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| 科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26 | 
| 開講科目名 /Course | 法哲学/LEGAL PHILOSOPHY | 
|---|---|
| 開講所属 /Course Offered by | 法学部総合政策学科/LAW POLICY STUDIES | 
| ターム・学期 /Term・Semester | 2022年度/2022 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER | 
| 曜限 /Day, Period | 月3/Mon 3 | 
| 開講区分 /semester offered | 秋学期/Fall | 
| 単位数 /Credits | 2.0 | 
| 学年 /Year | 2,3,4 | 
| 主担当教員 /Main Instructor | 嶋津 格 | 
| 教員名 /Instructor | 教員所属名 /Affiliation | 
|---|---|
| 嶋津 格 | 総合政策学科/POLICY STUDIES | 
| 授業の目的・内容 /Course Objectives | もし諸君が、何かをすべきだとか、すべきでないと誰かに主張するとしよう。もし相手が「どうしてですか」と尋ねると、普通法律家は「法がそうなっているからです」と答える。法の権威を借りるわけだが、これが一定の正確さでできないと、法律学を学んだとはいえない。では次に、「なぜ法はそうなっているのですか」とか「そんな法はおかしくありませんか」とか尋ねられた場合はどうだろうか。この種の問に一定の水準で自分なりに答えられないと、あなたは、法律を知っているだけの二流の人物とみなされる危険がある。このような法の根拠を、徹底して考えようとするところに法哲学の存在意義がある。もちろん、この種の問には確定的な既存の回答は用意されていないから、最後は学生諸君が自分で答を考えねばならない。そのきっかけを与え、諸君が今後その種の思考を自分なりに発展させていく準備をすることが、本授業の目的である。 | ||||||||||
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| 授業の形式・方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course | 基本的には、テキスト1の欄に挙げた私の著書に従って授業する。法概念論、正義論、実践的諸問題、といった内容で、一応の法哲学的テーマをカバーしていると思う。このテキストが出た後に書いた数本の論文については、manabaからダウンロードしてもらう。授業は対面でおこなう。授業時に録音をしてmanaba上に音声ファイルをアップするという方式を秋にも維持するかどうかは、未定。また、manabaの「個別指導」を利用すると、学生と教員のプライベートな対話が可能になる。その応答の一部を、個人情報を削除してmanabaの掲示板にアップして、他の学生にも読めるようにしたい。 | ||||||||||
| 事前・事後学修の内容 /Before After Study | テキストの各回の該当部分を事前に読んでくる(2時間)。事後には、各回の授業で私が出す問題への回答を試みてほしい(2時間)。そして感じた質問や意見を、上記のmanaba個別指導に書き込んでみよう。他の学生の質問やコメントも、個人情報は削除した上でmanaba掲示板にアップするので、参考にしてほしい。 | ||||||||||
| テキスト1 /Textbooks1 | 
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| テキスト2 /Textbooks2 | 
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| テキスト3 /Textbooks3 | 
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| 参考文献等1 /References1 | 
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| 参考文献等2 /References2 | 
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| 参考文献等3 /References3 | 
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| 評価方法 /Evaluation | 期末試験(100%)による予定だが、場合によってレポート(100%)にすることもありうる。 | ||||||||||
| 関連科目 /Related Subjects | 法思想史、社会科学概論1および2、 | ||||||||||
| 備考 /Notes | 参考文献:多くある法哲学教科書のリストと簡単な解説は、第一回目の授業で使用する法哲学入門のファイルの末尾に挙げてある。 | ||||||||||
| 到達目標 /Learning Goal | 「法とは何か」について、哲学的考察の意義を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。 | 
| 回 /Time | 授業計画(主題の設定) /Class schedule | 授業の内容 /Contents of class | 事前・事後学修の内容 /Before After Study | 
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| 1 | 法哲学入門 | 哲学とは何かを含む簡単な法哲学の入門。 | manabaにファイルをアップします | 
| 2 | 法における「事実」 | 一時期世界の法哲学界を席巻したハートの『法の概念』を題材に、法の概念を考える。 | テキスト2節 | 
| 3 | 法の権威 | 法の権威の源泉を憲法や立法権に見る見方を批判して、私法中心的な法概念を展開。 | テキスト3節 | 
| 4 | 法の認識とイデオロギー | 法概念論が大きなイデオロギーとしての意義を帯びていること。一見無害な法概念論は、爆弾と戯れる危険な作業でありうる。 | テキスト5節 | 
| 5 | 正義論の経緯 | 日本で正義論が不活発だった理由。その後ロールズの登場などにより、現在の活況となる経緯を見る。 | テキスト7節 | 
| 6 | 平等論 | 平等論の出発点としての法の前の平等。その後米国の人種問題の判例の推移をたどって、平等概念の変遷を追う。 | テキスト9節 | 
| 7 | ユートピア論 | モア、エンゲルス、ノージックという3人のユートピア論を比較しながら、理想社会を論じることについて考える。 | テキスト11節 | 
| 8 | リバタリアニズム論 | ノージックの主著を翻訳することで日本でのリバタリアニズム隆盛の一端を担った私だが、現在から振り返ってみると・・・。 | テキスト12節 | 
| 9 | 民主主義論 | 民主主義は常に正しいわけでも成功するわけでもない。ではその限界条件はどこにあるのか。 | テキスト13節 | 
| 10 | 秩序論 | 秩序の希少性という概念を導きの糸にして、日本の近代化などを考える。 | テキスト14節 | 
| 11 | 生命倫理基礎論 | そもそも倫理問題とは、正解発見問題なのか合意達成問題なのか、というメタ問題から出発して、倫理の基礎を考える。 | テキスト15節 | 
| 12 | 題材としての「慰安婦」論 | 錯綜する慰安婦論だが、事実の認定と価値的評価のレベルを区別しながら整理できるだろうか。その後の新知見の説明も含む。 | テキスト17節 | 
| 13 | 事実認定論 | 民事裁判における事実認定とはどんな作業なのか。経験則についても考える。「認識論」? | manabaにファイルをアップします | 
| 14 | 民法基礎論 | 全体のまとめにもなるので、2019年の論文「実定法学と啓蒙」を読みます。 | manabaにファイルをアップします |