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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2020/03/19 現在/As of 2020/03/19 |
開講科目名 /Course |
会計演習(会計学)/SEMINAR IN ACCOUNTING(ACCOUNTING) |
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時間割コード /Course Code |
21905 |
開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム・学期 /Term・Semester |
2020年度/2020 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
土4/Sat 4 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
内倉 滋 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 演習科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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内倉 滋 | 経営学科/MANAGEMENT |
授業の目的・内容 /Course Objectives |
近年盛んに議論されている会計学の様々な問題領域には、その根底において「資産負債アプローチ」という共通項がある。減損会計/税効果会計/リース会計 といったものがその典型的な適用例であるが、本演習では、それらのうちの1つである「税効果会計」を その研究対象としたい。 まず春学期において、主として日本語の文献により、わが国で現に制度化されている税効果会計の中身を 深く掘り下げていきたい。ここでは、制度化されている内容を単に理解していくのみでなく、どのような理由からそうした内容が規定されているのか を考えていくこと、とりわけ「資産負債アプローチ」という観点から考察していくことが、とりわけ重要である。 他方 秋学期においては、税効果会計に関して提起されうる、あるいは 現に提起されている 様々な 論点,問題点,疑問点 を取り上げたい。そうした論点等の1つを 毎週 問題提起し、それに対して 我々としては(「資産負債アプローチ」という観点から)どのように考え どう解決していくべきかをdiscussionしていく、というスタンスで研究を進めていくこととしたい。 |
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授業の形式・方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
今週のテーマに係る資料的な中身のhandout資料を 前の週に事前配付しておき、目を通してきてもらう。そのことを前提として、内容の概要説明をする。その後、当該内容に関するdiscussionを、履修者と行う。そこでの重点は、第一には 履修者がhandout資料の内容を正しく理解しているか の確認であり、第二には、handout資料にあえて載せなかった問題点への履修者の気付きを促すことにある。なお最後に、その週のテーマに関するレポート(と言うより小論文)を書いて提出してもらう。その レポート/小論文 は、朱を入れてきた上で 翌週 返却し、その際に 論文の形式面も含めたコメントをしていきたい。 | ||||||||||
事前・事後学修の内容 /Before After Study |
毎回、次週のdiscussion予定テーマに関するhandout資料を配付するので、事前に目を通しておくこと。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
前述もしたが、ほぼ毎回、その週のテーマに関するレポート(と言うより小論文)を書いて提出してもらう。評価は、すべて(100%)その レポート/小論文 の内容による。 | ||||||||||
備考 /Notes |
テキストについて:特定の教科書は、使用しない。代わりに、各週のテーマに係る資料的な中身のhandout資料を、基本的に 毎回分 配付する。 参考文献等について:各週のテーマに関する参考文献等は、当該週のhandout資料に毎週掲載していく。 |
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到達目標 /Learning Goal |
会計学についての修士レベルの知識をもとに問題を発見し,研究論文を作成できるようにする. |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前・事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 通年授業である本演習全体のオリエンテイション | 通年授業である本演習全体の目的や目標、授業の進め方、評価方法等を具体的に説明していく。 | |
2 | 税効果会計の概要 | 歴史的な経緯を含め、税効果会計に関する概要説明をする。 | |
3 | 繰延法と資産負債法について | 税効果会計には、「繰延法」と「資産負債法」と呼ばれる2つの異なるアプローチの仕方がある。歴史的な経緯を含め、その両者の相違点等の説明をする。 | |
4 | 税効果会計基準について その1:米国基準 | 税効果会計が生まれたのは、米国である。その米国における 税効果会計の基準について、歴史的な経緯を含め、説明する。 | |
