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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2021/03/25 現在/As of 2021/03/25 |
開講科目名 /Course |
会計研究(会計学)/ACCOUNTING(ACCOUNTING) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム・学期 /Term・Semester |
2021年度/2021 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
土3/Sat 3 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
内倉 滋 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 講義科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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内倉 滋 | 経営学科/MANAGEMENT |
授業の目的・内容 /Course Objectives |
(1) 授業の目的 経済学研究科の学位授与方針(DP)は、「基本的な経済学、経営学又は情報学の知識、技能および思考力を駆使して、実務的な諸課題を自ら調査し理解する能力」その他の「高度の能力を身に付けている」者に対して、「「修士(経済学)」の学位を授与する」ことが出来るとしている。本授業は、そのような視点から、「経営学」の1学科目である「会計学」に関する「知識、技能および思考力を駆使して、実務的な諸課題を自ら調査し理解する能力」の修得を通じて 社会に貢献する能力を身に付けてもらうことを、その「目的」とするものである。 (2) 授業の内容 春学期においては、近年盛んに議論されてきた会計学における様々な問題領域の その根底に存する「資産負債アプローチ」という共通項をテーマとして取り上げ、その内容理解と それが持っている意義の究明とを試みていくこととしたい。具体的には、「資産負債アプローチ」を明確な形で体現しているところのIASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」(2018)を素材として取り上げ、その原文(英語)の理解と背後にある理論の解明とを通じ、上記の目標を達成していきたい。 秋学期においては、その「資産負債アプローチ」のもとで現実に行われている制度としての企業会計(制度会計)におけるいくつかの論点を取り上げ、それについての会計基準等の規定内容と そこで提起されている問題点の説明をしていきたい。その「いくつかの論点」として 今年度は、次の3つを取り上げることとしたい:[ア] 2007年度から施行されている租税法上の新しい減価償却制度。[イ] 退職給付債務の認識[←むしろこれは、「資産負債アプローチ」にのっとっていないのではないか との問題提起である。]。[ウ] リース会計の問題。 |
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授業の形式・方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
会計学という科目は、単に教科書類を読み、あるいは講師の説明を聞いて 内容を理解しただけでは不十分な科目である。テーマに関連した課題を自ら考え解決していく過程が、絶対に必要である。この点は、学部の場合も大学院の場合も、同じである。したがって本講義では、ほぼ毎回 最後に 演習課題をやってもらい、その日の講義内容の理解を より確実なものにしていってもらう、という形で授業を進めていく。 | ||||||||||
事前・事後学修の内容 /Before After Study |
春学期:輪読していこうと考えている外国語文献の予習を、必ずしてくること。 秋学期:毎回、次週のdiscussion予定テーマに関するhandout資料を配付するので、事前に目を通しておくこと。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
50%は ほぼ毎回 最後にやってもらう演習課題の結果により、残り50%は 半期に1回提出する 半期中のテーマに関するレポートの内容で、評価する。 | ||||||||||
備考 /Notes |
テキストについて 春学期:輪読していこうと考えている外国語文献に関しては、こちらで用意する。 秋学期:特定の教科書は、使用しない。代わりに、各週のテーマに係る資料的な中身のhandout資料を、基本的に 毎回分 配付する。 参考文献等について 春学期:必要に応じ、そのつど指示する。 秋学期:各週のテーマに関する参考文献等は、当該週のhandout資料に毎週掲載していく。 |
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関連科目 /Related Subjects |
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到達目標 /Learning Goal |
会計学についての修士レベルの知識を修得し,会計に関連する諸問題を分析できるようにする. |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前・事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 通年講義である本講義全体のオリエンテイション |
通年講義である本講義全体の目的や目標、授業の進め方、評価方法等を具体的に説明していく。 |
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2 | 概念フレームワークについて | IASBの「概念フレームワーク」の概要説明(その意義や会計基準との違い等)をする。合わせて、米国基準における概念フレームワークの概要説明もする。 | |
