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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2021/08/23 現在/As of 2021/08/23

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
社会保障法a/SOCIAL SECURITY LAW a
開講所属
/Course Offered by
法学部総合政策学科/LAW POLICY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2021年度/2021 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
火3/Tue 3
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
3,4
主担当教員
/Main Instructor
石井 保雄

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
石井 保雄 法律学科/LAW
授業の目的・内容
/Course Objectives
 この講義、社会保障法と総称される法分野について、取り扱う。それは国民生活にとって、もっとも身近であるけれども、反面、諸君らにとっては普段はあまり意識することがない法制度であろう。「社会保障法」とは何か?日本では、統一的な法典Codeはないが、それは社会保障に関係または関連する様ざまな立法群の総称するものである。言い換えれば、社会保障法とは、そのような法現象を統一的に把握するための概念(道具)である。
  春学期では、まず総論として日本における社会保障法の意義と、これを取り巻く環境について把握する。そのあと、具体的な問題の検討に入りたいと思う。まず、われわれの生活にとって、もっとも身近な医療保険制度について理解する。ここでは「国民皆保険」といわれる日本の特徴と問題点を把握する。
 つぎに、多くの学生諸君が大学卒業後、社会人として生活する場合、「労働者」として働くことになるかと思う。そこで労働に関わる保険制度として、労働災害補償保険と雇用保険を理解する。労災保険は不幸にして、労働に関わるけがや病気(職業病)、また死亡事実について、本人ないし遺族に対する治療・療養・生活保障を実現する仕組みである。また雇用保険は今日、かつてのような狭く、労働者が会社を解雇されたり、自ら仕事をやめるなどして失業したときの生活実現の一部を保障するだけではなく、継続的な労働関係の実現を図るための制度であることを考える。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 通常の対面方式の講義形式を基本としたいと考えている。というよりは、今年度は昨年度とは異なり、通常の「対面授業」形態をとりたいと願っている。ただしCOVID-19の感染状況によっては、「遠隔授業」方式を取らざるをえないかもしれない。とくに第1回の講義は、所定の教室(Wー101)で行なう予定である。なおその際には、遠隔講義方式をとらざるをえない。ただしその場合、「資料・課題配信型」と「オンデマンド配信型」のいずれかとするか、現在検討中である。
 当日の授業内容については、授業形態の如何を問わず、レジュメと資料をmanabaを利用して、配信する。ただし公開期間は1週間程度とするつもりなので、各自必要に応じて保存してほしい。対面授業であっても、紙媒体のそれらの配布はしない予定である。講義を欠席した場合などについては、友人から借りてコピーをするなど、受講者本人が入手の努力してほしい。
  「評価方法」でもふれるが、隔週で課題レポートの提出を求めるが、後日、manabaにてコメントないし解答例を示したい。

事前・事後学修の内容
/Before After Study
  テキストの指定された箇所について、事前に目をとおしておくこと。また授業を受講した後には、配布されたレジュメと参考裁判例(『社会保障判例百選』第5版より適宜選び出して、コピーを配布する)の事実・判旨およびそれに関する「解説」を精読すること。そうすることにより、内容理解を「一歩前に」進めることができると思う。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
トピック社会保障法(15版)
著者
/Author name
本澤巳代子=新田秀樹〔編〕
出版社
/Publisher
不磨書房/信山社
ISBN
/ISBN
9784797287165
その他(任意)
/other
本書は毎年改定されている。新版は2021年春(3月29日)に刊行予定
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
社会保障判例百選(5版)
著者
/Author name
岩村正彦編
出版社/URL
/Publisher
有斐閣
ISBN
/ISBN
978-4-641-11528-6
その他(任意)
/other
2016。適宜、講義に際し、該当ページのフォトコピーを提示する
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
そのほかは、講義に際し適宜指示する。
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 今年度は、新型コロナウイルスの感染状況の動向が見通せないこともあり、定期試験の日程が設けられていない。そこで原則隔週で課題レポートを出題し、その提出回数(いうまでもなく、全回提出
するのが原則)と記述内容如何を綜合的に考慮して、成績評価をする。1回につき、課題レポートの分量は、A4サイズを想定して、文字数1000字程度を考えている。受講者の理解度は、自ずとレポートの内容に反映されていると考える。評価にあたっては、結論の如何というよりも、論点を適確に捉えて、論理的な議論がなされているかどうかを重視する。
関連科目
/Related Subjects
 法律学は受講科目の積み重ねを通じて、より深くかつ体系的な内容理解が可能となる学問分野である。
 社会保障法学の場合、その法適用や実施にあたって、行政が関与する場面も多くある。そこで同じく「社会法」に分類される労働法はもちろん、民法の債権各論(不法行為)に加えて、行政法の講義を受講していることがのぞましい。
備考
/Notes
  法律学に関する開講科目は、各年次に配当される法律科目を体系的に積み重ねて受講することにより、その全体像を把握することができる。したがって「楽単科目」を狙って、つまみ食い的な履修をしないように注意してほしい。
到達目標
/Learning Goal
社会保障法に関する基礎や様々な学問分野、社会保障法の特定分野に関する重要な項目・論点や制度を体系的かつ正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 社会保障法とは何か――イントロダクション ILOの「社会保障への道」(1942)とわが国の社会保障制度審議会1950(昭和25)・10勧告を手掛かりに、「社会保障法」とは一体何かを考える。
2 わが国の社会保障制度を取り巻く環境 高齢化・少子化・核家族化・就業構造の変化を「切り口」として、わが国の社会保障法制度を取り巻く環境の現状=あり様を理解する。
3 社会保障法の制度と仕組み 社会保障制度の4つの原理(社会保険・扶養・公的扶助・社会手当)を踏まえて、社会保諸法の体系をいかに構成するのかを理解する。
4 医療保険(1)―病気やけがと保険制度 国民に対して医療サービスを職域・地域に着目して保障する仕組みを理解する。
5 医療保険(2)―医療保険給付の内容 ①どの医療機関で、②いかなる医療サービスが、③患者がどのくらいの費用を負担することにより受けることができるのか?という医療給付の具体的内容について理解する。
6 医療保険(3)―高齢者医療保険制度 後期高齢者医療制度について、誰がその費用を負担するのか?という観点から検討する。
7 医療保険(4)―診療報酬と薬価基準 保険による医療サービスの値段は、どのように決まり、その管理はどうなっているのか?診療報酬と薬価基準&財源について理解する。
8 介護保険―制度の成立とその概要:家族が倒れたとき   家族が高齢化したり、病気になったときの看護や介護のあり方について、介護保険制度の成立にいたる歴史的流れを確認しよう。
9 労災保険(1)―労災補償の意義と沿革 「労働者の……業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡すること」(労災保険法2条1項)に対する事後的救済制度である労災補償制度について検討する。
10   労災保険(2)―業務上外認定のあり方   どういう場合に労災=業務上災害としての「認定」が受けられるのだろうか?業務上・外認定の判断基準とその具体的適用について理解する。
11 労災保険(3)―過労死・過労自殺と労災補償 。労働関連疾病と業務上・外認定について、とくに社会的な関心を呼んでいる過労死・過労自殺について、その具体的な適用のあり方を理解する。
12 通勤途上災害と労災補償 労働災害ではないが、労災保険法が適用される「通勤途上災害」について理解する
13 雇用保険(1)―雇用保険と労働者 「雇用保険」とはいかなる制度か?その歴史的経緯を踏まえて理解する。
14   雇用保険(2)―失業給付の体系 失業対策としての雇用保険の内容を理解する。

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