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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2020/09/23 現在/As of 2020/09/23

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
韓国特殊研究(韓国メディア論)/SPECIAL STUDIES IN KOREA:
開講所属
/Course Offered by
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES
ターム・学期
/Term・Semester
2020年度/2020 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
月5/Mon 5
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
青木 義幸

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
青木 義幸 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES
授業の目的・内容
/Course Objectives
 社会運動が一般化し社会全体にたいして影響力をもつ社会を「運動社会(movement society)」とする概念が社会学にあります。韓国社会はまさに社会運動が政治社会に広く影響力を発揮している「運動社会」の一例だと言われています。韓国社会をこの様な「運動社会」に作り上げているのは、かつて民主化運動を経験した人々が、日常生活の中で民主主義を実践しようとしているからなのです。もちろん、全ての人々が民主化運動に参加していたわけでも、現在社会運動に参与しているわけでもありません。しかし、韓国社会には社会運動が民主主義の発展に重要な役割を果たしてきたという共通認識が存在していると言えるのです。つまり、韓国の民主化運動について学ぶことは、現代韓国社会に生きる人々の認識や考え方を理解する上でも非常に有用な手段となります。
 1980年代の民主化運動は、1987年の大統領直接選挙制への改憲をもたらしたことから現代韓国社会でも重要な転換点として考えられています。もちろん、民主化運動は1980年代以前にも展開されていました。しかし、1980年代の特徴は、軍部勢力に対する敵愾心、学生運動の拡大、反米意識の高揚、運動理念の急進化といったそれまでの民主化運動とは異なった特徴が現れるようになります。なぜ、このような変化が1980年代に起こったのでしょうか?そして、様々な運動アクターが支配階級(国家)との闘いを経る中で具体的にどのような事件や被害が発生したのでしょうか?また、それらの事件は人々にどのような恐怖、悲しみ、怒りといった感情をもたらしたのでしょうか?この講義では、このような問い対する一つの解釈について配布テキストを通じて学び、現代韓国社会を理解する一つの観点を身につけていきます。
授業の形式・方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
【講義の形式】 この講義は、PortaⅡを通じた資料の配付と教員によるメールでのフィードバックを通じて進めていきたいと思います。但し、受講生との相談の上、Zoom等のリアルタイムのオンライン授業に移行が可能であれば、適宜形式を変更して行きます。受講生の了解無しに形式を変更することはありませんので安心して下さい。

1.  授業日までの作業: PortaⅡにアップロードする講読テキストを精読してください。
2.  授業日の作業: テキストを読んでいて不思議に思ったこと、疑問点を文章にしてまとめ、リーディングメモとして教員にメールで送付してください。「●●がわからない」「XXが不思議だった」という箇条書きではなく、なぜそういう疑問を持ったのか、その理由を文章にしてください。リーディングメモについては教員が必ずコメントを付して返信します。
3.  セクション終了毎の作業: セクションごと(大体2回の講義で1セクションのリーディング)にテキストの内容から派生する複数の問いをPortaⅡにアップしますので、各自回答を作成し、メールで教員に送付して下さい。
事前・事後学修の内容
/Before After Study
課題テキストを読了し、質問事項を文章にしてまとめること。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
The South Korean democratization movement
著者
/Author name
Namhee Lee, Kim Won eds.
出版社
/Publisher
Academy of Korean Studies
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
2016
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/サイト名
/Title
民主化の風
著者
/Author name
岡崎利明
出版社/URL
/Publisher
創森出版
ISBN
/ISBN
1992
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/サイト名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
以下の提出物のみで評価。

 ①毎週提出してもらうテキストに関する自分の疑問点をまとめたリーディングメモ(40%)
 ②小レポート3本(60%)

【リーディングメモに関する注意点】

リーディングメモは、教員がコメントを入れた上で必ず返却します。
※ リアルタイムのオンライン授業に移行した場合には、同じやりとりを授業時間内で行い議論への参加度として評価しますので、リーディングメモを提出する必要はありません。

【小レポートに関する注意点】

 レポート評価は基本的にレポート提出者数に対して以下の比率での相対評価で行う。総合評価はリーディングメモ及び小レポートの平均で評価します。

AA(90点以上)5%, A(80~89点)10%, B (70~79点)25%, C(60~69点)25%, F(59点以下)35%
関連科目
/Related Subjects
備考
/Notes
テキストはPortaⅡに該当部分をアップロードします。
到達目標
/Learning Goal
「韓国研究科目群」の他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって韓国を研究分析し、見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前・事後学修の内容
/Before After Study
1 総合ガイダンス 授業の進め方及びテキストの概要説明を行う。
2 メディアと政治 マスメディアと政治権力の関係性及びメディアという用語の多義性について考える。
3 4・19革命 朝鮮戦争以後の韓国社会の姿と1960年の学生を主体とした4・19革命の展開を学習する。
4 5・16クーデター以後の民主化運動① 朴正熙によるクーデター以後の民主化運動、特に日韓国交正常化交渉反対運動について学習する。
5 5・16クーデター以後の民主化運動② 国家による社会浄化運動とそれに抵抗する学生達の動き及び開発主義がもたらした歪みが生み出した民衆蜂起について学習する。
6 維新体制下の民主化運動① 民青学連事件、人民革命党事件を通じて国家権力の拡大とそれらに対する抵抗運動について学習する。
7 維新体制下の民主化運動② キリスト教、マスメディアと朴正熙政権の対立過程を学習する。
8 ソウルの春と光州民主化抗争 朴正熙政権終焉の余波と軍による光州市民の虐殺がその後の民主化運動にもたらした影響について学習する。
9 大学自律化措置と学生運動 1980年代中盤の大学自律化措置と学生運動の爆発的な拡大について学習する。
10 反米主義の登場 1980年代の特筆すべき特徴である反米主義の擡頭について学習する。
11 社会運動の急進化と5・3仁川闘争 革命を求める動きが拡大していく背景について学習する。
12 憲法改正運動の展開 国民全体を巻き込む「民主化」=「憲法改正」という図式の登場とその余波について学習する。
13 農民、教育者、一般国民の民主化運動 農民、教育者、一般市民が草の根レベルで行った民主化運動の実態について学習する。
14 パク・ジョンチョル拷問、護憲措置そして直接選挙制改憲 国家暴力の究極の形としての拷問致死と1987年の民主化の意義について学習する。

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