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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
社会保障法b/SOCIAL SECURITY LAW b
開講所属
/Course Offered by
法学部総合政策学科/LAW POLICY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2022年度/2022 Academic Year  秋学期/FALL SEMESTER
曜限
/Day, Period
火3/Tue 3
開講区分
/semester offered
秋学期/Fall
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
3,4
主担当教員
/Main Instructor
石井 保雄

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
石井 保雄 法律学科/LAW
授業の目的・内容
/Course Objectives
この講義では、国民生活にとって、もっとも身近であるけれども、反面、諸君らにとっては普段はあまり意識することがない法制度である社会保障法のあり様と課題について検討する。「社会保障法」とは何か?日本では、統一的な法典Codeはないけれども、それは社会保障に関係または関連する様ざまな立法群の総称するものである。言い換えれば、社会保障法とは、そのような法現象を統一的に把握するための概念(道具)である。
 秋学期では、まず社会保障法制度の歴史的な展開を概括的ながらも検討したうえで、引き続きわが国制度に関する各論的考察を理解する。 講義ではキー・ワードとして、「国民」「健康」「社会的弱者」ということに着目したい。
 まず最近の新型コロナウイルスの感染により、仕事を失う人も多くなっているが、これに関連して注目・関心を呼んでいる「貧困」「格差」問題をとりあげたい。具体的には生活保護制度の原理・原則とその実際の適用がいかなる結果をもたらしているのかを考えることになろう。つぎに、「子供の貧困問題」を素材にして、社会福祉制度についても、ふれたいと考えている。そして、これも今日的な課題である年金制度をとりあげる。「少子高齢化」が進行する日本において、年金制度はその象徴的な問題を提起している。とくに老齢年金の現状と将来の課題を検討することにより、その問題点を検討する。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 通常の教室での対面方式の講義を基本としたいと考えている。なぜならば、講義はやはり「ライブ」だと考えているからだ。ただしCOVID-19の感染状況によっては、「遠隔授業」方式を取らざるをえないかもしれない。その場合は、ZOOMを利用して、ライブ配信方法で講義する。そのような場合は、あらかじめアナウンスします。なおオンデマンド配信型をとることはない。
 当日の授業内容については、授業形態がどのようなものになるかを問わず、事前にレジュメと資料をmanabaを利用して、配信する。ただし公開期間は1週間程度とするつもりなので、各自必要に応じてプリント・アウトするなどして保存してほしい。対面授業であっても、紙媒体のそれらを教室で配布することはしない予定である。講義を欠席したり、公開期間が過ぎた場合などについては、友人から借りてコピーをするなど、受講者本人が入手の努力してほしい。
  受講者はレジュメをプリント・アウトし、講義を受講しながら、それに各自が重要と思われることを書き込んだり、調べたことなどを補充するなどして、オリジナルなノートを作るようにしてほしい。
 講義内容の理解度を確認するために、レポート(A4サイズの用紙を想定して、1000~1400字程度)の提出を5回ほど予定している。提出期限後に、その解説ないしコメントをのべることをしている。
   受講生は講義のときやレポートを提出するに際し、質問をするなど積極的に関与することを期待したい。



事前・事後学修の内容
/Before After Study
テキストの指定された箇所について、事前に目をとおしておくこと(1時間)。また授業後には、配布されたレジュメと参考裁判例(『社会保障判例百選』第5版より適宜コピーを配布する)の事実・判旨およびそれに関する「解説」を精読すること(3時間)。また各自、あらかじめ、疑問点や問題と重要と思われることを確認しておいてほしい。そうようと相するそうすることにより、内容理解を「一歩前に」進めることができると思う。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
トピック社会保障法(15版)
著者
/Author name
本澤巳代子=新田秀樹編
出版社
/Publisher
不磨書房/信山社
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
本書は、毎年改訂されている。新版は2021年春刊行予定
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
社会保障判例百選(5版)
著者
/Author name
岩村正彦編
出版社/URL
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
2016
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 今年度もまた、新型コロナウイルスの感染状況などの動向が見通せないこともあり、はたして定期試験が可能かどうか明確ではない。そこで原則3回に1回の割合=2週間おきに課題レポートを出題する.。全部で5回の予定である。その提出回数(いうまでもなく、全回提出するのが原則)と記述内容如何を総合的に考慮して、成績評価をする。1回につき、課題レポートの分量は、A4サイズを想定して、文字数1000~1400字程度を想定している。受講者の講義理解度は、自ずとレポートの内容に反映されていると考える。評価にあたっては、結論の如何というよりも、論点を適確に捉えて、論理的な議論がなされているかどうかを重視する。
関連科目
/Related Subjects
 法律学は受講科目の積み重ねを通じて、より深くかつ体系的な内容理解が可能となる学問分野である。
 社会保障法学の場合、その法適用や実施にあたって、行政が関与する場面も多くある。したがって行政法に関する知見を有することが重要なので、是非行政法と関連科目を受講しておいてほしい。


備考
/Notes
 各年次に配当される法律科目を体系的に積み重ねて受講することにより、その全体像を把握することができる法律学において、つまみ食い的な履修をしないように注意してほしい。
到達目標
/Learning Goal
社会保障法に関する基礎や様々な学問分野、社会保障法の特定分野に関する重要な項目・論点や制度を体系的かつ正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 社会保障法とは何か・再論―秋学期の課題 社会保障制度の意義について、今一度確認しよう。
2 社会保障法の歴史(1)―欧米の制度展開 救貧制度に始まる欧米の社会保障制度を、現代まで歴史的な流れを理解する。
3 社会保障法の歴史(2)―日本の社会保障制度の展開 明治維新から2000年までの日本の社会保障制度の歴史的な流れを確認しておこう。
4 生活保護法(1)―「貧困」とは何か 生活保護制度を考える前に「貧困」の意味を理解しておこう。
5 生活保護法(2)―生活保護法の四つの原理と四つの原則 生活保護法の4つの原理と4つの原則について理解する。
6 生活保護法(3)―救済申請と決定の手続 生活保護制度を利用するための申請手続とその決定過程について理解する。
7 生活保護法(4)―生活保護の種類と方法 生活保護制度の種類とその方法について理解する。
8 社会手当と社会福祉制度(1)―家族のあり方の変化と福祉制度(総論) 社会福祉制度を理解する前に、生活保護制度と社会福祉制度の中間に位置する「社会手当」を取り上げ、ついで、社会福祉を取り上げる。
9 社会福祉制度(2)(各論)――児童、一人親家庭、高齢者&障害者に対する各福祉制度 社会福祉制度の「各論」として、それがカヴァーする対象分野の内容について、概観する。
10   年金制度(1)―わが国の制度の概要 家族が高齢化したり、病気になったときの看護や介護のあり方について、介護保険制度の成立にいたる歴史的流れを確認しよう。
11 年金制度(2)―公的年金制度の歴史的展開 日本の公的年金制度がどのような歴史的経過をたどって、今日にいたったのかを考えることにより、その課題を理解する。
12 年金制度(3)―障害年金と学生無年金裁判
1980年代に大きな社会問題にもなった「学生無年金訴訟」を素材にして、障害年金制度の意義を理解する。
13 年金制度(4)―家族関係の変化と遺族年金制度&離婚時の年金分割 遺族年金制度について、家族のあり方――母子家庭ではなく、父子家庭――を背景にした、遺族年金制度のあり方について考えよう。
14 年金制度(5)―年金制度の将来の課題 少子・高齢社会における老齢年金を中心とした年金制度の将来を考える。

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