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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2020/03/19 現在/As of 2020/03/19

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
経営研究(国際経営論)/MANAGEMENT(INTERNATIONAL BUSINESS)
時間割コード
/Course Code
23734
開講所属
/Course Offered by
大学院/
ターム・学期
/Term・Semester
2020年度/2020 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
火5/Tue 5
開講区分
/semester offered
通年/Yearlong
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
小林 哲也
科目区分
/Course Group
大学院科目 講義科目

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
小林 哲也 経営学科/MANAGEMENT
授業の目的・内容
/Course Objectives
グローバリゼーションの原動力の一つは、国境を越えて活動する多国籍企業である。現代企業は、財の生産や流通だけでなく、情報や金融の世界でも、グローバル化を進めている。生産・流通・広告・金融など諸分野での新しい技術・ビジネスモデルの登場により、国際分業が再編成されてきている。AIやロボットなどの登場により、技術と人間との関係も、新たな段階を迎えている。Y.N.ハラリのように、データを独占するエリート+AIによる、新しいカースト社会を予言するものもいる。現代では、グローバリゼーションの展開に関して、文明史的な再考が必要となってきているのではないか。
本講義では、企業の国際化に伴う諸問題を包括的に議論し、グローバリゼーションを理解するための理論的枠組みを提供することを目的とする。前期で主として理論・歴史を取り扱い、後期で産業や企業に関するケーススタディを行うので、通年受講が望ましい。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
事前・事後学修の内容
/Before After Study
【予習】新聞・雑誌記事に日常的に眼を配るようにする。
【復習】配付資料について、各自整理・理解するようにする。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
世界経済-大いなる収斂--- ITがもたらす新次元のグローバリゼーション
著者
/Author name
リチャード・ボールドウィン
出版社/URL
/Publisher
日本経済新聞出版社
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
ゆたかな社会
著者
/Author name
J.K.ガルブレイス
出版社/URL
/Publisher
岩波
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
ホモ・デウス
著者
/Author name
Y.N.ハラリ
出版社/URL
/Publisher
河出書房新社
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
授業参加(小レポート、コメントなど)30%、期末試験70%
備考
/Notes
到達目標
/Learning Goal
経営学についての修士レベルの知識を修得し,経営に関連する諸問題を分析できるようにする.

