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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
日本語教育特殊研究(日本語学の諸問題)/SPECIAL STUDIES IN JAPANESE LANGUAGE TEACHING: SPECIAL TOPICS ON JAPANESE LINGUISTICS
開講所属
/Course Offered by
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2022年度/2022 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
金1/Fri 1
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
浅山 佳郎

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
浅山 佳郎 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
(学部ポリシーとの関係)
 学位授与方針と関わる能力としては,言語の普遍的な在り方に関する知識の理解に基づいて,言語的な人間についての新たな意味や価値を創出する力を養成することを目標とする。カリキュラムの編成・実施方針としては,言語教育研究科目群における日本語教育に関する知識と技能のうち,より専門的な言語学の知識と技能を課題とする。

(授業の具体的な目的と内容)
 日本語を対象に,生成文法分析を行う。その目的は,生成文法の考え方を理解するとともに,それによる言語分析について基本的な方法を獲得すること,および日本語の構造について一定の知見をえることである。とくに日本語の例文を樹状図表示できるようにすることを,最初の必須の目標とする。
 日本語教育など言語教育には,人間の普遍的な言語能力へに理解が必要となる。最終的には,本授業を通してそうした人間の普遍性への洞察力が獲得されることを求めたい。

授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 各回の授業活動は,事前学習としてテキストとする『Analyzing Japanese Syntax』の指定箇所を読了してあることを前提とする。このテキストには,ネット上に練習問題とその解答が公開されている(https://npcmj.ninjal.ac.jp/explorer/syntax_exercises/)。授業ではこの練習問題をとりあげ,その模範解答を説明できるようにするための議論を,学生同士で行うことを中心とする。さらに可能であれば,テキストの「For Further Research」およびネット上の「Advanced Level Exercise」を利用し,応用的な議論にも取り組む。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
 事前:教科書の毎回の指定箇所を読了し,分からないところについてResponを通して質問するとともに,ネット上に公開される練習問題の指定個所とその模範解答に目を通し,なぜそれが正解なのかを説明できるようにしておくこと(3時間)。
 事後:授業内容を確認し,必要に応じてResponに質問を提示すること(1時間)
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
Analyzing Japanese Syntax
著者
/Author name
岸本秀樹
出版社
/Publisher
ひつじ書房
ISBN
/ISBN
9784894769885
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
言語を生み出す本能(上下)
著者
/Author name
S.ピンカー
出版社/URL
/Publisher
NHKブックス
ISBN
/ISBN
9784140017401
9784140017418
その他(任意)
/other
生成文法的な言語論がどこまでの射程を持つかが理解できる最良の本。読み物として面白いので上下2冊だが読めるはず。
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
生成日本語学入門
著者
/Author name
長谷川信子
出版社/URL
/Publisher
大修館書店
ISBN
/ISBN
9784469212334
その他(任意)
/other
日本語についての生成文法分析の入門書。1999年とちょっと古いが,今でも最良の本の一冊。
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
構造からみる日本語文法
著者
/Author name
三原健一
出版社/URL
/Publisher
開拓社
ISBN
/ISBN
9784758925068
その他(任意)
/other
生成文法的な考え方で日本語を見るための入門書。一切の前提知識が不要なので最初に読む本として適切。
評価方法
/Evaluation
(1)試験(60%);授業内容,特にネットで公開されている練習問題について試験で評価する。
(2)授業内活動(20%);学生は毎回の「問題」に準備して授業に臨むことが要求される。授業に向かってのその解答の準備の有無を評価する。準備がない場合,持ち点の20点に対して2点が減点される。
(3)参加への積極性(20%);質問を,授業参加への積極性として評価する。1回の質問を4点とし,上限の20点まで加点される。
関連科目
/Related Subjects
この授業より前に履修していることが望ましい科目
 日本語文法論Ⅰ・Ⅱ;言語文化学科科目(全カリ科目)

備考
/Notes
到達目標
/Learning Goal
「言語教育研究科目群」の他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって日本語教育を研究分析し、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 言語研究と普遍文法 テキスト第1章~第4章(pp.3-36)
言語研究の出発点となるいくつかの概念および普遍文法に関する原理とパラメータの概念を理解する。グロスを付けられるようになる。
事後:テキストのchapter1からchapter4を読了すること(4時間)
2 統語
Syntax: The Core of Grammar
テキスト第5章(pp.39-47)
句構造規則の概念を理解するとともに,VPの構造を樹状図分析できるようにする。
「詳細情報」の「事前・事後の学修」に書いてあるので省略する。以下同様
3 Xバー理論
Generalizing Phrase Structure: X'-Theory
テキスト第6章(pp.49-57)
Xバー理論のいくつかの概念を理解し,単純な文を樹状図分析できるようにする。
4 句構造
Reformulating Clause Structure
テキスト第7章(pp.59-68)
TPおよびCPの概念を理解するとともに,拡大した文を樹状図分析できるようにする。
5 意味役割
Thematic Roles
テキスト第8章(pp.69-77)
意味役割の概念を理解し,文中の名詞句の意味役割を分析できるようにする。
6 移動
Passivization: Case and NP-movement
テキスト第9章(pp.79-87)
格の概念とそれを実現するための名詞句の移動を理解し,受動文などを分析できるようにする。
7 照応
Anaphor,Pronominals and R-Expressions
テキスト第10章(pp.91-99)
c統御と束縛について理解し,再帰など代名詞の解釈について分析できるようにする。
8 数量詞
Quantifier Scope
テキスト第11章(pp.101-109)
数量詞の現象を通して統語のTモデルを理解し,数量詞の解釈について分析できるようにする。
9 後置詞句と限定詞句
NP/DP and PP
テキスト第12章(pp.111-119)
名詞句と後置詞句の差を理解し,その構造を分析できるようにするとともに,DP仮説の考え方を知る。
10 非対格
Unaccusativity
テキスト第13章(pp.123-131)
非対格仮説を理解するとともに,日本語の自他動詞について分析できるようにする。
11 主語
Where Do Subjects Come From?
テキスト第14章(pp.133-141)
主語の定義を理解するとともに,日本語の主語を分析できるようにする。
12 コントロールと上昇
Control and Raising
テキスト第15章(pp.143-152)
コントロール構文と主語上昇構文の概念を理解し,複合動詞文の分析ができるようにする。
13 主要部移動
Head Movement
テキスト第16章(pp.153-161)
主要部移動の概念を理解するとともに,スル動詞(動名詞)を分析できるようにする。
14 主題化
Topics on Sentence-Initial Phrases
テキスト第17章(pp.163-172)
主題化と文頭移動の概念を理解し,日本語の主題構文を分析できるようにする。

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