シラバス参照/View Syllabus

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2021/09/15 現在/As of 2021/09/15

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
ことばと思想1(言語学)/LANGUAGE AND THOUGHT1(LINGUISTICS)
開講所属
/Course Offered by
大学全カリ総合科目/
ターム・学期
/Term・Semester
2021年度/2021 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
金1/Fri 1
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
1,2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
浅山 佳郎

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
浅山 佳郎 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
 全学共通授業科目のカリキュラム編成・実施方針のうち,人間に関する概括的な知識の理解、およびさまざまな言語に関する知識の理解を目標とする。

 具体的には以下のような内容をあつかう。
 言語学の入門となる授業ではあるが,言語学を形成する下位分野である音韻論,形態論,統語論といった内容の概説ではなく(それもどこかで触れることにはなるが),言語とはどういう「問題」なのか,言語を学的対象とするとはどういう「営為」なのか,といった,よりおおきな視点から「言語学」を把握する。
 英文の入門テキストを使用するが,日本語を分析対象として念頭におきつつ,しかし個別言語としての日本語の問題としてではなく,人類にとっての一般的な「言語」の問題として考える。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
(感染症対策としての授業方式について)
 この授業は,対面授業の方式をとる。なお同時にzoomでの受講もできるようにする。ただし,初回の授業だけは学部の申し合わせに基づいて遠隔授業方式とする。その具体的な方式については,”Manaba”で告知する。