3 | 一般目的財務報告の目的:概要説明 | IASBの概念フレームワークは、「一般目的財務報告」書の作成のためのものである。その「一般目的財務報告」書は、どんな「目的」を持ったものなのか、の説明をする。 | |
4 | 一般目的財務報告の目的:原文の輪読 | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」の「一般目的財務報告の目的」のセクション(原文)を輪読していく。 | |
5 | 有用な財務情報の質的特性:原文の輪読 | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」の「有用な財務情報の質的特性」のセクション(原文)を輪読していく。 | |
6 | Financial statements and the reporting entity | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」の「財務諸表と報告企業」のセクション(原文)を輪読していく。 | |
7 | 概念フレームワークにおける資産の定義について | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」における「資産の定義」の概要を説明する。 | |
8 | 概念フレームワークにおける負債の定義について | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」における「負債の定義」の概要を説明する。 | |
9 | 概念フレームワークにおける 収益・費用 の定義について | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」における「収益・費用 の定義」の概要を説明する。 | |
10 | The elements of financial statements | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」の「財務諸表の構成要素」のセクション(原文)を輪読していく。 | |
11 | 「認識及び認識の中止」及び「測定」について | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」における「認識及び認識の中止」及び「測定」に関する規定内容の概要を説明する。 | |
12 | Recognition and derecognition | IASBの「The Conceptual Framework for Financial Reporting」の「認識及び認識の中止」のセクション(原文)を輪読していく。 | |
13 | Measurement | 「The Conceptual Framework for Financial Reporting」の「Measurement」のセクションを輪読していく。 | |
14 | 前期中の講義の総復習 | 前期中の第2回~第13回の講義の総復習を行う。 | |
15 | 後期の講義のオリエンテイション | 本講義の後期中の内容や授業の進め方等を具体的に説明していく。 | |
16 | 租税法上の減価償却制度について その1:概要説明 | 40年ぶりに大改正され2007年度から施行されている租税法上の減価償却制度の概要説明をする。 | |
17 | 租税法上の減価償却制度について その2:定額法について | 租税法上の減価償却制度のもとでの「定額法」の概要説明をする。 | |
18 | 租税法上の減価償却制度について その3:200%定率法について | 租税法上の減価償却制度のもとでの「定率法」[←いわゆる「200%定率法」]の概要説明をする。 | |
19 | 退職給付債務について その1:基本的な考え方 | 退職給付債務の問題は、“制度としての企業会計”の観点からすると とても重要な論点であるため、2回にわたって説明していきたい。今日は、周辺的な制度の説明を含めた概要説明をする。 | |
20 | 退職給付債務について その2:実際の実務について | 退職給付債務は、従業員一人ひとり個別に計算していくのであるが、実際の実務では それを、どういうワークシートを使って どのように行っているのか? その点を、ある程度詳細に説明する。 | |
21 | リース会計について その1:概要説明 | 「使用権モデル」と呼ばれているリース会計の概要を説明する。 | |
22 | リース会計について その2:リースの借手側処理について | リースの借手側の会計処理方法の概要を説明する。リースの問題は それ自体は特殊な問題であるが、それを明確化することを通じて 企業会計の根幹に関わる論点の整理をしていくことができる。 | |
23 | 株式会社における「純資産の部」の中身について | 株式会社の純資産は、会社法の規定により 詳細に区分表示されることになっている。その規定内容を、そうした区分を要求している理由を含めて、ある程度詳細に説明する。 | |
24 | 会社法の「剰余金」概念について | 会社法における「剰余金」概念を、会社法第446条の規定内容を中心に、ある程度詳細に説明する。 | |
25 | 会社法の「分配可能額」概念について | 会社法における「分配可能額」概念を、会社法第461条及び会社計算規則第186条の規定内容を中心に、ある程度詳細に説明する。 | |
26 | 連結財務諸表について その1:概要説明 | :“制度としての企業会計”の問題を取り上げるときには、「連結財務諸表」の問題は 避けて通れない。今日は その概要説明をする。 | |
27 | 連結財務諸表について その2:連結精算表の作成方法 | 連結財務諸表に関する講義の2回目として、世界標準にのっとった「連結精算表」の作り方を、ある程度詳細に説明する。 | |
28 | 後期中の講義の総復習 | 後期中の第16回~第27回の講義の総復習を行う。 |