シラバス参照/View Syllabus

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2021/09/16 現在/As of 2021/09/16

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
日本特殊研究(日本文学作品研究d)/SPECIAL STUDIES IN JAPAN: LITERATURE (d)
開講所属
/Course Offered by
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2021年度/2021 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
月1/Mon 1
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
浅山 佳郎

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
浅山 佳郎 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
(学部ポリシーとの関係)
 学位授与方針と関わる能力としては,日本語と日本文化,中国語と中国文化に関する「知」に基づき、言語と文化の接触という課題について、主体的に考える問題解決能力の養成を目標とする。カリキュラムの編成・実施方針としては,日本と日本文化に関する総合的理解のうち,他言語他文化との接触というより応用的な課題をあつかう。

(授業の具体的な目的と内容)
 日本人が古典中国語で著述した紀行文を読解する。読解テキストは細川潤次郎(1834-1923,幕末から明治期の学者,教育者)の『日光紀游』を使用する。この紀行は細川が文久元年(1861)に,日光に遊んだ時のエッセイである。
 いわゆる「漢文」と呼ばれる作品であるが,日本の風景や風俗を「漢文」という他言語によって記述することの意味,作用,機序などを考える。具体的には以下の3点である。
(1)漢文としての読解の言語的なレベルでの正確さ(どう”読む”か,どういう”意味”か)
(2)記述された内容の事実的なレベルでの確認(そこは“何処”か,それは何”か)
(3)漢文作品としての文学的なレベルでの再解釈(なぜこの”表現”が使用されているか)
これによって,日本とは何であるか,漢字文化圏としての中国とは何であるか,言語や文化の接触とは何であるかを考えていきたい。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
(感染症対策としての授業方式について)
 この授業は,対面授業の方式をとる。なお同時にzoomでの受講もできるようにする。ただし,初回の授業だけは学部の申し合わせに基づいて遠隔授業方式とする。その具体的な方式については,”Manaba”で告知する。

(各回の授業形式および方法について)
 発表担当者による読解演習の形式をとる。毎回約1丁半(和本の3ページ)を読解していく。各担当者にはそれぞれその半分(1ページ半相当)を配当するので,事前に読解し資料を準備したうえで,授業で発表することが求められる。よって毎回2名の担当者が発表する。
 同時に発表者は,テキストの読解だけでなく,その担当個所に関して,クラスの参加者と意見を交換できるような言語と文化の比較に関する「鑑賞」を指摘し,クラスでの議論に資するようにすることが求められる。
 発表者以外の履修者も,当然ながらテキストに目を通してから参加することが要求される。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
 毎回予習として,テキストの当該箇所を読むことが求められる。さらに発表担当者は,精読したうえで,読解用の資料を作成しておくことも求められる。
 担当者以外は通常1~2時間の予習が必要となり,担当者は担当準備のために半日以上の時間が必要となる。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
読解テキストのコピーを配布する
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
伊藤仁斎(日本漢詩人選集4)
著者
/Author name
浅山佳郎,厳明
出版社/URL
/Publisher
研文出版
ISBN
/ISBN
9784876361908
その他(任意)
/other
日本漢文を中国語として読解するか,訓読した日本語として読解するかという問題のケーススタディ。
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
「訓読」論―東アジア漢文世界と日本語
著者
/Author name
中村春作ほか編  
出版社/URL
/Publisher
勉誠出版
ISBN
/ISBN
9784585031840
その他(任意)
/other
訓読という方法を国際性および普遍性から考えるための参考となる。授業で学んだことをさらに深化させるための一冊。
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
日本漢文学の射程:その方法、達成と可能性
著者
/Author name
王小林, 町泉寿郎
出版社/URL
/Publisher
汲古書院
ISBN
/ISBN
9784762936432
その他(任意)
/other
日本人による漢文とはどのような意味があるのか,それを考えるための参考書。授業活動を大きく意味付けることを可能とする視点を提供する。
評価方法
/Evaluation
(1)期末レポート(40%);授業内容に基づいて,日本漢文による紀行文の鑑賞についてレポートの提出を求める。評価はユニークさ(具体的な作品内の記述について,独自の鑑賞のポイントを形成しているか),論理性(言語学的または文学的または歴史学的などの学的な議論として説得性があるか),実証性(議論に対してその根拠となる資料やデータが提示されているか)の3点による。3点が十分に達成されていれば,S(10点),不十分でも3点が実現されていれば,A(9点),一部に未達成の項目がある場合は,B(8点),3点の一部が全く欠如している場合は,C(7点)という4段階で評価し,40点に換算する。なお未提出は0点とする。
(2)平常点(40%);授業内での担当発表を,2段階,Good(準備が詳細であった,10点),Average(準備が読解を可能とするだけのレベルであった,7点)で評価し,複数回がある場合は平均したうえで,40点満点に換算し,評価に算入する。
(3)授業活動の積極性(20%);授業内での「鑑賞」の意見交換での積極性(発言したか否か)を,20点を上限として評価に算入する。
関連科目
/Related Subjects
この授業より前に履修していることが望ましい科目
 日本研究概論Ⅰ・Ⅱ;言語文化学科科目(全カリ科目)
この授業と前後して履修することが望ましい科目
 日本文学論中世Ⅰ・Ⅱ;言語文化学科科目(全カリ科目)
 日本特殊研究;言語文化学科科目

備考
/Notes
本来,文献は読めないことが前提となる。それを「読める」ようにすることが,「文献学」または「古典学」である。それに挑戦しようと考える学生諸君の参加を期待する。
到達目標
/Learning Goal
「日本研究科目群」の他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって日本を研究分析し、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 漢文紀行文および「日光紀游序」 この回のみ遠隔授業で行う。
日本漢文の概説および『日光紀游』と細川潤次郎について講義するとともに,漢文を読むための参考図書類を紹介する。
事前にシラバスと「序文」を読んでおくこと。
事後には参考図書類の使用可能性について各自確認されたい。
2 『日光紀游』1丁表~2丁裏 江戸から栗橋までの読解と鑑賞
なお担当教員による発表法についての提示と説明を行う。
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。
事後には発表方法の確認をされたい。
3 『日光紀游』3丁表~4丁表 栗橋から野木までの往路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
4 『日光紀游』4丁裏~5丁裏 真間田から徳次郎までの往路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
5 『日光紀游』6丁表~7丁表 徳次郎から大沢までの往路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
6 『日光紀游』7丁裏~8丁裏 大沢から善如寺谷までの往路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
7 『日光紀游』9丁表~10丁表 東照宮参拝から二荒山神社渡御祭観覧前半までの読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
8 『日光紀游』10丁裏~11丁裏 二荒山神社渡御祭観覧後半からいろは坂入口までの読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
9 『日光紀游』12丁表~13丁表 女人堂から中禅寺湖までの往路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
10 『日光紀游』13丁裏~14丁裏 中禅寺湖から湯ノ湖までの往路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
11 『日光紀游』15丁表~16丁表 奥日光温泉めぐりの読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
12 『日光紀游』16丁裏~17丁裏 奥日光からいろは坂入口までの帰路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
13 『日光紀游』18丁表~19丁表 いろは坂入口から慈雲寺までの帰路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。
14 『日光紀游』19丁裏~21丁表 日光から千住までの帰路の読解と鑑賞
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと。事後には発表者による「鑑賞」の課題を考えられたい。

科目一覧へ戻る/Return to the Course List