(各回の授業形式および方法について)
 各回の授業においては,テキストの指定箇所を,事前に読了し,テキストの内容に関する質問を準備して授業に臨まれたい。
 授業内では,それらの質問に対する回答を最初におこなう。おおよそ20分程度を想定する。その後,浅山によるテキスト内容に応じた講義がおこなわれる。おおよそ30分程度を想定する。
 つぎに,テキスト内容に沿った課題が出されるので,それについてひとりひとりが考え,その内容を授業内小レポートとして記述する。おおよそ30分程度を想定する。最後に,数名の学生を指名するので,自分が書いた内容を朗読発表する。必要に応じて質疑応答もおこなう。おおよそ20分程度を想定する。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
 事前には,毎回のテキスト(英文)の指定箇所を読了することがまず要求される。さらに担当者を義務的に指名するので,指名された学生は,”Manaba”で質問を提出することも要求される。
 事後には,授業であつかった問題について,他の参加者の解答を参考に再考することが奨励される。
 あわせて,おおよそ毎回3~4時間程度の予習が必要となる。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
Linguistics : Why it matters
著者
/Author name
Geoffrey K. Pullum
出版社
/Publisher
Polity
ISBN
/ISBN
978-1509530762
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
外国語を学ぶための言語学の考え方
著者
/Author name
黒田龍之助
出版社/URL
/Publisher
中央公論新社(中公新書)
ISBN
/ISBN
978-4121023636
その他(任意)
/other
言語学を全く学んだことがない人のための言語学の入門書として,気楽に読まれたい。
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
言語学講義―その起源と未来
著者
/Author name
加藤重広
出版社/URL
/Publisher
筑摩書房(ちくま新書)
ISBN
/ISBN
978-4480072092
その他(任意)
/other
上の黒田の本より一歩進んだ入門書。本授業で扱う内容とも重複する所が多く,その意味で参考になる。
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
本当にわかる言語学
著者
/Author name
佐久間淳一
出版社/URL
/Publisher
日本実業出版社
ISBN
/ISBN
978-4534051370
その他(任意)
/other
本授業では扱わない言語学のサブカテゴリ―である音声学,形態論,統語論……,について入門的に知るための本。
評価方法
/Evaluation
(1)期末試験(40%):テキスト内容の理解を測定するための記述式の期末試験をおこなう。100点満点であるが,40%相当に換算する。基本的には内容理解を確認するための正誤式などによる設問である。本文が読解され,授業で使用する各回の課題の内容が理解されていれば解答可能である。念のために申し添えておくが,英文の翻訳を設問するのではない。
(2)授業内小レポート(40%):毎回の授業内小レポートを,適合性(課題に対して適合する内容の議論となっているか)と独自性(課題に対する自分なりの議論となっているか),および論理性(議論が単なる一点の主張ではなく根拠などを持つ展開となっているか)の3点から評価する。3点が相応に実現されていれば,A(10点)とし,未達成の項目があれば,B(7点)とする。なお未提出は0点とする。レポート全体の総計得点を40%相当に換算する。
(3)授業活動の積極性(20%):毎回の質問を1回につき4点として20点の上限まで加算し,20%相当とする。
関連科目
/Related Subjects
入門科目なので,これ以前に履修すべき科目はない。
これ以後の履修は,各学部ごとの科目はここでは触れないが,全カリ科目としては,以下のような科目がある。なおすべて「ことばと思想」なので,副題のみを掲げる。
日本語音声学,日本語文法形態論 ,日本語文法統語論,日本語学の諸問題,日本語教育概説,日本語教授法Ⅰ,応用言語学,日本語教育のための社会言語学
備考
/Notes
 言語とは何か,についての入門となる議論をおこなう。テキストはロック・ミュージシャンでもあった言語学者のプラムによる簡明なもので,エッセイとしても面白いはずである。かつ授業内では,言語の本質にかかわる具体的な問題を他の履修生と議論してもらう。能動的な学習を希望する学生には面白い授業となるはずである。
到達目標
/Learning Goal
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民にふさわしい概括的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 言語学を学ぶこと この回のみ遠隔授業形式で行う。
テキストの紹介と授業のすすめかたについての説明,および言語学の見取り図とテキストとの関係を概説する。
シラバス,およびテキストの「Preface」を読了しておく。
2 人間の言語 この回以降は教室における対面型授業として行う。
人間に固有の特質としての言語が動物のコミュニケーションとどうちがうかという問題を考える。
テキスト第1章「What Makes Us Human」の p.1~p.7 を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
3 世界の言語 世界のなかの言語の多様性,特に危機に瀕している言語的マイノリティの問題を考える テキスト第1章「What Makes Us Human」の p.7~p.18 を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
4 文法 文法とは人間の言語にとって何か,また文法に対する「恐怖症」はなぜおこるか,という問題を考える テキスト第2章「How Sentences Work」の p.19~p.31を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
5 言語直感 人間の文法を支持してている言語に対する直感的判断とは何か,それが人間の言語獲得どうかかわるかという問題を考える テキスト第2章「How Sentences Work」の p.31~p.38を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
6 意味 単語とは何か,その意味はどのように多様かという,言語の「意味」の基本的な問題を考える。 テキスト第3章「Words, Meaning, and Thought」の p.39~p.47を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
7 言語と世界観 言語がヒトの世界認識を決定するというサピア=ウォーフの仮説の問題をとりあげて,それが成立しないことを論ずる。 テキスト第3章「Words, Meaning, and Thought」の p.47~p.57を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
8 言語の処理 発話を聴取してその意味を処理するというプロセスが,実際にはどのように行われるかという問題を考える。 テキスト第3章「Words, Meaning, and Thought」の p.57~p.65を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
9 言語変種 社会における多様な言語変種のありかたと,それに対する社会的な問題を考える。 テキスト第4章「Language and Social Life」の p.66~p.76を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
10 サインランゲージ 世界中の多様な言語の社会的な相互関係から手話など,より多様な言語にありかたについて考える。 テキスト第4章「Language and Social Life」の p.76~p.82を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
11 機械の言語処理 機械翻訳あるいは機械との会話など,コンピュータによる言語処理とはどのようなものかという問題を考える。 テキスト第5章「Machines That Understand Us」の p.83~p.93を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
12 自然言語 自然言語すなわち人間の言語の全体的な特性はどこにあるのかという問題を考える。 テキスト第5章「Machines That Understand Us」の p.93~p.108を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
13 機械と言語 機械は言語処理に対して何ができて何ができないか,人間への洞察として考える。 テキスト第5章「Machines That Understand Us」の p.108~p.120を読了しておく。なお必要に応じて質問を提起しておくことも求められる。
14 議論のまとめ 言語学とは何を問題とする分野なのか,その対象である言語とは何か,ここまでの議論から考えられることをまとめる。 テキストの「Conclusionを読了しておくとともに,自身の「Conclusion」を考えておく。

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