シラバス参照/View Syllabus

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
ドイツ語圏の地域・環境問題 b/AREA STUDIES IN GERMAN ENVIROMENT PROBLEMS b
開講所属
/Course Offered by
外国語学部ドイツ語学科/FOREIGN LANGUAGES GERMAN
ターム・学期
/Term・Semester
2023年度/2023 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
火3/Tue 3
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
川﨑 聡史

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
川﨑 聡史 ドイツ語学科/GERMAN
授業の目的・内容
/Course Objectives
※必ずシラバスを事前によく読み、内容を了解した上で履修するか決めてください。

目的:本授業では、ドイツの地域問題と環境問題について社会運動をキーワードにして理解を深めます。現在のドイツは環境先進国と呼ばれることもあるほどに環境保護に関して進んだ取り組みを行っていますが、これは市民による各地域特有の「下から」の社会運動によって支えられています。本授業では、ドイツの地域問題と環境運動を歴史的に紐解き、現在のドイツ社会を理解することを目的としています。

内容:この授業では、ドイツの環境運動と地域ごとの社会運動を概観します。
前半では戦後のドイツ社会について、社会運動を中心に検討します。例えば、1960年代の西ドイツにおける抗議運動である68年運動を扱います。この運動は、その後の「新しい社会運動」の源流のひとつになり、現代的な環境運動と緑の党の台頭に大きな役割を果たしました。さらに東ドイツにおける自然破壊とそれに抗議する市民運動、そこから派生した東ドイツを崩壊に導いた反体制運動などを扱います。
後半では現代のドイツにおける環境問題と社会運動について論じます。とりわけ旧東ドイツ地域での「新右翼」運動、緑の党の動向、1998年成立のゲアハルト・シュレーダー政権以降の原子力エネルギーからの離脱などを主なテーマとして扱います。

この授業は外国語学部の学位授与方針(DP)および教育課程の編成・実施方針(CP)が示す「ドイツ語圏の社会・歴史の多様な専門領域に関する知識を体系的かつ横断的に修得し、その知識を歴史的かつ現代的事象と結び付けて考察」する能力を身につけている「国際的視野に立つ教養人」を育成することを目指すものです。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
講義は基本的に対面で行います。
成績評価は毎回の課題、および期末課題あるいは期末テストで行います。
課題提出には、manabaを利用します。
提出方法については、第1回の授業で詳しく説明します。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
本講義では二つの事後学習が求められます。
① 毎講義後の課題提出。課題への解答をmanabaで書き込んでください。
② 授業後の復習。授業資料は配布しますので、復習してください。さらに授業中に紹介した文献を自発的に読み進めることが好ましいです。毎回の授業で関連する文献を紹介するので、気になるものから随時読み、勉強してください。事後、理解ができるまでには、講義時間の二倍程度(=200分ほど)の学修時間を目安にします。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
決まったテキストは使用しませんが、参考文献を適宜授業中に紹介します。
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
① コメントシート 50%
② 期末テストあるいは期末課題 50%(1月実施予定)