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 グローバリゼーション---可能性と問題点 世界経済の現状と本講義の目標を解説する。グローバリゼーションは、多国籍企業による世界的な産業の再編成のプロセスでもある。 グローバリゼーションは、進歩/破壊のどちらをもたらしているのか。
2 現代経済における多国籍企業 企業が国境を越えるのはなぜか。代表的な企業の行う海外直接投資について、議論する。 OECD「多国籍企業行動指針」にはどんなことが述べられているか、調べておこう。
3 巨大企業と「豊かな社会」 産業革命を経て、大企業が産業のプラットフォームと形作るようになってきた。この産業社会にどんな問題点があるのか、考察する。 S.ヴェブレン『有閑階級の理論』など、資本主義の過剰な消費を批判する議論について、考えてみよう。
4 コーポレートガバナンス 企業組織における意思決定はどのように行われているのか。日本や他国のガバナンスは、どう異なっているのか、問題点を探る。 「日独対アングロサクソン」という副題を持つ本がある。その著者について調べてみよう。
5 フォードシステム 大量生産大量消費のシステムは、フォードによって形成されてきた。 チャップリン『モダンタイムス』などは、人間が機械に使われる側面を風刺したもの。「モダーン」は進歩ではないのか?
6 日本的生産システム フォードシステムをカイゼンしたものがトヨタ生産方式。その原理を考えてみる。 トヨタ生産方式が、コンビニに生かされている意味など、考えてみよう。
7 情報技術革命と企業組織 ICT革命とは何か。どんなインパクトがあったのか。企業組織、生産技術、ビジネスモデルなどへの影響を考える。 「情報の取引費用」という考え方を調べておこう。
8 新しいビジネスモデルとアーキテクチュア 企業組織が、垂直統合的なものから水平分業的なものに変わるとは、どういうことか。ビジネスモデルとは何か。 「アーキテクチュア」とはどういう概念か。調べておこう。設計思想で通じますか。
9 ハイテク産業と経営戦略 いわゆるハイテク産業は、研究開発の最先端を取り入れたもの?どんな特徴があるのか。 湯之上隆『日本半導体敗戦』を読んで、「敗戦」とはどういう意味か考えてみよう。
10 国際的な産業の再編成とGVC(Global Value Chain) 中国を代表とする新興国の工業化が、近年の国際分業のパターンを決定的にかえた。どのような特徴をもった分業なのか、詳細に分析。 参考文献のボールドウィンのいう「アンバンドリング」について考えてみよう。
11 イノベーションの経営戦略 イノベーションは、単なる技術革新ではなく、発明を市場と結びつけるプロセスが重要。特許、パクリ、成長などについて考える。 C.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」は、どんな問題を扱っているのか。
12 暴走する資本主義 この主題は、ロバート・ライシュの本のタイトルから取っている。リーマンショックのような金融の暴走、SEDs、ESGなどの要請など、資本主義の直面している課題を考える。 ロバート・ライシュの本のタイトルの変遷を調べてみよう(英語原題が必要)。
13 グローバリゼーションと日本企業 AIをはじめとする新しいテクノロジー、新しい産業基盤の時代に、日本はどう対応しているか。問題点と可能性を考える。 日本企業は、世界のエコ・システムのどこに活路を見いだせるのか考えてみよう。
14 まとめ 前期の内容を復習する。 紹介された新聞・雑誌記事資料を、自分で元記事にあたって読み直しておこう。
15 世界経済の現段階 前期での理論的視点を整理しながら、世界経済の現状を概観する。
16 日本企業の海外進出 戦後復興から現在まで 日本企業の海外進出の歴史をたどる。近年は大型買収もあり、日本経済にとっても世界経済にとっても、大きな意味を持つようになった。「海外事業活動基本調査」などのデータに基づいて分析する。 日本企業は、どんな産業がどんな国に出て行っているのか。
17 日本企業の海外進出 「摩擦」の政治経済学 近年の米中摩擦は世界経済を大きく揺さぶっている。日本経済も、1980年代に対米「貿易摩擦」を経験した。その背景を分析する。 日米摩擦で、どんな産業や企業が対象となったのか。
18 日本企業の海外進出 アメリカ 日本企業の対米進出は、「摩擦」に促されて始まった。企業が海外進出する際の、問題点を、対米進出に即して分析する。 北米進出する日本企業にとって、メキシコやカナダの持つ意味を考えてみよう。
19 日本企業の海外進出 ヨーロッパの経済と企業 対ヨーロッパ進出は、アメリカ以上に政治的・文化的な制約のもとで行われた。ヨーロッパ経済の現状とユーロ圏の大企業について基礎的な分析を行う。 EUの現状とイギリスのBrexitの背景について調べてみよう。EU圏内で好調を維持している国はどこか。
20 日本企業の海外進出 ユーロ圏への企業進出 ユーロ圏のどこに進出して、どのようなパフォーマンスを上げているのか。 Brexitの影響、ESG政策の影響などについても調べてみよう。
21 日本企業の海外進出 アジアへの進出と撤退 主としてASEAN諸国での産業の集積について注目する。自動車産業を中心に、地域的なネットワークが形成されている。 「貿易の自由化」は、原則的に双方の経済的厚生を向上させるものだが、RCEPやTPPはなぜ多くの論争を呼ぶのか。
22 「世界の工場」中国  中国では製造業を中心に投資の伸びが低下している。米国との摩擦が主因ではあるが、主要大企業のほとんどが国営企業であることから来る非効率や腐敗、大都市と農村との格差など、構造的な問題が残されている。 中国沿海部の工業地帯は、それぞれどんな特徴があるのか。「国営企業」にはどんな問題点があり得るのか考えてみよう。
23 「世界の市場」中国 BATHをはじめとする中国の非国営企業の台頭、「赤いシリコンバレー」とも呼ばれる深センの活況など、中国の潜在的な可能性を探る。 深セン(広東省)はどんな街でどんな企業を擁しているのか、調べてみよう。
24 世界的な産業の再編成 新興工業国との間に形成された、新しい工業製品の供給網(GVC)は、どのようなものなのか。その歴史と可能性を探る。 GVCとは何か。
25 主要産業の未来 新しいビジネスモデル 最新鋭の生産設備や工場は新興国に立地し、基本ソフトや製造装置は先進国がほぼ独占している。しかし、この構図にも変化が見られる。 繊維産業で最新鋭の紡績装置が設置されているのは、どの国か調べてみよう。
26 なぜ日本のハイテク産業は失敗を続けるのか
素材や製造装置・部品を作り出しながら、日本の半導体産業は「半導体敗戦」とまで言われる惨状を呈している。その失敗を再検討する。 「ハイテク」とは何か。資本集約的・技術集約的産業でも、後発企業のキャッチアップや、製品のコモディティ化は、容易に進行する現状を、どう考えるか。
27 主要産業の未来 自動車産業の再編 CASE時代が到来すると言われている。またEVが主流となると、従来の自動車産業は家電やスマホのような組立産業のようになるかもしれない。 EVなぜ「革命」と呼ばれるのか。
28 まとめ 後期で扱ったケースから、企業経営における変化を見通す。

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