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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2021/08/23 現在/As of 2021/08/23

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
国際開発論a/INTERNATIONAL DEVELOPMENT(A)
開講所属
/Course Offered by
経済学部国際環境経済学科/ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY
ターム・学期
/Term・Semester
2021年度/2021 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
金2/Fri 2
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
木原 隆司

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
木原 隆司 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY
授業の目的・内容
/Course Objectives
「国際開発論」では、経済学部国際環境経済学科の学位授与方針(DP)及び教育課程の編成・実施方針(CP)が示す「持続可能な発展のための国際社会システムの構築を探り、国際的な相互依存関係において問題を捉える能力を身に付け」、「持続可能な社会の実現を目指して、地域社会や国際社会に貢献できる実践的な人材を育成する」ことに資するため、開発経済学のみならず開発社会学・開発政治学等を用いて経済発展に伴う開発課題を分析し、持続可能(Sustainable)ですべての人々にその恩恵が行き渡る(Inclusive)開発のための戦略・政策を検討することにより、開発途上国の経済・社会・制度上の問題と処方箋を包括的に理解します。
「国際開発論a」では、貧困・ガバナンス・社会開発などの開発問題に対する経済学、政治学、社会学等のアプローチ手法を学ぶとともに、成長、貧困、格差等の開発課題に関する理論や実証分析の結果を検討します。
 経済学のほか、政治学、社会学を用いて、開発途上国の成長・貧困・格差を分析する基礎能力を習得することができます。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
講義形式。開発途上国の概要を学んだ上で、国際開発論への経済学・政治学・社会学からのアプローチを検討し、途上国の成長・貧困・格差等への適用を学びます。担当教員の実務経験を踏まえた講義とします。
講義は、新型コロナウイルス感染症に対応するため、主にPower Point(PPT)の資料を示しながら担当教員が行う講義を録画し、「オンディマンド」で受講できるように、Zoomのクラウド等に限定公開でアップする予定です。
manabaの小テスト機能を用いて、毎回の「講義のまとめ」課題、2回の「計算等課題」、期末の「総合的課題」を出題しますので、締め切りまでに必ず解答するようにしてください。締め切り後に計算方法を含めて解答例をmanabaに掲示します。また「質問・感想」があれば所定のWordファイルに記載してmanabaのレポート機能を用いて提出してください。次回の講義でお答えします。
学生間の意見交換(ディスカッション)はmanabaの「掲示板」機能を通じて行う予定です。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
事前にmanabaに講義用PPTをアップするので、ダウンロードして、講義に備えて予習してください(2時間程度)。
 講義後は、図や数式展開を含め講義内容を良く復習し、manabaの小テスト機能を用いた「講義のまとめ」や「計算課題」に解答してください(2時間程度)。
開発経済学に関連して、幾何平均、自然対数による弾性値計算、経済成長理論、二次の推定式からの最大値・限界効果計算等を習得します。経済学関連科目を復習するとともに、開発途上国に関する新聞記事等を読むように努めてください。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
国際開発学入門
著者
/Author name
大坪滋、木村宏恒、伊藤早苗
出版社/URL
/Publisher
勁草書房
ISBN
/ISBN
9784326503278
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
Economic Development 13th Edition
著者
/Author name
Michel P. Todaro and Stephen C. Smith
出版社/URL
/Publisher
Addison Wesley, Pearson
ISBN
/ISBN
9784326503278