5 | 税効果会計基準について その2:IFRS基準 | 税効果会計は、国際会計基準においても制度化されている。その国際会計基準における 税効果会計の基準について、歴史的な経緯を含め、説明する。 | |
6 | 税効果会計基準についてその3:日本基準 | 税効果会計は、わが国においても制度化されている。そのわが国における 税効果会計の基準について、歴史的な経緯を含め、説明する。 | |
7 | 税効果会計が対象とする租税費用について | 税効果会計の対象は、「租税費用」である。どのようなものがそこに含まれるのか、の説明をする。なお租税費用に関しては、後期において、“租税費用は財務会計上の費用だと言えるのか? ”との問題提起をしたい。 | |
8 | 一時差異について | 税効果会計は、「一時差異」が存在するときに、当該額に対して適用されるものである。その一時差異についての概要説明をする。 | |
9 | 法定実効税率について | 税効果会計では、一時差異の額に対して「法定実効税率」を乗じて計算していくこととなる。法定実効税率を表す式の意味を含め、法定実効税率全般についての概要説明をする。 | |
10 | 繰延税金資産について |
税効果会計を適用した結果、「繰延税金資産」や「繰延税金負債」と呼ばれる 資産,負債 が認識される。今日は、そのうちの繰延税金資産について、概要説明をする。 | |
11 | 繰延税金負債について |
税効果会計を適用した結果認識される負債である 繰延税金負債について、その概要説明をする。 | |
12 | 連結財務諸表における税効果会計について:概要説明 | 連結財務諸表においては、一時差異の理解を含め、個別財務諸表の場合とは異なる 固有の論点がある。それらについての概要説明をする。 | |
13 | 連結財務諸表における税効果会計について:いくつかの論点の説明 |
連結財務諸表における税効果会計に固有の具体的論点として、子会社 資産,負債 評価差額に係る問題、未実現利益の消去に係る問題、子会社への投資の評価減に係る問題 等を取り上げ、説明する。 | |
14 | 前期中の演習の総復習 | 前期中の第2回~第13回の演習の総復習を行う。 | |
15 | 後期の演習のオリエンテイション | 本演習の後期中の内容や授業の進め方等を具体的に説明していく。 | |
16 | 租税費用は財務会計上の費用だと言えるのか? | 後期では、税効果会計に関する様々な問題点、疑問点を取り上げていく。税効果会計では租税費用が費用であることが大前提となっているのであるが、今日は、そうした前提に何か問題はないのか、との問題提起をする。 | |
17 | 繰延税金 負債/資産 は、負債/資産 定義に合致したものなのか? |
繰延税金資産や繰延税金負債は、概念フレームワークが規定している資産や負債の定義を満たすものだと言えるのか、との問題提起をする。 | |
18 | 資産負債法による繰延税金 負債,資産 は、割引計算されるべきか? | 繰延税金 負債,資産 に係る測定上の論点として、“資産負債法による繰延税金 負債,資産 は、割引計算されるべきか? ”との問題提起をする。 | |
19 | ‘資産/負債 の損益中立的当初認識による一時差異’への繰延税金認識否定規定について | 今週から、特定の差異に対する繰延税金認識の是非 の問題を取り扱う。今日は、IFRS基準にある‘資産/負債 の損益中立的当初認識による一時差異’への繰延税金認識否定規定を取り上げ、一定の問題提起をする。 | |
20 | FASB ASC Topic740 の連立方程式法の規定内容に関する問題点の提起 | ‘資産/負債 の損益中立的当初認識による一時差異’への繰延税金を、米国基準では「連立方程式法」という特殊な方法で認識するように規定されている。その規定ぶりを含めた この規定に関する問題点の提起をする。 | |
21 | ‘純資産の部に計上された評価差額たる一時差異’に対する繰延税金の認識方法に関する規定内容の是非 | 先週,先々週 のテーマとも関連するが、‘純資産の部に計上された評価差額たる一時差異’に対して、繰延税金をどのように認識するべきか、との問題を考察する。 | |
22 | ‘純資産の部に計上された繰延ヘッジ損益’に対する繰延税金認識規定に関する問題提起 | 先週のテーマに係る やや特殊な問題であるが、今日は、‘純資産の部に計上された繰延ヘッジ損益’に対する繰延税金認識規定に関する問題提起をする。 | |
23 | 複合金融商品発行時の一時差異に繰延税金を認識するべきか? |
やはり特殊な問題であるが、今日は、複合金融商品を発行した時に発生する一時差異に対して繰延税金を認識するべきか否か、との問題提起をする。 | |
24 | 連結財務諸表上の「のれん」勘定の当初認識額に対する繰延税金の認識の是非について | 今週から、連結財務諸表固有の問題を取り扱う。今日は、連結財務諸表上の「のれん」勘定の当初認識額に対して繰延税金を認識するべきか否か、といった問題提起をする。 | |
25 | “子会社の 資産/負債 と比較すべき「税務基準額」には2つのものがある”との私見について | 今週は、先週のテーマに関係する私見、すなわち“子会社の 資産/負債 と比較すべき「税務基準額」には2つのものがある”との見解を紹介し、履修者とdiscussionをする。 | |
26 | 子会社の留保利益(欠損金)に対する繰延税金の認識に関する諸論点 | 子会社の留保利益(欠損金)に対する繰延税金の認識に関する諸論点を取り上げ、考察する。 | |
27 | 子会社に対する(無税の)貸倒引当金は、一時差異として取扱うべきか? | 特殊な問題であるが、今日は、子会社に対する(無税の)貸倒引当金は一時差異として取扱うべきか否か、という論点を取り上げ、考察する。 | |
28 | 後期中の演習の総復習 | 後期中の第16回~第27回の演習の総復習を行う。 |