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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2020/03/19 現在/As of 2020/03/19

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
国際経済演習(東アジア・中国経済論)/SEMINAR IN INTERNATIONAL ECONOMY(EAST ASIAN AND CHINESE ECONOMY)
時間割コード
/Course Code
24706
開講所属
/Course Offered by
大学院/
ターム・学期
/Term・Semester
2020年度/2020 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
金5/Fri 5
開講区分
/semester offered
通年/Yearlong
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
全 載旭/CHUN Chai Wook
科目区分
/Course Group
大学院科目 演習科目

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
全 載旭/CHUN Chai Wook 経済学科/ECONOMICS
授業の目的・内容
/Course Objectives
この演習は、1970年代末の改革・開放以降、高度成長を実現してきた中国の経済発展メカニズムを明らかにすることを目的としている。中国の経済発展を実証的に分析するためには歴史的な観点からの分析が必要である。中国経済発展過程を1949年の中華人民共和国が成立する以前の時期、改革・開放の以前と以降の時期に区分し、その発展メカニズムを明らかにする。
経済理論と中国の現実に対する客観的な評価に基づいて分析する。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
基本的には輪読形式で行う。必要に応じて講義をすることもある。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
授業内容を確認し、プレゼンテーションの準備ができるようにしてください。また授業で議論された内容を纏めて次回で提出してください。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
現代中国経済入門
著者
/Author name
ツァイ・ファン
出版社
/Publisher
東京大学大学出版会
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
プレゼンテーション(50%)と提出されたレポート(50%)により評価する。
備考
/Notes
阿部一知・浦田秀次郎・NIRA編(2008)『日中韓FTA-その意義と課題』日本経済評論
池間誠編(2009)『国際経済の新構図-雁行型経済発展の視点から』文眞堂
川上桃子(2012)『圧縮された産業発展』名古屋大学出版会
関志雄(2013)『中国―二つの罠―』日本経済新聞出版社
南 亮進・牧野文夫編(2012)『中国経済入門』日本評論社
到達目標
/Learning Goal
国際経済についての修士レベルの知識をもとに問題を発見し,研究論文を作成できるようにする.

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 長期発展の曲がり角(Ⅰ) 各国の経済発展の分岐と収斂という世界規模の減少を説明する分析枠組みのなかで中国の経済発展の位置について理化する。
2 長期発展の曲がり角(Ⅱ 他国の経験では高度成長の後に中成長、低成長の時期が到来するが、その経験に照らしたとき中国は今どのような位置にあるのか、また中国はどうすれば中所得国の罠を避けるかについて考察する
3 二重経済のモデル(Ⅰ) 一国の経済発展過程における転換点とは、開発経済学においてどのように考えられるか、この問題を考える理論的枠組みが二重構造モデルである。この理論について詳しく考察する。
4 . 二重経済のモデル(Ⅱ) ルイスの理論が中国の移行期の経済に応用できるかを検討する
5 ルイスの転換点(Ⅰ) ルイスの転換点の到来とそれがもたらす課題に関連する新しい現象について理解する。
6 ルイスの転換点(Ⅱ)  日本の転換点研究に基づいて、賃金の変化がルイスの転換点の到来を検証する方法について考察する。
7 人口ボーナス(Ⅰ) 人口ボーナスの消失を理論的・実証的に考察する。
8 人口ボーナス(Ⅱ) 一国の人口転換と二重経済発展の間の理論的な関係を他国経験に基づいて検証し、中国の人口転換過程が経済成長に与える影響について理解する。
9 未富先老(Ⅰ) 中国の場合、所得の上昇よりもさらに急速に高齢化が進んでいる。所得の増加に比べて人口転換が先行しているので、中国は豊かになる前に老いることになる。その現状とそのメカニズムを理解する。
10 未富先老(Ⅱ) 中国の人口転換の特徴を検討する。またそれが中国の持続的な経済成長を対して提起している課題を議論する。
11 中所得国の罠に陥るリスク(Ⅰ)  中所得国の罠と関連する経済学理論、特に経済成長論を概観する。
12 中所得国の罠に陥るリスク(Ⅱ) 中国経済の現段階を明らかにすることによって、中国の経済成長の持続可能性に対する中所得国の罠という概念の含意を考察する。
13 経済成長の新たなエンジン(Ⅰ) 新たな経済成長の源泉を開拓して潜在成長率を引き上げる方策を議論する。
14 経済成長の新たなエンジン(Ⅱ) 経済成長のあらゆる側面を検討する代わりに、人口ボーナスが消失したのちの中国が直面する資本の収穫逓減という問題にどう対処するかを議論する。
15 移行期のマクロ経済政策(Ⅰ) 中国のマクロ経済の安定がどのように達成されたか、これから経済政策を決めるときにはどのような原則に従うべきかを明らかにする。
16 移行期のマクロ経済政策(Ⅱ) 経済政策手段の潜在的リスクに関して議論し、現在および将来の政策のあり方について検討する。
17 人的資本の蓄積(Ⅰ) 経済成長方式の転換、とりわけ産業構造の高度化の必要性について議論する。
18 人的資本の蓄積(Ⅱ) 労働者たちのスキルや創造性については、海外における教育発展の経験に触れつつ、人的資本蓄積の新たな動力を創出しうる方式、および中国政府の役割を検討する。
19 所得不平等の削減(Ⅰ) 中国の所得分配について、結論が相違なるいくつかの研究を論評し、所得不平等等の現在の動向を考察する。
20 所得不平等の削減(Ⅱ) クズネッツの転換点が到来する条件を作り出すための政策について考察する。
21 労働市場聖堂と社会保障(Ⅰ) ルイスの転換点に到達したことが労働市場にどのような影響を与えるのかついて理解する。
22 労働市場聖堂と社会保障(Ⅱ) 労働者の労働市場制度の構築と社会保障制度の整備、そしてこうした転換を促進するインセンティブについて議論する。
23 改革のボーナスを獲得する(Ⅰ) 経済改革がこれまでたどってきた論理を明らかにし、また改革の効果について考察する。
24 改革のボーナスを獲得する(Ⅱ) 現在の中国の指導部が描く新たな改革の奥的について議論し、改革を成功に導くような政治経済的なロジックを理解する。
25 .雁行形態論・キャッチアップ型工業化論とその限界(Ⅰ) 雁行形態論で中国の経済発展がいかに説明できるのか、あるいは十分には説明できないのかを議論する。
26 雁行形態論・キャッチアップ型工業化論とその限界(Ⅱ) 雁行形態論を含むキャッチアップ型工業化論の「限界」について考察する。
27 開発独裁モデル ー中国における政府と市場の関係ー(Ⅰ) 一般論として政府と市場の役割について理解し、この両者の関係という文脈で中国はどのように特徴づけられるのかについて考察する。
28 開発独裁モデル ー中国における政府と市場の関係ー(Ⅱ) 1990年代以降開発思潮の一大潮流となったセンの「自由としての開発」論を中国に当てはめた場合、どのようなことが言えるかについて議論する

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