するので、事前にダウンロードして印刷し、授業に持参する必要がある。課題のフィードバックはmanabaを通して行う。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
授業前に資料を一読しておくこと(1時間)。また授業後、授業中に用いた資料をもう一度精読し、キーワードや重要な概念についてノートにまとめ(2時間)、課題に取り組むこと(1時間)。

11/10はカントの文献について予習が必要になる。予習を前提に授業中に学生同士で議論する。12/22、1/12は映画を通じて公共性について考え、授業中に学生同士で議論する。カント回、映画回は課題のウェイトが大きいので、必ず出席すること。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
特に教科書は指定しない。
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
公共性
著者
/Author name
齋藤純一
出版社/URL
/Publisher
岩波書店
ISBN
/ISBN
9784000264297
その他(任意)
/other
教科書として指定しないが、公共性とは何かを簡明に記した基本書籍なので、一読することを推奨する。
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
西洋政治思想史
著者
/Author name
宇野重規
出版社/URL
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
978-4-641-22001-0
その他(任意)
/other
教科書として指定しないが、西洋政治思想史の基本文献なので、参考図書として授業後に読むと知識が整理されるはずである。
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
公共性の構造転換(第2版)
著者
/Author name
ユルゲン・ハーバーマス
出版社/URL
/Publisher
未来社
ISBN
/ISBN
978-4624011239
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
授業内容を理解できているか(扱った思想家のテクストを正確に解釈できるか)、また、歴史的な議論を理解できているかを評価基準とする。
7回程度の課題で評価する。
関連科目
/Related Subjects
備考
/Notes
到達目標
/Learning Goal
西洋の政治思想の内的構造とその歴史的展開、各思想家の個性を想像力をもって正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 イントロダクション 学生同士でマインドマップを作成して、公共性とは何かイメージを掴む。
2 古代ギリシアの民主制と哲学者の批判 古代ギリシアの民主制のあり方とそれに対するプラトンの批判点を理解する。
3 古代の共和主義 アリストテレス、ポリュビオス、キケロにおいてres publicaとは何を意味したのかを説明できるようになる。
4 哲学者と観想的生 古典古代の思想家たちが、市民的生と観想的生をいかに区別していたのか、特にディオゲネス、ストア派、初期キリスト教思想を概観する。
5 絶対主義と公共性 初期近代の絶対主義形成期における代表的公共性のあり方を理解する。
6 カントと理性の公的使用 事前に「啓蒙とはなにか(前半)」を読み、授業内で学生間で議論し、カントの公共性概念について理解を深める。 事前にカントの「啓蒙とはなにか」を読んで授業に望む必要がある。テクストは配布する。
7 啓蒙と公共性 事前に「啓蒙とはなにか(後半)」を読み、授業内で学生間で議論し、カントにおいて啓蒙と公共性がどのように関連しているのか説明できるようになる。 事前にカントの「啓蒙とはなにか」を読んで授業に望む必要がある。テクストは配布する。
8 市民的公共性の誕生 ハーバーマス『公共性の構造展開』をもとに、市民的公共性の生成過程を理解し、自分の言葉で説明できるようになる。
9 公共性の構造転換 ミル、トクヴィル、マルクスの市民的公共性批判を説明できるようになる。
10 ファシスト的公共性 全体主義時代の公共性について、映像やポスターを通じて理解する。
11 アーレント 公共性の哲学者としてアーレントを取り上げ、彼女の議論を自分の言葉で説明できるようになる。
12 現代の公共性の問題(1)排除と包摂 公共圏からの排除(女性、黒人、少数民族、LGBT)の問題を映画『パレードへようこそ』を通じて理解する。
13 現代の公共性の問題(2)政治参加 アーレントの公共性論を踏まえて、『パレードへようこそ』に見られる公共性を解釈できるようになる。
14 現代の公共性の問題(3)新自由主義 現代の公共性の課題として、新自由主義的統治を理解し、自分の言葉でその問題点を論じられるようになる。

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