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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
憲法入門(法律用)/INTRODUCTION TO THE CONSTITUTION
開講所属
/Course Offered by
法学部/LAW
ターム・学期
/Term・Semester
2022年度/2022 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
水1/Wed 1
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
大藤 紀子

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
大藤 紀子 国際関係法学科/INTERNATIONAL LEGAL STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
【授業の目的・内容】
  憲法とは、①国家の政治システムを構成し、同時に②政治権力の暴走を防ぐため、予めそれを制限する目的で定められた法規範である。また、③国民の基本的人権を保障するために、とくに18世紀のヨーロッパと英米諸国で編み出されたものである(テキスト1、4章のI参照)。
  国家におけるさまざまな法規範は、相互の抵触や矛盾をできる限り避けるため、階層的にとらえられ、一つの法体系を成すとみなされている。そうした法体系のなかで、憲法は最高の効力を有する規範として理解されている。
  本授業では、こうした憲法という法の特徴や役割といった基礎的な事柄を、テキストの読解を通じて習得することを目的とする。
【授業の目標】
  憲法とは何か、その特質、基本的人権の保障や統治機構の基本的な問題について扱う。憲法の「総論」に当たる部分の学習を通じて、憲法学の思考様式を身につける。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
  本授業は、オンデマンド配信型の遠隔授業を予定しており、対面授業は行わない。授業形式の一部を変更する場合には、Manaba または Porta IIでその都度事前に通知する。
  とりわけ1年生にとっては、テキストを読んで理解することが最初は難しいと感じることであろう。しかし、少しずつ文体に慣れてくるので、諦めずに、2冊のテキストを繰り返し、とにかく何回も読むこと。
  法学には、各科目ごとに「論点」と言って、論争の対象となったり、解釈の基点となるポイントが数多く存在する。各自ノートを作り、論点を項目ごとに整理することが必要となる。「憲法入門」の授業を通じて、配布されたレジュメをうまく入れ込みながら、工夫を凝らし、自分なりに最も良いと考えるノート作りをしてほしい。
 質問がある場合には、Manaba(スレッド)を通じて行うこと。質問に対する回答、課題に対する解説・コメント等は、適宜 Manaba にアップする。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
 授業前に、その週で扱われる論点の概要が理解できるよう、テキストを熟読しておくこと(1時間程度)。
 授業後は、配布されたレジュメと自身のメモを参照しながら、ノート整理をすること。また、課題に取り組む際には、テキストを改めて精読するとともによく考えた上で回答を提出すること(3時間程度)。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
憲法のフラグメント
著者
/Author name
グンター・トイプナー
出版社
/Publisher
信山社
ISBN
/ISBN
978-4-7972-7879-8
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
新憲法四重奏 第二版
著者
/Author name
大津浩、大藤紀子、高佐智美、長谷川憲
出版社
/Publisher
有信堂高文社
ISBN
/ISBN
978-4-8420-1080-9
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
憲法 第七版
著者
/Author name
芦部信喜(高橋和之補訂)
出版社/URL
/Publisher
岩波書店
ISBN
/ISBN
978-4-00-061322-4
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
憲法判例百選 I 第7版(別冊ジュリスト)
著者
/Author name
長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編
出版社/URL
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
978-4-641-11545-3
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 課題の提出(60%):週ごとに課題の提出が求められる。授業内容が理解できているかを確認するため、あるいは授業内容を踏まえ、関連する論点について、授業内容を踏まえて自分なりの見解を示すことができるかどうかを評価する。いずれも、日頃からテキストをよく読んだ上で回答しているかどうかが評価のポイントとなる。
 レポートの提出(40%):学期の終わりに、1,200字程度のレポートを課す。レポートの具体的なテーマは、授業中に提示する。評価のポイントは、課題同様、授業内容やテキストが理解できているか、論点の抽出能力と結論に至る論理的思考力である。文章の構成や形式(段落・脚注の有無など)も評価の対象とする。「入門演習」などで習得したレポートの書き方を踏まえて、形式的な要件を満たしたものを提出すること。「レポートの書き方」については、図書館で発行している資料を参考にすると良い。
 なお、任意でノートの提出を学期末に求める。優れたノートについては、5点〜10点を加点する形で評価する。
関連科目
/Related Subjects
  「憲法入門」の学習の後に、「憲法・人権」および「憲法・統治」を履修してほしい。これによって、憲法の総論・各論の全体が学習できる。最終的に、憲法に関連した現代のさまざまな課題についての知識・見識を深めるため、「憲法・発展」の授業に臨んでほしい。
備考
/Notes
 上記テキストのほか、『法学六法』その他の小六法を必ず手許に置き、憲法および関連する法律の条文が出てきた場合には、一つ一つ読んで、文言を確認すること。
到達目標
/Learning Goal
憲法および公法領域の入門的知識を習得し、これらについての基礎解釈ができるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 はじめに 授業の概要を解説 大学の売店で、テキストを事前に購入しておくこと
2 近代憲法の発祥
近代の「憲法」がどのように現れ、それがどのような意味と特質をもつかについて扱う
3 近代憲法の論理
憲法の制限規範性、憲法制定権力 VS 憲法によって制定された権力、民主主義 その他、近代憲法に特有の論理を考える
4 自由主義憲法 VS 全体主義憲法? 憲法上の私的領域の位置づけ、明治憲法時代に通用していた「特別権力関係論」の内容と問題点について
5 帝国主義と国家・国民 近代国家が帝国主義化し、植民地をもったことの帰結を考える
6 戦後の憲法の課題
戦後の国際的な人権の保障と「平和」の確保について
7 日本国憲法の基本原理 象徴天皇制・憲法9条の役割について
8 基本的人権の観念と「主体」
基本的人権が保障されるとはどういうことか 
9 基本的人権と公共の福祉
不可侵の人権が「公共の福祉」によって制限されることの意味について考える
10 私人間における人権の保障と限界 私人同士の争訟への憲法の人権規定の適用について、考察する
11 憲法における政治と法以外の諸機能システム 宗教・経済・教育・家族、いわゆる「制度的保障」や「部分社会論」について
12 生命・自由・幸福追求権の保障 生命権や幸福追求権をめぐる論点や学説、「包括的基本権」としての日本国憲法13条について勉強する
13 法の下の平等について 日本国憲法14条の定める法の下の平等の意味、平等の観念について勉強する
14 まとめ 「憲法」概念の射程を考える

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