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 各回の講義確認課題等(40%)、計算等課題(20%)、期末の総合課題(40%)により評価します。総合的課題では、講義で学修した基本概念の理解と計算課題等で示した応用能力を評価します。
 これにより、国際開発に関して専門知識を習得し、開発途上国が直面する課題とその解決方法等について分析のうえ、見解を提示できるかどうか評価します。
関連科目
/Related Subjects
貧困・ガバナンス・社会開発などの開発問題に対する経済学、政治学、社会学等のアプローチ手法を学ぶとともに、成長、貧困、格差等の開発課題に関する理論や実証分析の結果を検討します。
そのため、経済学関連科目とともに、「開発経済学」、「開発社会学」、「東南アジア経済論」等の各地域経済論、「国際協力論」等の履修を勧めます。
備考
/Notes
テキスト:特定のテキストは用いず、授業の前にmanabaに各回の講義PPT等をアップします。
到達目標
/Learning Goal
国際開発に関して専門知識を習得し、開発途上国が直面する課題とその解決方法等について分析のうえ、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 イントロダクション 講義目的・概要・計画・評価方法等とともに、アマルティア・センのケイパビリティ―・アプローチからも、開発には生存とともに自尊心、隷属からの自由が必要なことを理解する。
2 開発途上国とは(1)(一人当たりGDP,人口等) 開発途上国の定義、 基礎的な開発指標(実質所得, 保健・医療、教育)と総合指標としてのNHDI(新人間開発指数) を理解する。自然対数やべき乗根を用いて分析できる。 特に、幾何平均による新人間開発指数を理解する。
3 開発途上国とは(2)(途上国の共通性を多様性、先進国との収斂等) 開発途上国の共通性と多様性、過去の先進国との違い、途上国と先進国の収斂の可能性等について概要を理解する。
4 国際開発論:開発経済学からのアプローチ(1)(歴史等) 開発戦略の歴史として、1940〜60年代の国家主導の資本蓄積・輸入代替工業化、70年代のBHNアプローチと輸出志向工業化戦略、80年代のワシントン・コンセンサス、90年代以降の制度の重要性等を理解する
5 国際開発論:開発経済学からのアプローチ(2)(成長・格差・貧困の関連等) 経済成長・格差・貧困削減の間の関係を理解する。所得水準と格差の間のクズネッツ曲線の存否、貧困層の所得・貧困率の所得・格差「弾性値」、Barro回帰の結果を理解する。 特に、自然対数による弾性値計算を理解する。
6 国際開発論:開発政治学からのアプローチ 開発政治学は民主政等、途上国のガバナンス問題を扱う。開発経済学でも良好な制度政策環境の下で援助効果があり「選択的援助」や債務の「信号機システム」「脆弱国支援」を理解する。
7 国際開発論:開発社会学からのアプローチ 開発社会学は、人間開発・コミュニティー開発、社会開発の実践に理論的基礎を与える。各社会の主体性を尊重し、参加型アプローチを重視する。インフォーマル・セクター、女性のエンパワメント等の社会開発を理解する
8 経済成長論(1)(新古典派成長理論等) ハロッド・ドマー成長モデル、新古典派成長理論、. 「収斂」対「貧困の罠」等を数値例とともに理解する。貯蓄・人口増加・技術進歩の定常均衡への影響をモデル計算できる。 特に、新古典派成長理論の定常状態を理解する。
9 経済成長論(2)(内生的成長理論等) 資本ストックに体化された知識が公共財となり他の産業に波及するローマー・モデルなど、内生的な技術進歩等により定常状態でも成長する「内生的成長理論」を理解する。
10 経済成長論(3)(人口動態と成長、援助の成長促進効果等) 人口動態と経済成長、援助と成長との関係、援助の成長促進効果(実証分析)等の理論・実証分析を理解する。成長回帰分析結果の評価方法を学ぶ。 特に、二次の推定値からの最大値、限界効果計算を理解する。
11 経済成長と開発(1)(段階的発展論、ルイス・モデル等) Rostowの5段階の「成長の段階的発展モデル(直線的段階理論)やLewisによる「二部門余剰労働モデル」(構造変化モデル)等、大量の投資が成長を生むモデルを学ぶ。ルイスモデルの図を理解する。
12 経済成長と開発(2)(経済開発のOリング理論等) 近代生産の強い補完性により正の近接マッチングが起こるKremerのOリング理論を学ぶ。これにより先進国の高所得や途上国の低生産性の罠を説明できる。その他、協調の失敗、ビッグ・プッシュ等の理論を学ぶ。
13 貧困と格差(1)(所得分配(ジニ係数)等) 格差の指標(クズネッツ比率、ローレンツ曲線、ジニ係数等)、貧困の指標(絶対的貧困、貧困ギャップ、二乗貧困ギャップ、多元的貧困等)を計算式とともに理解し、実態を把握する。
14 貧困と格差(2)(クズネッツの逆U字等),
まとめ
一人当たりGNI(横軸)とジニ係数(縦軸)との逆U字の関係を「クズネッツ曲線」と言い、ルイス・モデルで説明できるが、否定する実証も多く、成長が分配を悪化させる効果は必ずしもないことを理解する。

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