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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
サステイナビリティ学(選択)/SUSTAINABILITY SCIENCE
開講所属
/Course Offered by
経済学部/ECONOMICS
ターム・学期
/Term・Semester
2022年度/2022 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
木1/Thu 1
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
木原 隆司

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
木原 隆司 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY
授業の目的・内容
/Course Objectives
 この授業は、経済学部国際環境経済学科の学位授与方針(DP)及び教育課程の編成・実施方針(CP)が示す「豊かな歴史観、自然観および倫理観を中核とする幅広い教養教育に基礎付けられた経済学の専門知識を習得」したうえで、「環境に対する責任と正しい認識に基づき、持続可能な社会の実現を目指して、地域社会や国際社会に貢献できる実践的な人材を育成する」ことに資するため、環境経済学、開発経済学など社会科学領域から環境・経済・社会の持続可能性(サステイナビリティ)について考えます。
 基礎的な経済学のツールを応用して、環境問題の持つ悪影響(外部不経済)を軽減・内部化するための政策(規制、所有権の確定、環境税、排出権取引等)などを学ぶとともに、資源制約の下で「持続可能な開発」を進め、経済・社会の持続可能性を維持していくための政策・国際協力手法を検討します。地球環境ファシリティー(GEF)などの資金メカニズム、気候変動枠組条約のパリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)についても学びます。
 SDGs時代に環境経済学と持続可能な開発の知識は不可欠であり、この授業でその基礎を学ぶことができます。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 この授業では、栗山・馬奈木(2020)『環境経済学をつかむ』を主なテキストとして用います。また、担当教員の財務省や国際機関での経験や、わが国や国際機関が行っている持続可能な開発に向けた政策実態を交えた説明をします
 授業は「講義形式」とし、新型コロナウイルス感染症に対応するため、主にPower Point(PPT)の資料を示しながら担当教員が行う講義を「ライブ配信」するとともに録画し、「オンディマンド」で受講できるように、Zoomのクラウド等に限定公開でアップする予定です。
 manabaのレポート機能を用いて、毎回の「講義のまとめ」を提出してください(質問・感想は所定欄に記入してください。次回の講義でお答えします)。また、manabaの小テスト機能を用いて「計算等課題」、期末の「総合課題」を出題しますので、締め切りまでに必ず解答するようにしてください。締め切り後に計算方法を含む解答例をmanabaに掲示します。
 学生間の意見交換(ディスカッション)はmanabaの「掲示板」機能を通じて行う予定です。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
 事前にmanabaに講義用PPTをアップするので、ダウンロードして、テキストとともに、講義に備えて予習してください(2時間程度)。
 講義後は講義内容(特に計算問題)を良く復習し「講義のまとめ」を記すとともに、講義のまとめや計算等課題を行ってください(2時間程度)。
 本講義を通じて、余剰分析や微分を使った最大化問題など、ミクロ経済学等の現実問題への応用能力を習得します。経済学(ミクロ)等を復習するとともに、地球温暖化や環境問題に関する新聞記事等を読むように努めてください。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
環境経済学をつかむ 第4版
著者
/Author name
栗山浩一・馬奈木俊介
出版社
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
978-4-641-17729-1
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
環境経済学講義
著者
/Author name
諸富徹、浅野耕太、森晶寿
出版社/URL
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
978-4641183650
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
サステイナビリティ学〈1〉サステイナビリティ学の創生
著者
/Author name
小宮山宏ほか
出版社/URL
/Publisher
東京大学出版会
ISBN
/ISBN
978-4130651219
