シラバス参照/View Syllabus

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2021/03/25 現在/As of 2021/03/25

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
日本法制史演習/SEMINAR ON JAPANESE LEGAL HISTORY
開講所属
/Course Offered by
大学院/
ターム・学期
/Term・Semester
2021年度/2021 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
水3/Wed 3
開講区分
/semester offered
通年/Yearlong
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
小栁 春一郎
科目区分
/Course Group
大学院科目 演習科目

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
小栁 春一郎 法律学科/LAW
授業の目的・内容
/Course Objectives
春学期では,受講生が,旧民法典の成立過程とその特徴について、理解する。本演習では、受講生は,フランス民法典の成立及び19世紀におけるその後の改正,注釈法学の成立について概括的知識を得た後,立案者であるボワソナードについて理解を深める。受講者は,ボワソナードのフランス時代の著作を検討した後に,日本における旧民法典編纂過程との関わりについて説明できるようになる。
秋学期では,受講生は,旧民法典について,財産編物権編を中心に理解できるようになる。まず,所有権規定,続いて共有関連規定,用益物権規定,共有規定,相隣関係規定について検討を深め,説明できるようになる。その後,日本人委員による法律取調委員会の議論を検討し,その後成立した旧民法典財産編についての注釈書等についても学ぶ。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
本科目は,原則として演習(ゼミナール)形式で行う。なお,これが大学院側の事情により,実施不可能な場合は,zoom等による遠隔授業により行う。いずれの場合でも,教員からの質問等を頻繁に行い,学生の返答を得る,また,学生からの質問を促すなど,双方向となるようにする。資料を事前配布して,事前学修の参考にする。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
事前学修として,前回において指摘された文献を調査し,また,事前学修参考用に配布された資料を読了しておくことが必要である。
事後学修として,その回の要点を書きだすなどまとめをすることが必要である。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
近代不動産賃貸借法の研究―賃借権・物権・ボワソナード
著者
/Author name
小柳春一郎
出版社
/Publisher
信山社
ISBN
/ISBN
4797222077
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
日本近代法の父ボワソナアド
著者
/Author name
大久保泰甫
出版社/URL
/Publisher
岩波書店
ISBN
/ISBN
4004200334
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
講義に際してレポート提出を求める。課題への取り組み姿勢と成果50% レポート50%により評価を行う。
備考
/Notes
関連科目
/Related Subjects
到達目標
/Learning Goal
日本法制史の分野における特定の研究課題に関する日本語及び外国語の学術文献又は関連資料等の内容を精確に理解し、それらを論理的に整理・分析するとともに、当該内容に関連して学術的に高度な議論を展開できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 フランス民法典の成立 ナポレオン民法典の成立過程について,歴史的な経過を明らかにする。
2 フランス民法典の成立
ナポレオン民法典の特徴について,最近の研究での評価を明らかにする。
3 19世紀フランス民法学の特質
注釈法学と呼ばれた19世紀の民法学の主な学者を明らかにする。
4 19世紀フランス民法学の特質
注釈法学といえども,実際の法的解決の妥当性を意識していたとする近年の研究を理解する。
5 19世紀における財産法改正 19世紀における民事法改正として重要であった1855年不動産登記法の制定の意義を明らかにする。
6 19世紀における財産法改正 19世紀から始まった担保法改正の意義を明らかにする。
7 ボワソナードの伝記的研究 旧民法典の起草者として著名なボワソナードについて,生い立ち,学位取得状況などの歴史的事実を明らかにする。
8 ボワソナードの伝記的研究 ボワソナードの時代のフランス民法学の特徴及びいかなる経緯で来日したかなどを明らかにする。
9 フランス時代のボワソナード著作①相続制度 ボワソナードが,フランス民法典の導入した均分相続制度を支持していたことを,その著書をもとに明らかにする。
10 フランス時代のボワソナード著作①相続制度 ボワソナードが,遺留分制度も重視していたことを明らかにする。
11 フランス時代のボワソナード著作②物権変動論 ボワソナードが,不動産物権変動において,登記のない物権変動は悪意の第三者に対抗しうるとしていたことを明らかにする。
12 フランス時代のボワソナード著作②物権変動論 ボワソナードの学説が,注釈法学の学者から,厳しい批判を浴びていたことを明らかにする。
13 ※実施しません ※実施しません
14 ※実施しません ※実施しません
15 春学期のまとめ・旧民法典編纂作業 春学期の検討を振り返り,旧民法典編纂に関する諸資料を整理する。
16 旧民法典ボワソナード草案財産編物権編所有権規定 ボワソナードが所有権を自然権として位置付けていたことを当時のフランス法との文脈で位置付ける。
17 旧民法典ボワソナード草案財産編物権編所有権規定 ボワソナードがパリコミューンなどに非常に批判的であり,自由主義的なフランス法学者トロロンの深い影響下にあったことを明らかにする。
18 旧民法典ボワソナード草案財産編物権編所有権規定 ボワソナードは,所有権制限にも一定程度積極的であったことを明らかにする。
19 共有関連規定 フランス法における共有関連規定の特徴である共有物の使用,保存行為,管理行為,処分行為の別を明らかにする。
20 共有関連規定 ボワソナードの共有規定が基本的にフランス法の影響下にあったことを明らかにする。
21 用益物権関連規定 用益権(usufruit)についてのフランス法の特徴を明らかにする。
22 用益物権関連規定 ボワソナードが日本民法への用益権規定を不要とする日本人法学者と論争したことを明らかにする。
23 占有関連規定 フランス占有関係規定が,不動産を重視していたこと,とりわけ,占有訴権が不動産にのみ開かれていたことを明らかにする。
24 占有関連規定 ボワソナードの占有関連規定がフランス法の影響下にあったことを明らかにする。
25 旧民法典編纂前史1 民法典編纂前の日本の民事法の状況を明らかにする。とりわけ,不動産登記制度の発展を検討する。
26 旧民法典編纂前史2 民法典編纂前にあった,代理等に関する単行法規を検討する。
27 賃貸借規定1 ボアソナードの賃借権物権論がどのようにして,否定されていったかを明らかにする
28 賃貸借規定2 ボアソナードの賃借権規定が現行法に影響を与えている部分を明らかにする。

科目一覧へ戻る/Return to the Course List