基本情報/Basic Information

開講科目名 ／Course	環境法a(経済学部用)／ENVIRONMENTAL LAW(A)
開講所属 ／Course Offered by	経済学部国際環境経済学科／ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY
ターム・学期 ／Term・Semester	2023年度／2023 Academic Year　　春学期／SPRING SEMESTER
曜限 ／Day, Period	金3／Fri 3
開講区分 ／semester offered	春学期／Spring
単位数 ／Credits	2.0
学年 ／Year	3,4
主担当教員 ／Main Instructor	湯川　益英

担当教員情報/Instructor Information

教員名 ／Instructor	教員所属名 ／Affiliation
湯川　益英	経済学科／ECONOMICS

授業の目的・内容 ／Course Objectives	近時、憲法改正の議論の一環として「環境権」の明文化が試論され、注目されているが、環境法は環境権を具現化するためのルールである。 　私見によれば、環境法は、自然環境の保護・環境紛争の防止という観点からのルール（公法的・法政策的側面）と、環境紛争の解決・被害者の救済・損害賠償という観点からのルール（私法的・不法行為法的側面）とに類別される。 　授業においては、具体的な紛争をとりあげて、この2つの側面から、学科CPに則して、専門科目群のひとつとして、環境経済問題全般の中で環境法を位置づけ、その意義と課題について学んで行きたい。 　環境法aでは、法理論の側面からの総論的アプローチを重視し、秋学期の環境法bでは、法実践の側面からの各論的アプローチに重点を置くことにする。 　なお、本講義は、環境法の理論と実践をまなぶとともに、その学修を通して、本学部・国際環境経済学科の学位授与方針（DP）に定められた能力と歴史観・自然観・倫理観を身につけ、もって、地域社会・国際社会に貢献できる人材の育成を目標とする。
授業の形式・方法と履修上の注意 ／Teaching method and Attention the course	身近で具体的なケースをきっかけにして、「環境法とは何か」・「リーガルマインドとは何か」について、受講者諸君とともに考えてみたい。 　対面授業と併せて、PorTaⅡやmanaba等を用いて、授業内容の提供とコミュニケーションペーパーの提出、提出された意見に対する私からのコメントというやり取りを、受講者諸君と行い、それを通して、法・法律についての理解を深める。なお、必要に応じて、ワンポイント講義を動画配信する予定である。 　また、具体的な法的問題の解決について、受講者間での議論・討論の場を設け、法実践の能力を養う。 　ただし、コロナの感染状況によっては、対面授業は行わず、Zoomによる遠隔授業を中心にした形式に切り替えることがある。 　質問や相談についても、manaba等によって個別に対応する。 　受講者数にもよるが、ケースメソッドによって、受講者の皆さんとやりとりをしながら、身近な環境紛争を入り口にして、環境法的なセンスの養成に努めたい。
事前・事後学修の内容 ／Before After Study	PorTaⅡを介して、事前に問題提起を行うので、それについて、参考文献やマテリアルスを利用しつつ授業前に考察し、授業を踏まえて知識の定着を図る。 授業理解の前提としては、それぞれ60分程度の事前・事後の学修が要求される。
テキスト1 ／Textbooks1	書籍名 ／Title テキストは用いず、オリジナルのレジュメとマテリアルスを逐次配布する。 著者 ／Author name 出版社 ／Publisher ISBN ／ISBN その他（任意） ／other
テキスト2 ／Textbooks2	書籍名 ／Title 著者 ／Author name 出版社 ／Publisher ISBN ／ISBN その他（任意） ／other
テキスト3 ／Textbooks3	書籍名 ／Title 著者 ／Author name 出版社 ／Publisher ISBN ／ISBN その他（任意） ／other
参考文献等1 ／References1	書籍名/ｻｲﾄ名 ／Title 環境法 著者 ／Author name 大塚　直 出版社/URL ／Publisher 有斐閣 ISBN ／ISBN ４‐６４１‐１３４３５‐９ その他（任意） ／other 最新版
参考文献等2 ／References2	書籍名/ｻｲﾄ名 ／Title 環境法判例百選 著者 ／Author name 淡路剛久・大塚直・北村喜宣　編 出版社/URL ／Publisher 有斐閣 ISBN ／ISBN 978‐4‐641‐11540‐8 その他（任意） ／other 最新版
参考文献等3 ／References3	書籍名/ｻｲﾄ名 ／Title 六法 著者 ／Author name 任意 出版社/URL ／Publisher 任意 ISBN ／ISBN その他（任意） ／other 最新版
評価方法 ／Evaluation	学期中に3回の小レポートの提出を求め、第1回と第2回を25ポイント、第3回を50ポイントとして、 100ポイントを満点とする。 授業内容を理解し、それに則した法的問題の解決が論理的な文章をもって明解に論述されているかを重視して評価する。 なお、発言・質問等、授業への積極な参加姿勢を加点対象とする。加点の幅についてはガイダンスで説明するが 10ポイントを限度に考えている。
関連科目 ／Related Subjects	春学期「法学a」・「民法a」・「国際環境法a」 秋学期「環境法ｂ」・「民法b」・「国際環境法ｂ」
備考 ／Notes
到達目標 ／Learning Goal	環境法の意義や機能、環境法に関する事例、重要な判例・学説を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。

回 ／Time	授業計画（主題の設定） ／Class schedule	授業の内容 ／Contents of class	事前・事後学修の内容 ／Before After Study
1	ガイダンス	春学期の授業内容を鳥瞰し、授業の方法・成績評価の基準と方法等について説明する。
2	環境法の体系と環境権	公害と環境法の歴史について概観し、現代の環境法の体系と環境権の概念について学ぶ。
3	環境・公害事件の私法的解決と行政的解決	環境・公害問題への解決のアプローチの様々なあり方について学ぶ。
4	共同不法行為の法理	環境私法の特徴について、要件事実・事実認定の観点から学ぶ。
5	大気汚染	固定発生源による大気汚染と移動発生源による大気汚染について学ぶ
6	水質汚濁	水質管理の基本法と個別問題に対する特別法について理解する
7	騒音	騒音をはじめ、振動・悪臭等についての法的対処を理解する
8	土壌汚染	土壌汚染の特色について学び、水質汚濁や大気汚染への法的対処との関連を理解する
9	廃棄物・リサイクル	いわゆる循環管理法（リサイクル関連法など）の意義と課題について学ぶ
10	日照・痛風妨害、眺望・景観妨害、その他の環境瑕疵	主観的な環境瑕疵への法的対処のあり方等についても学ぶ
11	自然保護・文化財の保護	いわゆる自然・文化環境保全法の多様性と意義について理解する
12	原子力問題	原子力損害の賠償をめぐって、過失責任・厳格責任・無過失責任などの法概念について学ぶ
13	環境法と経済学	環境・公害問題について、「法と経済学」の観点からのアプローチを試みる。
14	授業の総括	これまでの授業を総括し、環境法の機能と問題点について考える。