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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
環境ビジネス論a/ENVIRONMENTAL BUSINESS(A)
開講所属
/Course Offered by
経済学部国際環境経済学科/ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY
ターム・学期
/Term・Semester
2023年度/2023 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
月5/Mon 5
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
本郷 尚

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
本郷 尚 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY
授業の目的・内容
/Course Objectives
本授業は、経済学部国際環境経済学科の学位授与方針(DP)及び教育課程の編成・実施方針(CP)が示す「豊かな歴史観、自然観および倫理観を中核とする幅広い教養教育に基礎付けられた経済学の専門知識を習得」したうえで、「環境に対する責任と正しい認識に基づき、持続可能な社会の実現を目指して、地域社会や国際社会に貢献できる実践的な人材を育成する」ことを目的とします。
 環境問題の関心は高まってきており、特に気候変動問題への対応は毎日のようにメデイアで取り上げられています。環境問題の範囲は広く、また年々範囲が広がってきているように見えます。問題の所在をどうとらえるか、望ましい姿はどんなものか、またそのための対策については多様な意見があります。「正解がある」という考え方もあるし、また周辺環境の差異や何を重視するかの考え方の違いによって適切な対策は変わるので「正解はない」という考えもあります。
 本授業の目的は環境問題についての知識や情報を学ぶことや「主張」することではなく、環境問題を「考える」ことです。毎回様々な角度から環境問題について概要やポイントを紹介します。授業を受けられる方は、その中から、自分なりに課題を設定、①問題の所在の確認、②問題の背景、③考えられる対策(複数)とそれぞれの強み、弱み、④周辺環境に前提をおいての合理的な対策、を考え、整理することで、多様な考え方、対策があることを学んで頂きたいと思います。このアプローチは企業や官庁でも用いられているものであり、副次的効果としてこのアプローチを期待しています。また、整理にあたっては、経済理論を活用して中立的、客観的に書くよう努めてください。需給バランスによる価格決定、資本と生産、外部不経済、貿易のメリットなどこれまでに学んだ経済学の応用の場です。
 本授業は環境問題に「正解はない」との前提で進めます。重視するのは、出来るだけ原典、もしくは原典に近い情報にあたり、それを上記のステップに従って論理的に整理することです。
 なお、講義内容は企業の環境部門や環境の情報を必要としているビジネスの現場でも直ぐに役立つレベルです。



授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 授業は対面授業を基本とします。なお、講師の出張、新型コロナウイルス感染症の状況、などにより対面授業ができない場合あります。その場合には、担当教員の講義を録音したPower Point(PPT)などを「オンディマンド」で受講し、関連する文献・資料やメデイア報道を図書館(非在来型サービス)やインターネットで調べて、整理する形式も併用する予定です。対面授業かオンデマンド型か、など事前はmanabaで連絡します。講義はPPTの内容に基づきますが、対面授業は質問など出席者との対話も取り入れていますので、出来るだけ出席するようにしてください。
 授業は様々な環境問題の入り口の紹介です。これを参考に、毎回の授業の中から、自分なりに課題を設定、①問題の所在の確認、②問題の背景、③考えられる対策(複数)とそれぞれの強み・弱み、④周辺環境に前提をおいての合理的な対策、を簡潔にまとめ、manabaで提出してください。質問・意見があれば、レポートと一緒に提出してください。Manabaでフィードバックします。
期末の総合課題レポートでも、同様に、①問題の所在の確認、②問題の背景、③考えられる対策(複数)とそれぞれの強み・弱み、④周辺環境に前提をおいての合理的な対策、という形式で提出してください。
 情報をニュースメデイアで検索する際には、メデイアの切り口、考え方、主張は様々であることを認識、複数のメデイアを調べてください。また、原典もしくは原典に近い情報もネットで探すことができます。また、環境問題はグローバルであり、日本語以外の情報も重要です。翻訳ソフトを利用しても結構ですので出来るだけ原典に近づくことが大事です。
意見交換はmanabaの「掲示板」機能を通じて行う予定です。
 なお、テキストは指定しません。PPTに様々な資料とその出所を紹介していますので、原典をみることができます。また、担当教員が執筆しているコラムは日経電子版で見ることができますので、参考になると思います。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
 第1回講義で全体構成と各回のテーマを説明します。新聞でもネットでも構いませんので、各回の授業に関連した情報を事前に調べておいてください。授業後には、上記4つのステップで、簡単で結構ですので、自分なりに整理し、manabaで提出しておいてください。フィードバックは各講義毎に行います。各授業の事前事後学修は4時間程度取ってください。
 調べる、考えることが大事です。


テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 各回講義後のレポート(40%)、期末の総合課題レポート(60%)が目安です。総合課題レポートのテーマを自分で選んで、なぜそのテーマを選んだのかを書いたうえで、可能な限り上記4つのステップに沿って、簡単にまとめてください。可能な限りオリジナル情報にアクセスし、参考文献として書いてください。なお、毎回のレポートは感想やこうすべきだという意見でも結構ですが、経済学の中の講義ですので経済学の知識を活用してください。
なお、考えられる対策には正解はありません。私のコラムや寄稿を参考にしても結構ですが、自分で整理し、考え、自分なりの結論を自由に書いてください。提出された小レポートには担当教員からコメント(返信)しますので、「考える」際に参考にしてください。


関連科目
/Related Subjects
 ミクロ経済学の基礎知識が必要なため「経済学(ミクロ)」、「ミクロ経済学」を復習してください。「マクロ経済学」、統計学」、「経済政策論」、「計量経済学」も推奨します。また、この授業は「サステイナビリティ学」や「環境経済学」等の環境部門科目とも関連します。
 経済学の基礎知識として、①価格決定(需給バランス)、②外部不経済、③貿易の利益、などは良く理解されているという前提で授業をします
備考
/Notes
自分で調べる際のヒントになる情報源として以下を紹介します。
(環境問題全般)
・日経産業新聞Earth新潮流(毎週金曜日掲載。日経電子版で無料で検索可能)
 検索: 日本経済新聞 (nikkei.com)
(エネルギー問題、データ)
・International Energy Agency (IEA) (統計データも一部無料公開)
  https://www.iea.org/
到達目標
/Learning Goal
環境ビジネスに関する専門知識を習得し、ビジネスとして環境問題を扱っていく上での課題等について分析のうえ、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 イントロ - 環境問題とは ・半年間の授業の狙い、概要を紹介。
・環境問題を経済学の基本である「外部不経済」で整理、環境問題の本質と歴史を考える。
・マクロ的な内容、基本的な理論を中心に
2 気候変動問題 - 国際枠組み ・国際合意が国内政策に大きな影響を与える新しい時代になった。気候変動枠組み条約(COP)の仕組みと課題を紹介。
3 排出量取引の仕組み ・温室効果ガスを効果的、効率的に減らすために「カーボンプライシング」の導入が検討されている。カーボンプライシングの2つの形態、排出量取引と炭素税を理論的に比較する。
4 日本の気候変動問題への取り組み(1)国際関係を中心に ・京都議定書、コペンハーゲン会合、パリ協定などCOPに対する日本政府の取り組みやアジア太平洋パートナーシップ、質の高いインフラ、グリーン成長戦略など日本の戦略を分析。
5 日本の気候変動問題への取り組み(2)国内政策を中心に ・気候変動問題はエネルギー・産業政策と表裏一帯の関係にある。第5回は国内が中心。
・ネットゼロ2050を目指した今後のシナリオ、戦略を国家100年の計の視点で考える。
6 EUの取り組み ・EUは環境への取り組みに熱心。その背景(産業政策、経済政策など)。
・EUが打ち出す、排出量取引、国境調整、サステイナブルファイナンスなどの課題を分析する
7 中国の経済成長と環境問題 ・中国は世界最大の排出大国。世界の排出削減のカギは中国が握る。成熟する経済・社会の中で、産業構造調整やエネルギー需要の変化を考える。
8 中国一帯一路と環境問題 ・一帯一路に代表される対外戦略とその中での環境問題を考える。
・政治、経済の両面で中国との摩擦は高まってきている。 こうした国際情勢の中での環境問題の位置づけを考える。
9 米国の政治と気候変動問題 ・バイデン政権となり180度転換した環境政策。大きくぶれる環境政策の背景を考える。
・全てのエネルギー資源がそろったエネルギー大国の取り組みを分析。
10 アセアンの気候変動問題への取り組み ・アセアンは世界の成長センター。2040年には日本の3倍以上のエネルギーを消費。欧米、中国とも異なるフェーズ。SDGsを絡めてポストコロナの気候変動政策を考える。
11 パリ協定の外側の世界 
ー 国際航空と国際海運
・国際海運と国際航航空はパリ協定の対象外。平等な競争が原則であり、途上国優先のUNFCCC、パリ協定とは異なる原則。
・「削減困難な排出」の対策を考える。
12 企業経営と環境リスクマネジメント ・環境問題はCSRで重要な取り組みであるが、今や経営戦略の中心。CSRと環境を再考。
・経営学の重要テーマである「会社は誰のもの」、「選択と集中」と「分散投資」を再考する。
13 電力- 気候変動対策のカギ ・CO2削減のカギは再生可能エネルギーであり、今や電気の時代。・電源の不安定化、サイバーセキュリテイ、気候変動災害を考える。
・分散電源か集中電源か。正解はあるのか。
14 化石燃料とCCS ・主要国や企業がネットゼロを次々と宣言。他方で「減らしきれない排出」の存在も。
・化石燃料を使いながら脱炭素を進めるCCSの現状と課題を分析。

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