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
文系のための環境科学入門(新版)
著者
/Author name
藤倉良・藤倉まなみ
出版社/URL
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
978-4-641-17423-8
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 毎回の講義のまとめ・質疑等を通じた授業への貢献(40%)・2回の計算等課題(20%)・期末の定期試験もしくは総合的課題(40%)により評価します。定期試験/総合的課題では、講義で学修した基本概念の理解と計算課題等で示した応用能力を評価します。
 これにより、サステイナビリティ学の基礎知識を習得し、持続型社会の構築について分析のうえ、見解を提示できるようになったかどうかを評価します。
関連科目
/Related Subjects
「環境学」で自然科学の領域から持続可能性を学び、「経済学(ミクロ)」で外部性・公共財等の概念・分析手法を学んだ上で本科目を履修することを勧めます。本科目は、環境経済学等の環境部門科目の他、国際開発論、国際公共政策論等の国際部門科目とも関連します。
備考
/Notes
到達目標
/Learning Goal
サステイナビリティ学の基礎知識を習得し、持続型社会の構築について分析のうえ、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 オリエンテーション(カッコ内はテキストの該当Unit) サステイナビリティ学とは何か、環境経済学とは何か(テキストUnit0参照)を理解し、エコロジカル・フットプリントや持続可能な開発目標(SDGs)、パリ協定の概要を理解する。
2 経済発展と環境(Unit1) 経済と環境の関係(環境から原料採取等を行い生産・消費する過程で汚染や廃棄物が現出等)や経済成長と環境汚染の関係(環境クズネッツ曲線)等を理解する。
3 ゴミ問題と循環型社会(Unit 2) 大量生産・大量消費・大量廃棄に伴い、一般廃棄物や産業廃棄物の最終処分場が枯渇してきており、3R(廃棄物の抑制・再使用・リサイクル)が重要であることを理解する。
4 地球温暖化問題(Unit.3 ) 地球温暖化問題とは何か、温暖化の影響、温暖化問題の経済モデル等について理解し、数値問題例で余剰分析(成長と消費者余剰・生産者余剰の関係)を復習する。更に温暖化のメカニズム、IPCC報告書も確認する。
5 外部性と市場の失敗(Unit 4) 環境問題が持つ外部不経済により過剰生産となる市場の失敗・死荷重ロスを、数値例を含む余剰分析等により理解する。また、環境汚染の外部性を内部化する施策の概要を理解する。
6 共有資源の管理(Unit5) 「共有資源(コモンズ)の悲劇」とは何かを余剰分析等により理解し、再生可能資源の例としての漁業資源におけるコモンズの悲劇をグラフや数値例を含め理解する。
7 公共財とただ乗り(Unit 6) 温暖化対策等の環境対策は消費の排除不可能性・非競合性の性質を持つ「(純粋)公共財」であり、ただ乗り(Freeride)を誘発するため、最適供給が困難になることを、図・数値例・ゲーム理論から理解する。
8 環境政策の理論(1)(直接規制)(Unit7) 代表的な環境規制の中で、命令・統制型の排出総量規制・基準規制等の「直接規制」の実態と、各企業のMB曲線が不明であるため直接規制では効率的な規制が困難なことを理解する。
9 環境政策の理論(2)(環境税・補助金)(Unit 8) 環境に負荷を与える物質の排出に課税する「環境税」は外部性を内部化する効率的な規制であり、短期的には汚染削減補助金と同じ効果を持つが、長期的には産業構造を低負荷型にすること等を、図・数値例等で理解する。
10 環境政策の理論(3)(コースの定理)(Unit 9) 環境保全・汚染の権利(所有権)を定めれば、当事者間の自発的な取引・交渉で、被害者・汚染者どちらに権利があろうとも同じ効率的資源配分となる合意が自然と形成されるという「コースの定理」を図・実例で理解する
11 環境政策の理論(4)(排出権取引)(Unit 10) コースの定理を応用し、各主体に一定量の汚染物質を排出する権利を割り当て排出許可証の取引市場を作れば、効率的に削減目標を達成できる「排出権取引」のメカニズムを図・数値例・実態から理解する。
12 政策手段の選択(Unit 11) 政策手段の中では直接規制より経済的手法の方が効率的で、不確実性がある下では限界便益曲線と限界費用曲線の相対的な傾きにより環境税と排出権取引の社会的費用の大小(効率的な規制)が異なることを図等で理解する
13 パリ協定・京都議定書と地峡温暖化対策(Unit 13・14) 気候変動枠組み条約の京都議定書及び京都メカニズム(共同実施・クリーン開発メカニズム・排出権取引)とその問題点、主要排出国の状況等により、パリ協定に繋がったことを理解する。
14 「持続可能な開発」に向けて(Unit25ほか) 開発・開発援助・持続可能な開発、環境クズネッツ曲線等の概念を理解するとともに、国際公共財としての環境保全を多国間・二国間の環境協力により進め、持続可能な開発目標とパリ協定をどう達成するか検討する。

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