・「コメントシート」では、授業の内容を深めるようなコメントが高く評価されます。皆さんの単なる個人的な印象と主義主張や授業内容を引き写したものではなく、授業を直接踏まえ、それを論理的・分析的に深める内容を他者に伝わる文章で記したコメントが歓迎されます。授業を聞かなくても書ける内容や授業を聞いていないことがわかる内容のコメントは、未提出扱いになる場合があります。
・本講義では生成系AIを用いた課題も出す予定です。
・課題に関して、思考を整理したり、調査の糸口をつかむための生成系AIの利用は妨げませんが、履修者自身の学びの成果が読み取れないもの(つまり生成系AIが出力したそのままのもの)が提出された場合、評価の対象外となります。
・生成系AIの発展に伴い、授業時間外に取り組む課題によって、履修者の学習の成果を評価することが困難になりました。そのため本講義の成績評価に関係する課題は、対面での参加を通じてのみ適切に解答できるようなものにします。
関連科目
/Related Subjects
春学期の「ドイツ語圏の地域・環境問題 a」とは補完関係にありますが、それぞれ独立した内容ですので、この授業だけを受講しても問題ありません。
本授業で学ぶドイツ語圏に関する知識は、他の専門的講義、テクスト研究、テクスト特殊研究、専門演習といった授業の内容をよりよく理解するための前提になります。
備考
/Notes
第1回授業で授業の進め方と評価方法を詳しく解説するので、履修希望者は参加するようにしてください。
本講義では、生成系AIを用いた課題を出すことがあります。そのため本講義は、実験的な要素を含みます。
到達目標
/Learning Goal
ドイツ語圏の地域・環境問題に関する専門的な知識、分野特有の思考・研究方法を発展的に習得し、分析を行い見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 授業ガイダンス 講義の概要をつかむ。課題の提出方法など授業を受けるにあたって必要な事柄を説明する。現在のドイツの環境問題についての基本的な知識を得る。 事後:今学期の授業方法を理解することが事後学修である。もし授業を聞いてもわからないことがあれば、川﨑聡史(kawasaki.s2019@gmail.com)に連絡すること。
2 戦後ドイツの社会運動 第二次世界大戦後、1950年代までのドイツでは、市民の政治意識の減退が見られた。この時期に発生した社会運動となぜそれらが幅広い支持を集められなかったのかを検討する。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
3 68年運動 1960年代に西ドイツでは、全社会的な異議申し立て運動である68年運動が盛り上がった。若者を中心とするこの運動は、それまでの伝統的な生活様式を批判し、新しいオルタナティヴな生き方を主張した。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
4 68年運動のその後① 本授業では、68年運動が終息した後、ドイツ社会民主党(SPD)青年部ユーゾーや新しい新左翼組織に参加した若い活動家を扱う。こうした運動は、後の環境運動の源流のひとつだった。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
5 68年運動のその後② 68年運動後、若い活動家の一部は自分が住む地域の生活に関する問題を解決するオルタナティヴ運動を開始した。本授業では、このような生活の質を向上させる運動が環境運動に接続する過程を扱う。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
6 西ドイツの「新しい社会運動」 1960年代以降、西ドイツではそれまでの市民運動とは性質の異なる「新しい社会運動」が重要性を増した。本授業では現代的な環境保護運動も包摂する「新しい社会運動」の性格について考える。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
7 西ドイツの新しい環境保護運動 1970年代以降、西ドイツでは環境保護運動の盛り上がりが見られた。この運動には、1960年代の都市部の学生運動に由来する要素と農村部の住民運動に由来する要素が共存していた。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
8 緑の党の歴史① 西ドイツの環境保護運動の盛り上がりは、1979〜80年には緑の党の設立に至った。本授業では緑の党の設立過程を扱う。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
9 緑の党の歴史② 本授業では緑の党の東西ドイツ統一までの展開を扱う。環境保護を主な主張に掲げた緑の党は、エコロジー以外にもさまざまな刺激を政党政治の領域に持ち込み、現代ドイツの政治文化の重要な要素を構成した。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
10 緑の党の歴史③ 本授業では東西ドイツ統一後の緑の党について扱う。緑の党は、1990年の連邦議会選挙では敗北したものの、その後、党勢を回復し、1998年にはシュレーダー赤緑政権を成立させた。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
11 東ドイツの市民運動と東西統一 東ドイツは、1970年代から環境保護や人権をめぐって市民運動が盛り上がった。こうした運動の存在は、1989〜90年の東西ドイツ統一をもたらす重要な前提となった。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
12 旧東ドイツ地域の「新右翼」運動 ドイツ統一後、「新右翼」運動は、旧東ドイツ地域を中心に排外主義を掲げて拡大した。本授業では、特に1990年代以降のネオナチ犯罪と右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭について検討する。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
13 統一ドイツの環境と政治 2011年の福島第一原発事故を受けてドイツ政府は脱原子力政策に舵を切った。本授業では、この政治決定に至る前史および脱原子力政策の現在について扱う。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。
14 今学期の授業のまとめ 今学期の授業の総括を行う。 事後:課題を提出する。パワーポイントを見直して復習する。分からないことがあれば、教員まで質問すること。

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